ジョン・ウォーターズさまありがとうございます(一生ついていきます)

◎今月のお仕事 HOT DOG PRESS8/10売りで西海岸暗黒特集。ケネス・アンガー インタビューもあり!


7/16(金)
 夕方、町山が来る。ビデオとか本とかをかき集めて渡す。部屋を閉めてクーラーをつけたら、なんかクーラーが故障してるみたいで蒸し風呂になってしまった。普段クーラー入れないもんで、故障に気づかないという。お粗末さま。
7/17(土)
 高田馬場に出かけ、久しぶりに買い物。『百鬼夜行ーー陰』(京極夏彦 講談社ノベルス)、『マイノリティ・レポート』(フィリップ・K・ディック ハヤカワ文庫)、『日本ストリップ50年史』(みのわひろお 三一書房)、『世紀末倶楽部#4』(コアマガジン)。『世紀末倶楽部#4』はねえ、いやすばらしい特集だと思うけど、そうか、"Dark Carnival"出てしまうのか……あれはオレ訳したかったんだけどなあ。いい本だから、ちゃんとした日本語になるといいんだが。やりたい本をやりたいように訳させてくれる出版社があればなあ。
7/18(日)
 原稿書き。能率悪い。全然進まぬ。
7/19(月)
 終日仕事。四方田犬彦の日記本『星とともに走る』を読む。妻が一ヶ所登場している。四方田の本はすべて自分が主役になっているという欠点があるんだが、そこんところを割り引けばなかなか楽しい。フィルムアート社から出た本が誤植だらけだとして、「この会社はもうまともな本を作れないのではないか」と書いているんだが、この本自体かなり誤植が目立つ。
7/20(火)
 吉祥寺のWIND'S CAFEに出かける。妻が演奏するので。で、16ミリの映写機をえっちらおっちら運んでいった。大変だった。なんかリハーサルの時間がなくてほとんど一発勝負だったので、演奏がどうこういうよりトラブルシューティングに追われてた感じ。トホホ。

 終わってから主催者の川村氏に「滋賀県から来てる人がいるんで……」と紹介されたのがなんとEVこと細馬氏であった。カットアップ・ソフトDr.Burroughsの作者としてメールをやりとりしてから10年ぶりくらい、はじめてお目通りなる。文章通りの人だった。つうか、いろいろ教えてもらうことが多く、楽しかった。「なんかエレベーターの出てくる映画ありますか?」と聞かれたので(細馬氏はエレベータ内コミュニケーションの専門家である)、「うーん、『悪魔の密室』とか?」と言ってみたがもうとっくに見ていた。なんでもあだちみつるのなんとかいう漫画はエレベータ内コミュニケーションのパターンをほぼ網羅しているとか。


7/21(水)
 起きたら昼過ぎだった。喫茶店にこもって原稿を書いていたら、どしゃぶりで帰れなくなってしまった。
7/22(木)
 パンドラから電話。電話の勢いに押されて(つうか、最初から抗すべくもないんだけど)仕事を引き受ける。いや、暇なときなら楽しいお仕事なんだけどなあ。また夏休みがなくなってしまった(つーか、最初からないんだけど)

『ケニア』(E・ヘミングウェイ アーティストハウス)送ってくる。


7/23(金)
 日比谷映画で『ハムナプトラ・失われた砂漠の都』見る。楽しかった。古い感じの映画で−−というのはちゃんとアクションに意味があったりするってことね−−最近のひたすら爆発ばっかしてる映画とはひと味ちがう。惜しむらくはいささか長すぎる。1時間半でまとまってれば傑作だったんだが、だが今ハリウッドで映画を一時間半で作るっていうのはそれだけで前衛的行為なんでしょうがないかもしれぬ。
 今週の戸田奈津子チェック。イムホテップ(甦ってくるミイラ)は「胸を開けたものをみな殺しにする」ってセリフが出てくるんだがこりゃなんじゃ? chestだったら櫃っつうか匣だ! いちばんよくわかんないのは最後の方は「櫃」になってたりすることだな。誤訳に途中で気づいてもさかのぼって訂正しない? 配給会社はおかしいとか思わなかった? もう何がなにやら。

 帰ると若林から電話が入っているんで、あわてて飛び出して神保町に行く。ローリング・サンダー(タランティーノがミラマックスにもたしてもらっているオモチャ会社)の副社長でタラちゃんのビデオ店員仲間だったJerry Martinezが来ているというんで、飯を食う。Jerryくんは『ガメラ』マニアで、「『ガメラ3』の渋谷の破壊シーンは怪獣映画史上最高だ!」とか強く力説していたのことよ(ローリング・サンダーで米国配給しようという話もあったらしい)。ルチオ・フルチの『ビヨンド』上映時にあった予告編大会の話など取材する。あと、仕事の件も訊いたが、これはオフレコらしいよ。


7/24(土)
 近所のフィギュア屋に出かけたらNIghtmare Before Christmasのガシャポン新作が出ている! しかしガシャポンの機械自体は空っぽで、店の中で6個セットで売っていた。なんかなー。こういうのって嫌いなんだけど、ここは背に腹は代えられねえ。とりあえず一組保護。

 BOX東中野に出かけ、7時から町山とトーク。なんの準備も打ち合わせもしてない(だって、町山全然来ないんだもーん)ままのトークだったって超適当な感じ。来ていただいたみなさん、すみませんでした。その後BOXのスタッフほかと飲む。いろいろ、オフレコなうわさ話をする。やっぱり黒沢清は天才すぎる! 石井輝男は天才だけど鬼畜すぎる! とかなんとか。

 Escquire届く。SF映画アンケート、みたいのがあるんだが、オレと町山と回答がまったく一緒だった(笑)。いやあ、芸がないっつーかなんつーか。


7/26(月)
 洋泉社に出かけて町山と新作映画について議論する。つーか、いつもの征伐活動。読者カードを読んで大笑いしたりとかね。いやあ、秘宝の読者ってオモロいなあ。

 2時間ほど談笑後、新富町のパンドラに出かけて打ち合わせ。仕事だ!

 帰ると妙な封筒が届いている。中は"B-Movie Horrors"という自費出版の本だった。なんとボルチモアが誇る史上最低の映画作家ドン・ダラー(宇宙人がジーンズはいてたりする奴ね)に関する研究書。こんなもん研究してるんじゃねえ! 送り主はなんとジョン・ウォーターズ様だ! いや本当にいい人だなあ。


7/27(火)
 講談社に出かけ、Hot Dog Press編集部で特集の校正やる。

 帰りには図書館によって資料類をごっそりとか。


7/28(水)
 早起きして10時に上野のSofitel Tokyoへ。Sofitelってすげえ高級ホテルなんだけど、ここの建物はスルメみたいな白痴建築で、とても高級ホテルには見えない。今日で帰国するJerry Martinezに最後の同行取材だ! というわけで両国方面に買い物に行くJerryに町山とくっついていっていろいろ取材する。Jerryくんは実はグラフィック・デザイナーで、『ジャッキー・ブラウン』の幻のポスター(『フォクシー・ブラウン』風に描いたチョーかっこいい奴)をはじめローリング・サンダーのポスター類はみんな彼が作ってるらしい。

 例によって昔の映画の話で盛り上がり、兄弟仁義を結んで別れる。飯食って、ちょっと秋葉をまわったりして、6時帰宅。


7/29(木)
 最近、3時半の試写しか見られない。美学校でレオ・カラックスの新作『ポーラX』見る。ええとこのボンボンが自分の現状に飽きたらず、婚約者もお城も捨ててオウムに入信する話だった。いや、これ別にひねってるわけじゃないのよ。そのまんまよ。それにしてもカラックスって浮浪者フェチ?

 その足でパンドラに行って今後の相談をする。話せば話すほどやることが出てくるんで、もうあまり考えたくない感じだ。でもとりあえず来週からは缶詰なんで、細かい原稿はすべて終えておかないといけない。こればっかりはお盆進行のおかげである。しかし、資料を調べていていくつか驚愕の事実が発見された。本当かなあ。また調べものが増えた。


7/30(金)
『EXPO70伝説』(メディアワークス)送ってくる。

 昼から映画を見るつもりだったんだが、起きたのが12時過ぎではいかんともしがたい。しょうがないんで渋谷に出かけ、情報センター出版局のSと打ち合わせ。早い話が売り込みである。とりあえず、手だけは広げないとかないとね。

 TowerでFemme Fataleなど買って帰る。うちでちょっと仕事。ちょっと思い立ったんでEsquire映画評コラムのバックナンバーをウェブに登録。


8/1(土)
 久しぶりに東大図書館へ出かける。でも閲覧室ではパソコンの使用は禁じられていた。困ったもんである。場所としては静かで涼しくて最高なんだけどなあ。

 相変わらず図書館から図書館へ移動して調べもの。帰ってひたすら読書。一応オールスター・サッカーとか見るが、アナウンサーが選手の名前を言わないんで誰がどこにいるんだか全然わかんなくて往生した。


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / yanasita@gol.com