本末転倒
6/14(月)
ユーロスペースで『ロゴパグ』見る。五回券があまってたんで見てみたんだけど、以前見たことがあった。たぶんビデオが出たときにレビューしたんじゃないかな? ゴダールは「核時代には条理もなにも消え失せてしまう」とかって訴える、まあわりと退屈な代物なんだが、不条理の表現が恋人がいきなりいきずりの男と浮気をはじめる、だったりするあたりのリビドー炸裂加減がゴダールか。いずれにしても、こういうのは人生の重みに打ちひしがれてるアントニオーニあたりが作らないとおもしろくならない。
夜、BOX東中野で『ダーク・スター』試写。いやあ、懐かしい。いったい何年ぶりだろうか。今見ても充分面白い−−のはいいんだが、問題はジョン・カーペンターもダン・オバノンも、このころからちっとも頭が良くなってるように見えないってことかな。まあ、頭のいい悪いなんて映画作りには関係ないが。今日のびっくり:ピンバッグは本当はピンバッグではなかった!
大森望、さいとうよしこ、添野と飯を食って12時前には帰る。
6/15(火)
白水社のF来て打ち合わせ。あーあ、仕事かあ。『フットボール・エクスプロージョン!』(陣野俊史 白水社)、『W杯放浪』(石川保昌 白水社)いただく。
ヘラルドで『エリザベス』試写。満員御礼だった。立派な文芸映画……と思いきや、監督がインド人なもんで立派なインド映画だった。つまり歌あり踊りあり、血みどろのアクションもあれば小人も出てくるっていう大娯楽映画だ。思うに、われわれはみな時代劇ってもんを誤解してるよね。
しかし、いちばん笑ったのはエリック・カントナが出ていたことだ。なんでやねん。
6/16(水)
朝起きたらWOWOWでポランスキーの『マクベス』をやっている。のでつい見てしまう。生首ごーろごろ。ポランスキーが「もっと血をまけ! シャロン・テートのときはこんなもんじゃなかったぞ!」と言ったというのは本当だろうか。
サッカー・シドニー五輪予選VSマレーシアを見てたら、客席に馳星周がいた。香港までわざわざ……というよりは香港だから行っているのか。いいなあ。
6/17(木)
『ラスベガスをやっつけろ!』見る。中でジョニー・デップ(ハンター・トンプソン)が「いったいこの旅の目的はなんなんだ? ただラリって騒いでるだけか!? マンガの登場人物みたいなカリカチュアしか出てこないのか?」とか述懐するせりふがあるんだが、まんまこの映画のことかっつーか。そう思えば原作に忠実な映画化と言えるのかもしれないが、だが、しかし……一言で言えば騒がしい映画である。
ビデオで『イベント・ホライゾン』見る。調べものがあったからなんですが、なんで地獄の光景=ヘルレイザーなんですかねえ(答:いちばん最近見たホラー映画がそれだった)。
6/18(金)
朝からイマジカで『オースチン・パワーズ・デラックス』。前作と同じ。いや、本当にギャグから何から全部前作と同じで、すっかり安心して見られる。今回はお子さま向けにするためかエロ関係のギャグが減って、もっぱらウンコチンコなギャグになっていた。無意味に豪華なカメオの使い方まで同じなんすよ。いちばんいいシーンはフェリシティ・シャグウェルが“ハニー・ライダー”するところでしょう。
それにしても完全スター・ウォーズ・シフトで、SWギャグだらけなんだが、これビデオで見るときにはどうなるのか。いや、そもそもこれ自虐ギャグのつもりだったんだろうけど、それが1位になっちまったらギャグにならないんですけど。
『ロード・トゥ・セレファイス』(メディアワークス)届く。
6/19(土)
宝島社から大判になった『この映画がすごい』送ってくる。あーららとか思いながらパラパラ見てたんだが、いきなり硬直して脳味噌急停止! 何がって? それは三留のコスプレ(ナース姿)だ!
夜、うまいものばかり食ってる友人夫婦と下北のピザ屋に出かける。腹がはちきれそう。
6/20(日)
アルバトロスKの結婚式。場所はなんと東京タワーの真下だった。なんだ、そうと知ってれば早めに出かけてロウ人形館見てきたのになあ(実はFBBは東京タワーロウ人形館から招待を受けているのである)。
パーティはなぜか女性比率が多かったような。さすがは(口さえ閉じていれば)金城似と言われる男前Kだけのことはある!? 司会の宇川くんが爆裂していたせいか、みんなさっさと帰ってしまって誰も2次会に行こうと言ってくれない。しょうがないからぼくも黙って帰ったよ。なお、秘宝のタノベくんも死にそうな顔をして出席してました。
6/21(月)
洋泉社に出かけ、原稿のことでちょっと相談。ヨシキくんがいたので、Jerry
Springerのビデオをあげる。つうか、洋泉社に寄贈。その後秋葉原に。実はマウスがどうも調子悪いので、新しいのを買おうと思いたったのだ。ぶらぶら見ながら歩いてたら、TZoneで台湾製マウスをワゴン・セールしているのを発見。値段はなんと100円。うーむ。ちょっと恐かったんで、一緒に売ってた500円のマウスも保険で押さえておいた。
で、おそるおそるつないでみましたが無事動いております。今後のこともあるから10個くらい買いだめとこうかしらん。
『月光の囁き#2』(喜国雅彦 小学館文庫)頂く。どうもありがとうございます。
6/22(火)
東宝で塚本晋也の新作『双生児』見る。これ、雇われ仕事らしいんだけど、とてもそうは思えないよねえ。弟との関係とか、なんかいろいろありそうな感じ。
終わったあと、ベルリンから来ているデザイナーのSven、それに秘宝のタノベくんらとちょっとお茶する。Svenは実は(『ネクロマンティック』の)ヨルグ・ブートゲレットの友達であることが判明。世界は狭い(というか秘宝系の映画世界が狭いだけか)。そこら辺の人のうわさ話に花を咲かせる、というか。なお宝島時代によく知っていたカメラマンも来ていたのだが、彼はなんと腕にダース・モールの入れ墨を入れていた。バカすぎる(褒め言葉)。しかもそれだけじゃなく、『スターシップ・トルーパーズ』のバカ入れ墨(ジョニーたちがみんなで入れる奴ね)まで入れているのだった。ぎゃー!
『πの神秘』(デビッド・ブラットナー アーティストハウス)送ってくる。
6/23(水)
なんとなく仕事。あまりはかどらなかったけど。
『殺したいほど愛してる』(R・G・ベルスキー 高山祥子訳 講談社文庫)いただく。ありがとうございます。
6/24(木)
『蘆屋家の崩壊』(津原泰水 集英社)いただく。読まねば。
新宿で『π』の監督アーロン・ダロナントカスキーのインタビュー、ダロカンタラスキーはヘブライ文字をスーパーマン風にデザインしたTシャツを着ていた。まあユダヤ人ですから。インタビュー自体は準備ゼロ状態で「きみの言いたいことはわかったけど、それで質問はなんなの?」とか言われながらも適当にやっつけて終える。ところでこの「質問はなんなの?」はぼくはよく言われることだ。つまりぼくがやってるのってインタビューじゃなくて自分の意見をだらだら喋ってるだけなの?
7時半からパンテオンで『マトリックス』。いやーすごかったって映像がじゃなくて話が。聞いてはいたんだけどここまでとは思わなかった。まるっきりトレンチコート・マフィアの思想的バックボーンといってもいいのではないか。詳しくは〈エスクァイア〉に書きます。終わってから、中原と食事(奢ってやる)。
6/25(金)
第一ホテルで推理作家協会賞パーティ。場違いな世界。あまり知り合いもいないんで、もっぱらいやしく食べ物を漁っていたのであった。スリランカ帰りの大森望が仕入れてきたクラークねたを取材(ホモ話のみ)。その後堺とお茶に行く。
『リメイク』(コニー・ウィリス ハヤカワ文庫SF 大森望訳)いただく。
6/26(土)
午後、洋泉社に出かけて秘宝のネット座談会。出席者はヨシキ、Taryan、Shiny、それに添野。ぼくは……ぼくはもっぱら怪しい情報役だ。これからファントム・メナスの先々行オールナイトに出かける人たちにとっては超危険なブツを持っていく。いや、具体的な話を書くとFOXから内容証明が送りつけられたりするんでここにも書けないんだけど……ってこの日記にすら書けないネタが『映画秘宝』でならいいのか? なんかおかしいような気が。
6/27(日)
いやあ先日実にショッキングな事実が判明してお先真っ暗だったんだけど、いつまでもクラクラしてるわけにもいかないんでとりあえずやってみよう。すべてはそれからだ。ああ、それにしてもなあ。どうしてちゃんと調べておかなかったか。
6/28(月)
国立に出かける。オリンピック予選VSマレーシアである。なんとB列だった。行ったことある人はわかると思うけど、これ要するに最前列ってことである。しかしもっぱら点が入ったのは反対側だった。見てて思ったけど、中村くんはたしかにいいプレーヤーではあるんだけど、一発で局面打開しようとしすぎる。毎回スルーパスを狙ってるみたいだ。なんというか、一手先までしか読んでない。小野くんは2手先まで読んでるね。だから小野くんがいるとボール回しがスムーズになるのだ。名波は3手読んでる、と思う。
それにしても本山くんのゴールは見事だった。会場で「オーウェンみたいだ」の声あり。
で、帰ってきてから柳沢くんの件を知る。いやー、どこぞの掲示板で「サッカー選手としては失格かも知れないが、男として認める」って書きこみがあったんだけど、いや、オレも同意したい気分。
"Hollywood
Babylon"見る。これ、アンガーの本を下敷きにした(と称する)ソフトコア・ポルノで、ポルノ俳優がアンガーの書いてるゴシップねたを再現フィルムしてみせるのだ。ファッティがヴァージニア・ラッペにワインのびんをぶちこむとか。いちばん笑えるのはバイセクの女王マレーネ・ディートリッヒなんだが、これを演じるのが(ラス・メイヤー映画でおなじみ)ウシ・ディガート! こんなに乳のでかいディートリッヒははじめて見たよ。
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Kiichiro Yanashita /
柳下毅一郎 / yanasita@gol.com