ウィノナ・ライダーに似ている美人

◎今月のお仕事 『ファビュラス・バーカー・ボーイズの地獄のアメリカ観光』洋泉社より絶賛発売中!
       〈Composite〉(報雅堂)にイエジー・スコリモフスキー・インタビュー
       『出発』劇場用パンフに駄文あり。


2/3(水)
 ちょっとヒマができたんで買い出しに神保町に出かける。『フーディニ!!!』(ケネス・シルバーマン アスペクト)、『エロマンガ・マニアックス』(山田裕二+増子真二 太田出版/安部慎一が復刻されてるから買ったんだけど、テキストがバカみたいで読む気がせん)、『進化論を拒む人々』(鵜浦裕 勁草書房)。あと古本で『天才の日記』(サルバドル・ダリ 二見書房/買った直後に他の本屋でも見つけた。長いこと探してたのに、なんでや)と研究のために『死せる花嫁への愛』(ベン・ハリスン 早川書房)。

 東京堂書店で『スタートレック・メカニックス』を買って「“資料代”で領収書ください。宛名は“日大理工学部”」って言ってる人がいた。どうやら日大ではUSSエンタープライズ号を設計中らしいぞ! とりあえず応援していきたい。


2/4(木)
『死せる花嫁への愛』はすでに一冊所有していたことが判明した。しかし(いらん本は出てくるくせに)いくら探してもブライアン・マスターズの書いたデニス・ニルセンの本が出てこない。どこいっちまったんだ。もう一度買うってのも嫌だなあ。

『映画は頭を解放する』(R・W・ファスビンダー)読む。名文句多数。「(『悲しみは空の彼方に』について)二人の気持ちがどちらともわかり、二人とも正しく、誰も二人を助けることができないからだ。世界を変えることができないかぎりは。で、みな映画を観て泣いてしまう。というのは、世界を変えるのはとても難しいからだ」こういうのを読むと、いかに自分が強く影響を受けているかわかるね。あるいは「自分たちの意見が正当で、かつ多数派にいれば、闘うことはすばらしいことだろう


2/5(金)
『パーフェクト・カップル』試写。クリントンの大統領選挙をあつかった内幕暴露小説『プライマリー・カラーズ』の映画化。監督マイク・ニコルズ、撮影ミヒャエル・バルハウス、音楽ライ・クーダー。豪華きわまりない。でも、そんな豪華さはかけらもなくて、なんかワイドショーを見ているような気分のままで終わってしまったのは、やはりネタがネタだからなのか!? なんか一応アメリカ政治の問題とかそういうのもあるはずなんだけど、なんか重みがないんだよね。もう大統領が何をやっても驚かない時代だからな。
 ところでいちばん笑ったのは「ウィノナ・ライダーに似ている美人」役の女の子(本当に、こういう役名なのだ!)。この人、これから一生「ウィノナ・ライダーに似ている美人」役でやってくんだろうか!? まあ私生活的にはモテモテだとは思いますが。
2/6(土)
 図書館から本を返せ!と言われたので全然読んでない本を返しにいく。で、『水木しげるのラバウル戦記』や西澤保彦など借りてくる。そのまま居座って仕事をちょっとだけ。ついでなんで本郷三丁目まで足を伸ばして、古本屋で『モルモン経』『人間のはかりまちがい』(S・J・グールド)買う。しめて4300円なり。いつ読めるのか。

『映画秘宝EX・この映画をみろ!'99』(洋泉社)届いている。投票者の謎っぷりは類書を圧倒しているが、今年はなんとばばちんも投票だ! コメント的にいちばんツボを突かれたのは中野貴雄のトホホ「デジタルカメラを役者に持たせて撮ったキッタネー映像を35ミリにブローアップして劇場公開してるすべての作品」って奴。ま、問題は中野監督の映像はきれいなのか!?ってことだが。


2/7(日)
 今日が何日で何曜日かわからなくなっていて、妻に笑われてしまった(笑)。
2/8(月)
 ヘラルドで『奇跡の輝き』見る。ロビン・ウィリアムズが妻を求めて地獄めぐりする話。『神曲』ですか? ちょっと寝ちまいましたが、まあどうでもいいです。ロビン・ウィリアムズの自己満足っぽい笑みを見るのがすでに嫌。町山はなんで誉めてたのかな? 字幕:戸田奈津子

 最近、妻がよく外出する。で、食事は作っていってくれるんで、毎日一人であっためて食べているんだが、なんかカギっ子って感じ? いやもう子供じゃないからカギ夫。


2/9(火)
〈ele-king〉送ってくる。なんかつまらん原稿を書いたんだが、となりに載ってるのが宇川くんの原稿。なんかなー、こういう飛び道具みたいな原稿と並べられると悲しいなー。オレって悲しいくらいにマジメ。
2/10(水)
 交通会館でパスポート(ようやく10年物になった)を受け取り、ヤマハホールで『ブレイド』見る。ウェズリー・スナイプスのチョーかっちょいいヴァンパイア・ハンターもの……で、スナイプスはかっちょいいです。たしかに。ムチャムチャ。でもなんか敵役が弱くってなあ。もうちょっと敵がかっこよくないとダメでしょ、いくらなんでも。なんかダサダサなんだもんなあ。「ほれ手出してみ。切ったろか? お? いくぞいくぞ……なーんちゃって」ってのはいったいなんだったんでしょうか。
 あと謎だったのは日系コギャル・ラッパー。「奇妙な果実」ネタかな。まあトレイシー・ローズも出てくる『ゴースト/血のシャワー』シーンだけでも許そう。
2/11(木)
 両親がパソコンを買うというので秋葉原につきあう。折しも雪が降り出したりして最悪のコンディション。まあ面倒なこと言ってもしょうがない(MS製品使うなとか)まあできるだけ害のなさそうな奴を適当に選ぶ。

 そこで親とわかれると、今度は妻につきあってMIDI製品をチェック。DTMに関してはなんもわからんのでひたすら店員の意見を拝聴するのみ。まあ基本のきはやっとわかったんで、そうか、じゃあつきあい終わりー、自分の買い物ーと言いたいところだが、残念ながらそんなことをしているヒマなどないのだよ、明智くん。


2/12(金)
 イマジカで『ガメラ3・イリス覚醒』。いやまあなんですよ、結婚式のお色直しでガメラを着た縁っていうんですか(嘘)。さて、映画はきわめて面白かった。これが正しい怪獣映画だよね! 渋谷の炎上シーンは素晴らしかった。ともかくこれだけ人が残酷に死にまくる怪獣映画は久しぶりに見た気がする。じゃあ手放しで大絶賛かっていうと……どうも結末がな。この結末は映画のテーマそのものへの裏切りではないか。というわけでちょっと尻すぼみな感じ。
 ぼくの思うところ、やはり最後は(消極的な意味でのネタばれ=読むと結末が推測できてしまうかもしれないので、一応色を変えておきます。見たい人は選択して見るよろし。lynx未対応(笑))ガメラは殺されるべきだ。少女の怨念でね。首をスパッと切るかなんか、絶対に甦らないような残酷な殺し方が望ましい。で、少女は「もうガメラは死んだんだからやめて!」っていうんだけど、怪獣は人間の声なんか聞くわけがないんで、そのまま荒れ狂い京都は焦土と化す。日本はもう終わりなのか!?……そこへ世界各地からガメラがいっぱい飛んできて、イリスを一瞬でズタボロに。救われた! と、そこへ世界中からギャオス軍団が……となるべきだと思うんだけど、どうかな? 帰ってから、添野に電話して結末やその他について取材する。ふーんふーん。

『人間の測りまちがい』(S・J・グールド 河出書房新社)読んでいるんだが、訳がひどくってメゲている。たとえば「世界の複雑さの理解をのっぴきならなくさせる二分法の中で有害でまちがっているのは、氏か育ちかという対比であり、これは、上位二ー三位に入る」(P.32)って文章があるんだが、これどういう意味だ? 「これは」って何だ?(たぶん「氏か育ちかという対比」だろうが)「上位二ー三位」って何の? これ別に特にひどいところを探したわけじゃなくて、適当に抜いただけだってのがな。もっと恐ろしいのはこれは改訂・改訳版であり、「旧版の誤訳の箇所を直したり、訳文に手を入れたりした」(改訂版訳者あとがき)ってことだ。じゃあいったい旧版は……


2/13(土)
 中野へ。タコcheに寄って『キ人研究#11』、『日記日和』購入。その場で中山さんとかと立ち話をしていたら、ぼくのうしろに並んでいた人がどっかで見たような本を持っている。むむ、と覗きこむと『異形の愛』と『おかま』だった。うーむ。で、店を出たところでつかまってサインを求められてしまいましたよ(笑)。「こんなところで会えるとは思いませんでした」とか言われましたが、タコシェで会えなくてどこで会えるというのか? で、いくつか見たけど一番参ったのは池松江美さんのセクシー写真集って奴で、いやちょっと始末に困る感じだったんで買わなかったんだけど、やっぱクラブ仲間としては買って帰って使うべきだったのだろうか!? ちょっとガシャポン仕入れとこうと思ってゴジラ回す。ゴロサウルス引いちまったぜー。

 ちょっと森園みるく先生に電話して原稿依頼、と思ったらマネージャーの人が出る(笑)。で、マネージャーの人とちょっとバカ話。

 とか言ってるうちにもう時間が来てしまった。まだ終わってない仕事はいっぱいあるんだけど柳下は月曜日から洋行します。destination:Berlin GAGAめいいかげんにしやがれと思いながらも心はもう"Existentz"だよーん。  


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / yanasita@gol.com