◎今月のお仕事 大森望、會川昇と怪獣鼎談(『SFマガジン』98/9)
なんかメールが来ていた。
う〜ん、そんなこと言ってもやっぱ「Titanic」いいですよー。あれほどのロングランと興業収入を記録しているのがすべてを物語っています。世界中、よほどのヒネクレモノ以外はやっぱ「面白い、いい映画」という見解ですよ。
確かにあなたの主張するように作られていないのは事実ですが、もし、あなたの「こうあって欲しいという通りに」作られていたら「Titanic」はこれほどまでにヒットしていないどころか、少数の人にはバカ受けでも「エンタテイメント」的に言えば失敗作となっていたでしょう、おそらく。
要するに、あなたの批評の観点は全くナンセンス。全然駄目ですね。
エンタテイメント作品なんだからエンタテイメント的観点で批評しましょうよ。
同様2通。たぶんこれを読んでの感想なのだろうが、『タイタニック』についてだけはこういうメールが引きもきらない。もっと手ひどく痛めつけている映画はいくらもあるはずなんだが。まあ度しがたいとしか言いようがないんで、コメントはしません。たぶん知らないだろうと思うけど、『LA Times』には酷評が載り、偏執狂のキャメロンが「おまえら批評家はアホばかりだ」と投書欄に投稿したんだよ。「観客はオレの味方だ」とか言ってね。耳触りのいい評だけ読みたいなら、『キネ旬』でも読んでいなさい。
渋谷で秘宝の田野辺くんから『愛は死より冷たい』のゲラ受け取る。その後大阪よりフジロックフェスinトーキョーのために来日した幼なじみと飯を食うも、時差ボケのため途中でダウン。済まぬ。
8/1(土)
朝5時起床。校正をちんたらやる。
久しぶりにユタへ出かけてMtGやったり。つい気分でバーンデッキを使ってみたりしましたが、やっぱ性に合わんわ。大森望とちょっとトレードし、有用なカードを供出して役たたずのカードを引き取る(笑)。Intruder Alarmとか。あとはLAの話など。
夜、TVKで『狙われた女』。音楽教師のエスター・ウィリアムズが生徒からストーキングされる話。原作ロザリンド・ラッセルというんだが、これってやっぱり個人的経験に基づいているのか?
その後大森邸で64とマジック、といういつもの姿。シールド戦は引きが弱々でどうにもならん。飛行クリーチャーに徹底的に蹂躙される日々。
3時半からウディ・アレンの新作で『地球は女でまわってる』。女と見たら手当たり次第な性格破綻者である作家のお話。これ、なんのアイロニーもなく自分自身の話だからなあ、とんでもねえよなあ。で、「ぼくは性格破綻でどうしようもないダメ人間なんだ」ってこぼすと、自作の登場人物が「でも、あなたには文才があるわ」って言ってくれるわけ。まあ、他にそう言ってくれる人はどこにもいないしね。もう『ワイルドマン・ブルース』と合わせて映評を書け、と言われてるようなもんだな。
試写室は女だらけでびっくり。なんですか、若い女の人はこういう自己弁護だけが得意な自己憐憫の強いチビでハゲな助平オヤジとか好きなんですか? そういうことなら言っていただければ、チビでハゲの部分以外ならぼくでも対応できると思うんですが。中に一人、ものすごく前髪を立てているおばさんがいて、ぼくの二列前に座っていたのに、画面にその前髪がかかっていた! 映画館ではよくある話だが、試写室でこんな目に遭ったのははじめてである。後で話を聞いたが、元芸能レポーターの映画ライターらしい、とのこと。もう映画ライターって業界の吹き溜まりになってるね、トホホ。
午後、フランスの大学で映画学を教えているところのStephenが夏休みで日本に来ているのでお茶しに行く。なんかフランスのアジアン・トラッシュ映画雑誌(でもデザインはお洒落)のために映画監督にインタビューしたい、ということでいろいろインタビューしているとか。ぼくも何人か紹介した。福井ショウジンとか。で、最近の映画の話に興じる。でもちょっとアート系なんであんまり趣味は合わないの。
6時から『CUBE』。カナダのインディペンデントなSF映画。なんか『プリズナーNo.6』だなあ、と思ったら、プレスで江戸木が同じことを言っていた。つうか、『リスの檻』ですか? なんにしてもいまどきニューウェーヴ。
『ドラゴン・ティアーズ』(ディーン・クーンツ 新潮文庫 白石朗訳)。翻訳の勉強のために読んだ(笑)。でも本当にクーンツってつまらないねえ。というか、どうしてみんなこんな本を面白がって読むのだろう? 100ページくらい読んだら落ちまで全部わかっちゃうんだけど、ひょっとしてそれがいいのかな? しかし、読書にまで安心を求めて、人生何が楽しいんだかねえ。かなり強烈な反ドラッグ保守反動小説で、その点でも大いにむかついた。
衝撃さめやらぬなか、銀座で大森望と待ち合わせてトレードとデュエルをちょっと。5Cスリヴァーデッキを作ってみる。Mox一枚しかない割には結構回っていて、こりゃ強いのはわかるね。でも相手が全然対策してないからなあ。6時半から推理作家協会賞を受賞した風間賢二先生を囲む会。白石朗、本阿弥さやかほか総勢8名。なんか裁判やら匿名座談会やらをサカナに爆弾発言が多数飛び交ったような気もしますが、オラ何も覚えてねえだよ。「クーンツの最高傑作は『デモン・シード』だ!」と放言したら本阿弥さまが同意の言葉をくださったのには驚きました(笑)。
「奥崎の陰惨な部分を抜くように編集してるんだよ、編集した人たちとかはやっぱり映画がいちばん、とか思ってるからね。でもオレはそんな思いこみはないからさ、別にAVでいいと思うんだよ。もうとことん陰惨な部分を見せまくって、見ている人間がとことん嫌な気分になって、その先にさ、何かあるんじゃないかと思うんだよな」
そういうわけで年内完成を目指して完全版、というかディレクターズ・カット、というか、よくわかんないけどそういうものを製作中だそうだ。うまく行けば今年の年越しオールナイトでは観客のみなさんに地獄のような思いをさせてあげられるかも、よ!