エイミー・フィッシャー日本に現る!
前号既報のとおり、詳述すべからざる事情によりウェイン町山は本雑誌を降板、ガース柳下がピンで務めることとなりました。ままならぬのが世の常とはいえ、まさかこんなことになろうとは。思いだすあの楽しき日々よ。ウェイン、カムバーック!
さて、ウェインがいなくとも世界は続き、猟奇犯罪も絶えることはない。アメリカ人の犯罪フィーヴァーも一向に衰えは見せない。メネンデス・ブラザースがようやく一段落したと思ったら、今度はO・J・シンプソン一色。CNNでも毎晩予備審問を生中継中だ。それにしてもアメリカの法廷中継ってスゴイ。アップにもロングにもなるし、切り返しまでやっちまう。いったい何台カメラを入れているのだ。
ともかくアメリカくらい犯罪者がスターになり易い国はないのだ。なんせ犯罪を犯しただけでテレビに雑誌がむらがり、一挙手一投足に注目してくれるんだから。犯罪者がハンサムな青年だったり、かわいい女の子だったりすればもう完璧である。すぐにスターにしてくれるから、〈ピープル〉と〈ナショナル・エンクワイアラー〉に任せときなさい。さてO・J、ハーディングの前のスター、殺人界のヒロインと言えばもちろん”ロング・アイランド・ロリータ”エイミー・フィッシャーである。
エイミー・フィッシャーは17歳の女子高生。1992年5月にニューヨーク州ロング・アイランド、マサペクァで愛人の妻を狙撃したのだ。エイミーの愛人は自動車修理工ジョーイ・バタフーコ(37)。エイミーは殺人未遂で逮捕され(頭を撃たれた妻は顔が左半分麻痺してしまった)、事件は”ティーンエイジ版『危険な情事』”と大宣伝された。新聞や雑誌はこぞってエイミーの記事を載せ、三大ネットワークはTVドラマを競作した。そのうち一本が、ようやく日本上陸をはたしたのである。待ってた甲斐があったね。
ABC作品『エイミー・フィッシャー』で、エイミー役を演じたのはドリュー・バリモア。うーん、これ以上ふさわしいキャスティングはないぞ。なんせドリュー・バリモアと言えば9歳で酒の味を覚え、10歳でハッパ、13歳のときにはコカ中で入院したという強者だ。最近ではほんの6週間前に知りあったばかりのバー経営者と電撃結婚、世間を驚かせたと思ったころにはもう離婚していた。甘やかされたバカ少女を演じるのに、これほどふさわしいキャリアの持ち主がいるだろうか?
期待にたがわずドリュー・バリモア演じるエイミーは説得力たっぷり。美人だけど頭はカラっぽ、年上の男に憧れて、小遣いがほしくなりゃ売春し、男に捨てられそうになると「あの女さえいなけりゃ」と短絡思考に走り、狙撃の”代金”がわりにBFをフェラする。どこからどこまで完全無欠のバカ女だ。「エイミーは男性社会の犠牲者だ」とかって弁護する女記者も出てきて、エイミーには同情的なはずなんだけど、まあこんなバカ女じゃしょーがないよね。なお、5年以上の不定期刑に処されて、エイミーは現在服役中である。
ウェイン町山
ファビュラス・バーカー・ボーイズのウェイン町山はかつて宝島社の社員だった。この連載はもともとはバーカー・ボーイズのものだったのだが、ウェイン町山が突然左遷されたため、相棒なしで勤めることになったのだった。
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