オレに関する噂2

オレに関する噂2

◎今月のお仕事
    『世界殺人ツアー』もう本屋に並んでるかな。


1/19(月)
 原書房のIから『世界殺人ツアー』見本受けとる。来週早々には本屋に並ぶでしょう。中身はちょっと盛り込みすぎたかな。たぶん、もうちょっと薄い方が売れるんだよね。××くらいにさ。

 『GON』にまたオレに関する噂が載っている(2月号P.106 噂の三信半疑)。

 『東大卒の鬼畜』が売りのサブカル界随一の論客・柳下毅一郎だが、東大の卒業式に母親同伴のマザコンとの噂。

 うーん、残念ながら前のときほどおもしろくないね。それにしてもこれって誉めてない? ひょっとしてきみたちオレのこと好きなの? そんならこんな回りくどい愛情表現しないで、素直に好きだって言ってよ、ネ。まあ、これに懲りず頑張ってください。ひとついいことを教えてあげよう。東大には卒業式はないんだよ。


1/20(火)
 1時、東宝東和でジャッキー・チェンの『ナイスガイ』。本格的に体が動かなくなりつつあるジャッキーは、それに反比例して変態性を爆発させつつある。水着美女を生き埋めにするとか下着で町中を走らせるとか。で、その対象がつねにデルモ系ケバ白人だってとこが病気だよねえ。一方で中国人の可愛い娘ちゃんタイプの恋人とはキスもしない中学生のような恋愛をしているのだ。どの映画でもそうなんだよな(サディスティックにいじめる悪女ヒロインからはやたら誘惑されるんだけど、マギー・チャンには絶対手を出さない『ポリス・ストーリー』シリーズを想起せよ)。でもセックスできないからひたすら変態度は増すばかりである。要するに白人デルモ・ビンボーを罰したいんだろうと思うね。それが香港人のアイデンティティってことか?

 3時半、松竹で『エンド・オブ・バイオレンス』。ヴェンダース。てっきり『ベル天』みたいな映画かと思ったけど、これが全然違うんだ。だってバイオレンス終わらないんだよ。誰にアイデンティファイすればいいのか最後までよくわからない傍観者の映画(あ、ということはやっぱり『ベル天』なのか……傍観者でいるのがいやで人間になってはみたものの、人間になってもやっぱり他人を見てるだけで終わっちゃいましたっつーか)。とりあえず最後まで見てしまいましたが。それにしても、アンディ・マクダウェルってみんなどこが良くて映画に使うんだろうかね。オレにはさっぱりわからん。

 松竹の前で張っているカメラマンが一人いた。


1/21(水)
 BACHELORのOと打ち合わせ。と言ってもハリウッドで買ってきたグラマー・ポートレートを見せて自慢していただけだが。

 急いで3時TCCへ出かけて『革命の子供たち』。ジュディ・デイヴィスを筆頭にジェフリー・ラッシュ、サム・ニールとオーストラリア映画界オールスター作品。これでメル・ギブソンが出てれば完璧なんだが。熱烈なオレ流共産主義者のジュディ・デイヴィスがソ連まで行ってスターリンと寝ちゃって子種をもらって帰ってくるってお話。いつまでも共産主義の大義を信じつづける革命ママのジュディが最高だ。本当にいい女だと思うんだがなあ。

 6時。『タッチ』。エルモア・レナード原作、脚本監督ポール・シュレーダー。ブリジット・フォンダがパンティ一枚にエプロンを着るのがいちばんの見所なんだが、あそこはやっぱノーパンだろう、シュレーダー君。ブリジット・フォンダってわりと子供っぽいので、海千山千の女って感じがないのね。ジーナ・ガーションにあの役を振った方がレナードっぽかったんじゃないかなあ。あと、ロリータ・ダヴィドビッチのシングル・マザー・ストリッパーというのが笑える。なんでいつもストリッパーばっかやるんだろう。ストリッパー役者なのか。


1/22(木)
 起きるともうお昼(毎日すこしづつ起床時間が遅れていく)ー。あわてて電車に飛び乗ってワーナーで『ポストマン』。ケビン・コスナー監督・主演のSF超大作だけど、まあ『シベ超』みたいなもんスか? 自画自賛の極みで、笑いどころ多数。見せ場になってるのが郵便配達人のコスナーが馬上から手を伸ばして子供の握った手紙をひったくるところなんだけど、ここいきなりスローモーションになるんで正月の隠し芸大会のマチャアキみたいだなあ、と思いましたよ。しかもファミリー映画。しまいにコスナーの母ちゃんと息子まで出てくるのだ。出てこないのは前のかみさんくらいなのよ(どうせ新人ヒロインが今のGFなんだろうし)。

 キネ旬から映画作家シリーズの『北野武』届いている。ぼくはあまり出来の良くない原稿を寄せています。あと『翻訳の世界』のベスト投票号。加藤幹郎先生『悪趣味映画作法』に投票していただきましてありがとうございます。


1/23(金)
 1時オムロピクチャーズのNと打ち合わせ。キネ旬の映画作家シリーズ、バートン編について。はっきり言って手を引こうと思ってたんだけど、なんとなく続けることになってしまったような。なんかオレってやっぱりほだされやすい性格なのかー。

 ジャパンミックス発行のスターログ系雑誌『ヘッドプラス』の新連載コラムの資料を集めるために新宿へ。TSUTAYAでビデオを大量に借りこむ。何を借りたかは内緒だが、コラムは『罪物語』系だ。あと『全洋画』のCDROM購入。その後ビデオ・マーケットに行ってフライシャーの『マンディンゴ』を買う。最近は2000円くらいは平気で出しちゃうようになったね。で、帰るとこんな知らせが。あーあ。オレの意見を言わせてもらえば、「大人げない」これに尽きるね。オルタカルチャーの山形コメントについては先に述べた通りである。


1/24(土)
 2時半。シネセゾン渋谷で『ワイルド・バンチ』。ずいぶん久しぶりに見る。懐かしいなあ。見直していちばん唸ったのはロバート・ライアンの部下たる鬼畜どもの鬼畜ぶり。ラストの大殺戮のあと「いやっほーバーゲンセールだぜ」とか言ってるあたりが凄すぎる。あと女を楯にして身を守ろうとするとこ。やっぱすげえぜペキンパー、を堪能。で、そのまま引き続き、5時半から中原(VOG)くんとの対談。いくつか用意していったネタを提供するが、それだけかな。やっぱり「知ってもタメにならないワイルドバンチ豆知識集」で攻めた方が良かったのかも知れない。
 終わってからケイブルホーグの二人を加えて麗郷で飯。前週のトーク・ゲストだった原田真人の話になるが、先週より全然入っていたと聞いて中原くん(敵対しているらしい)喜んでいたとさ。ちなみにオレ的にはたんにつまらん映画を作っている映画監督というだけなんでどうでもいいです。

 そのまま中原くんにくっついてBOX東中野へ。中原くんと若松孝二のトークを見物する。始まる前は「殴られたらどうしよう」とか怯えていた中原くんですが、トーク自体は若松孝二がおもしろすぎてなんの心配もなかったですな。終わってからQJの赤田前編集長(ちなみにいつ会っても仏頂面をしている。嫌われてるのか、オレ(笑))とかイメージフォーラムのHとかを加えて二階の飲み屋でしばらく飲む。若松孝二のオヤジパワー炸裂というか、やはり思想のかけらも感じさせないところがすごいと思うな。肉体言語だよね。「足立(正生)が(レバノンから)国外追放になって帰ってきたら映画を撮らせようと思うんだよ」に続けて「なんたって今足立がとったらみんな見にくるだろ? マスコミも飛びつくし大ヒットだな」と言えるところがすばらしすぎる。さすがは日本のロジャー・コーマン。

 『光の都』(マイクル・ドーン 早川書房)が届いている。大森望訳の非SF。


1/25(日)
 ボロウチック特集なんで『夜明けのマルジュ』見る。これ公開されたとき、たしか「世界でいちばん美しい娼婦」とかって売りだったよねえ。ああ、わが青春のほむらシルヴィアよ。妻が自殺した知らせを受けてから娼婦相手に卵プレイをしているあたりがマヌケでよろしい。教訓は娼婦にフェラさせると捨てられちゃうよ、ということか。

 『ニワトリの歯』(スティーブン・グールド 早川文庫)読む。


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / yanasita@gol.com