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◎今月のお仕事 『ジェフリー・ダーマー/死体しか愛せなかった男』(ブライアン・マスターズ 原書房)発売中。


5/2(日)
 SFセミナーなので、夕方、全逓会館に出かける。ちょうど篠田節子の講演がはじめるところだったので、30分ばかし聞く。したら昼の部は終わり。ま、今回は興味のある企画が何もないんでしょうがないとも言えるが。

 今年は久しぶりに地元人の本領発揮、近所の焼き肉屋に10人ばかし案内して夕食を食べたのち、ふたき旅館へ。例によって企画難民となってうろうろする。あ、サイコドクターの部屋だけはちゃんとフォローした。病跡学というのは反SF的行為なのではないか、と思ったりもする。新本格が反SF的である、というのと同じような意味において。
 しかし、今回いちばん美味しいネタを提供してくれたのは某SF誌編集者の妻H(仮名)であった。彼女はなんとジャナ専の生徒時代、講師の糸圭(スガ)秀美に迫られたことがあるというのだ。飲みにいった帰り道、なぜか足が人気のない方に向き、いつのまにか肩に手が伸び、そして「君とだったら、恋愛したいな」だって。で、思いあまって渡辺直巳に相談したら「きっと迫られると思ってたよ。だってきみ、スガの別居中の奥さんにそっくりなんだもん」。うーん、やるなあ。だがH(仮名)は「あんななぎらけんいちみたいなオヤジにモテても、嬉しくもなんともないよねえ」とにべもないのであった。

 そういうわけなんで、みんな早く『噂の真相』か一行情報サイバッチ!にタレこむように(笑)。

 5時半ごろ帰宅。


5/3(月)
 喜国雅彦さんから『月光の囁き#1』(小学館文庫)送っていただく。解説:大森望。

 日本支部(笑)っす。


5/4(火)
 雨。

 近所の友人宅で餃子パーティをやるというのでお呼ばれ。友人その一は映画関係者(キネ旬関係だとか)だが、別にそういう人が集まっているわけではなかった。中華フルコースで満腹になるまでいただき、談笑。帰るとちょうどCATVで『東京流れ者』をやっている。


5/5(水)
 いきなり好天なので、思いたってサッカーに行く。国立。鹿島1-2v磐田 遠征疲れの磐田にこの陽気はきついかとも思ったが、それでも勝ってしまうところはさすがである。前半見るかぎり、ほとんど勝機はなさそうだったのになあ。小笠原くんは視野が広く、見事であった。一方で本山くんはどうも局面のプレーにこだわりすぎる気がしたな。あと、柳沢くんはトラップを練習しましょう。今日は不調だったのかな。
 まあいい天気で、いい試合で、満腹したことだよ。

『悪魔を思い出す娘たち』(ローレンス・ライト 柏書房)読む。アメリカで唯一、実際に有罪になったSatanic Ritual Abuse(悪魔主義儀式虐待=悪魔主義者の団体が広範に幼児の性的虐待をやっており、その犠牲者が虐待の記憶を「思い出す」というもの。もちろん物的証拠は何も出てこない)事件、ポール・イングラム事件についてのノンフィクション。ところで、この手の幼児虐待ヒステリーはきわめてアメリカ的なものだと思っていたのだが、実はフロイトがすでにまったく同じ考えにたどりついていたという。抑圧理論そのものに幼児虐待の「記憶」を引きおこす鍵があったというのは興味深いことではないか。


5/6(木)
 ダメ映画征伐隊の活動はつづく。『エネミー・オブ・アメリカ』を日劇で。フロッピーもって逃げまわる映画。なんかセミナーじゃ「いや、悪くないでしょ」とか言う人が何人かいたんだが、どこがやねん! もう底抜けの嵐、っていうか根本的に底抜け。オレ的にいちばん参ったのは、『カンバセーション』のパクリ(つうか、オマージュっていうんですか?)で広場の盗聴をやる場面があるんだけど、そのシーン根本的に意味がないの。発信器ばっかとりつけてないで、ひとつくらい盗聴器にしとけば済むことやろ! 頭痛すぎですよ。

 一本では終わらない。マクドでしょっぱいポテトを食うと、日比谷映画に走って『8mm』見る。脚本は『セブン』のアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーで、ラストの殺人鬼とかにちょっぴり趣味がうかがえる。しかし、監督がシュマッチャーだからな。主人公はスナッフ・フィルムを追いかけるうちに徐々に暗黒面に沈んでいく……はずなんだが、暗黒面がかけらもない(ニコラス刑事の演技のせいでもある)ので、じゃあ何に目覚めるかっていうとそれがホモ(笑)。いや、実際やおいじゃなくてもそう思うはずだ。つまり、クローゼットな探偵がエロチック・アンダーグラウンドを探検していくうちにSMホモに目覚め、妻子を捨てるという話になってしまっているのだ。
 それにしても、「SM界のジム・ジャーメッシュ(ママ 字幕・戸田奈津子)」と呼ばれる監督の作る映画がダサすぎて興ざめなのだった。

 その足で洋泉社へ向かい、町山とダメ映画征伐活動に従事する。こういうことになるといくらでも話が盛りあがるんだよなあ。いくらでも出る出る。詳しくは『秘宝』新創刊号で。


5/7(金)
 早朝ーー朝10時からの試写でジョン・ウォーターズの新作、『ペッカー』見る。ボルチモア万歳! いや、なんつーかハートウォーミングな映画だった。ウォーターズがこんなええ話を作るとはなあ。ほとんど自伝的作品って感じで、ドリームランダーの生き残りはかなり懐かしい顔まで出てくる。ちょっと次の作品が心配だったり。

 終わったあと、川勝さんと昼食。オーディオマニアの生態の話がおかしかった。あれ、やってると最後は電気に行ってしまうものらしい。「都会の電気は汚い」とか言い出すんだって。


5/8(土)
 昨日は一日が長かったんで、今日はたらたら仕事する。もっぱらサッカー見ながら。どうやら優勝を諦めたらしき鹿島はほとんど一軍半みたいなメンバーで戦っていたが、それに手も足も出ない福岡はどうしたらいいのか。しかも柳沢にホームカミング・ゴールまで決められちまっては何をか言わんや。

 NATO、ベオグラードの中国大使館をミサイル攻撃。いや、誤爆なんだそうだが、狙ってもあんなにうまく当てらんないよね(笑)。


5/9(日)
 仕事。

 夜はセリエA。ユーベVSミラン、ペルージャVSバーリと2試合見たが、とても同じリーグの試合とは思えん。それにしても凄いと思ったのは負けたユーベの方である。ジダン、デルピエロ、ダヴィッツ抜き。飛車角銀落ちくらいじゃないか。それであんな試合ができるんだからなあ。なお(どフリーのシュートをはずしたあとの)ビアホフの絶望の顔が凄かった。城くんにもあれくらいの悲劇を感じて欲しいものである。


5/10(月)
 松竹で『アナザー・デイ・イン・パラダイス』。『KIDS』のラリー・クラークの監督第2作。少年みたいなチンピラと、彼をメフィストフェレス的に導き誘惑するギャング(ジェームズ・ウッズ)の話なんだが……うるさい。 音楽がずーっと鳴っててうるさいのなんの。なんか全然ふつうのメロドラマだった。それも出来が悪い奴。

 終わったあと、松竹富士の人間とお茶する。


5/11(火)
 ぶらぶらと歩いて本屋を覗きながら洋泉社へ行って届けもの。ついでにいろいろつまらない話をする(いつものことだ)。

 その後新宿へまわって行って買い物。神保町・新宿での購入品は『PLAYBOY 40Years』(同朋舎出版 ゾッキで叩き売られていた)、それに『伝説の女神トレーシー・ローズ写真集』(明文社)……こんなところでズリネタ発表してどうする。ま、普通買うよねってことで。

 さらにさくらやホビー館でメディコムトイ製のリアルアクションフィギュア、『ファントム・オブ・パラダイス』のファントム(Suicidal version)を購入。いやーこれまでフィギュアとか関係ないもんだと思ってたけど、こういうもんが出ちまうとなあ。いやヤバイ。言葉の本来の意味でヤバイ。とりあえず、次はスワン出してくれ。ちっこいのを。


5/12(水)
 終日頭が重く、仕事はかどらず。深夜、UEFA杯決勝戦をやっているが、つい裏番組であった『ヘルレイザー』を見てしまう。いやあ、やっぱこれ傑作だわ。ところでフランスでクライヴ・バーカーが作った自主映画のビデオを買って見たんだが、ヘルレイザーのイメージはほとんど全部あったよ。

 ところでU21の試合の方は、やはり高原/柳沢で見たかったなあという感じである。福田&平瀬が柳沢のお膳立てしたチャンスをはずしまくっていたという印象がある。


5/13(木)
 朝からテレビ(NHK)が来て、取材。いや、ぼくではなくて妻の方。なんかBSで放映されるらしいが、今回は準備不足だったりしてもう大変な感じ。御一行様が来たんで、ぼくが台所に引っこんで皿洗いをしてたら、「なんかお手伝いすることありますか?」と聞かれた。いや、家事を手伝っていただいてもいいんだけどさ(笑)。

 夜はアテネ・フランセで妻の演奏につきあう。なお、本日の取材の模様は6月中旬、NHK-BS土曜深夜の『シネマ・パラダイス』って番組の中で5分くらい放送されるはずです。

〈女性セブン〉から電話がある。何かと思ったが、〈CREA〉のFBB原稿の中身についての確認であった。SEIKOがデカプーのストーキングをしたってのは本当か?っていうんだが、ぼくのネタではないので即座に町山にふる。


5/14(金)
 イマジカでウディ・アレンの新作、『セレブリティ』見る。ぼくはこれまでケネス・ブラナーというのは高慢ちきな底の浅いバカ野郎だと思ってたんだが、この映画を見て考えをあらためた。ひょっとしたら天才かもしれない! この映画ではブラナーがウディ・アレンの役をやるのだが、しゃべり方といい、動作といい、もう完璧にアレンのコピーになっているのである。いや凄すぎる形態模写。もう最近のアレン作品はすごいなあ。どんどんすごくなるなあ。でも『アニー・ホール』や『マンハッタン』を絶賛してたインテリはどう思ってるんでしょうか?

 終わったあとは渋谷に走り、渡仏時に世話になったフレンチ・カナディアン、スティーブンと会ってお茶する。話はいろいろ飛び火し、結局妻まで呼びだして何軒かハシゴし、10時ごろ帰宅。

 大事なお知らせ。CGI不調につき伝言板を移動Virtual Avenueの便利な黒木伝言板システムになったんでガンガン使ってください。よろしく。 


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / yanasita@gol.com