やっぱりpinkはデタラメすぎるかしら


7/11(金)
 『週刊アスキー』から取材。この取材は奇妙だった。火曜日くらいに電話が来て、そのときはわりと不機嫌そうに(知ってのとおり、ぼくは別に不機嫌じゃなくても電話では不親切な応対をする。ぼくに電話なんかしてくる方が悪いんだから、自業自得だ)「別に話すことなんかないですけどね(それでも聞きたいならどうぞ)」と答えたら、「とりあえず企画書をお送りしてもよろしいでしょうか?」で、FAXで取材申し込み書が来ました。てっきりその後再度電話があるものかと思ったが、なんの連絡もない。ひょっとしてこっちから連絡しろってのか???? とか思ってたら木曜日に木村くんから電話があって、「なんかアスキーの編集者から断られたって聞いたんですが、なんとかなりませんか?」 いや、だって、断るもなにも、正式な依頼受けてないよ??

 で、いざ取材となったら編集者*2+ライター*2+カメラマンという大部隊でやってきたのでさらにびっくり^2。取材は「木村くん、ぼくの言うことなんかどうせわかってるでしょ? 適当に書いといてよ」という状態ながら無事済んだんじゃないすか? 7/19発売らしい。さすが週刊誌は早い。


7/12(土)
 午前中は名を言うをはばかるところの学校に行って講義。今季はこれで最後だね。やっぱ教師という身分はちょっとこっぱずかしーかも。

 ムチャクチャ眠くなってきたんで家に帰ってちょびっと仮眠したあと、5時ごろにトーキングヘッズの発行元、オフィス・サードの引っ越しパーティに顔を出す。久しぶりに山形浩生に会う。したらいきなり「おい、次の『ワイアード』でおまえに苦言を呈しておいたからな」。ああ、山形とは友達でいてもいいことはひとつもないなあ。別に媚びを売っているわけではないが、山形の新訳『アイアンマウンテン報告』(レナード・リュイン)はダイヤモンド社より絶賛発売中だ。山形ファンは後書きだけでも読んでおくこと。でもそんなに新鮮味はないかも。

 なんかMt:Gな人々もいるので、とりあえずデュエル。新作のごく平凡なナイト書き換えデッキは結構よくまわってて、全然負けない。うーんやっぱり当たり前なデッキの方が強いかも。関西から上京中の水鏡子は大森望、三村美衣にさんざんなぶり者にされていたせいか、戦いたがらないのだった。

 その後場所を移して西葛西でカラオケ。大森望は邪悪なかえ歌を歌っていました。ぼくはおとなしく『カレーライス』くらいですね。さらに大森邸でWLブースタードラフト。白と緑の大型クリーチャーが結構取れたんでいい感じ。Angelic Renewal三枚も取れてしまいました。どして? マッチは見事三連勝して優勝。最下位の水鏡子からレアを2枚奪い取った(それでもまだ水鏡子の方がレアいっぱい持っているんだよ)。今日はたぶん一敗もしなかったかな。もう朝8時なのでそのまま寝てしまう。

 泥のような眠りから目覚めると3時半だった。いかん、というのでシャワーを浴びて昨日と同じ格好でSFマガジン編集長の結婚パーティに出かける。みんなそろって。表参道、骨董通りの先の方のイタメシ屋でパーティ。昨日も会った人たちがいっぱいいる。それ以外には先週会った人とか(笑)。いきなり早川書房フラメンコ部の舞踏とかあってびっくり。いろんな人に会っていろんな話をする。でも別に商談をしていたわけでも、クズSFの話をしていたわけでもありません。あ、フラメンコ・ダンサーの人にはちょっと売り込みをしたかな。

 とりあえず近くのジョナサンに寄ってさいとうよしこ、野間美由紀さん、水玉さんらとバカ話をする。さらに二次会場へ行って早川の酔っぱらいたちの振る舞いを観察したりしていたが、みんなコンベンションの後のようでどうも帰りがたいのであった。最後は伊藤典夫、大森、さいとう、水玉らと表参道のカフェでお茶。よく考えたら、大森望とは30時間くらいいっしょに居たのか。そりゃあ情が移るはずだわ。

 てなことを言われても、ぼくは犯人の本名にも顔写真にもまったく興味がないので、そういうことは自分でやってくれ、と言いたい。そうだね、真ちゃんの本棚の中身は知りたいな。まあそれだけじゃなんだから、一応リンクだけはしといたげるよん(いつまでもつものか知らないけど)。


7/15(火)
 テレグラフ・レコードの地引雄一氏と会う。地引さんが出している同人誌、『イーター』の件である。次の号に原稿を書いてくれないか、というところの依頼。
 なんかテレグラフ、と思っただけで身がひきしまる感じ。今の若い人にはわからないでしょうが(笑)。EP-4の話とかする。とりあえず、以前から構想だけはあった大木裕之のロングインタビューというのをやらせてもらうことにする。さあ、あとは大木がうまいことつかまればいいんだが(実はこれがいちばん大変)
7/16(水)
 1時、ワーナーで『バットマン&ロビン』。実は前回来たときには満員で追い返されたりしたのだが、あれはひょっとして親切で追い返してくれたんじゃないだろうか?などという思いをはじまってから5分くらいで抱いた。いろんな意味で自分をふりかえる映画だ。「ぼくはまだバットマンに期待があったんだなあ」とか「こんな映画に怒ってしまう自分は精神修養が足りないなあ」とか。まったく見るべきところのない2時間5分。町山のレビュウは誉めすぎである。
7/17(木)
 着慣れぬ喪服(青山でいちばん安いのを買った)に袖を通す。黒ネクタイを締めて、サングラスをしてさあキネ旬行くぞ!じゃなくて祖父の葬式だ。父方の祖父は陸士を出た職業軍人だったんだが、226事件に連座して軍を除隊、満州にわたって内蒙古自治政府の主席軍事顧問となり、敗戦で帰国すると平凡な生活をしたいと汁粉屋を開業、だがしかし冒険の夢やみがたく内閣調査室に勤務して日本の007として活躍……というまさに黒豹のような人生を送った人だった。享年86歳。葬儀は曹洞宗。「まかはんにゃはらみーだー・・・」それはいいんだが、まあ慣れない格好をするとやたら疲れることである。家に帰ってから見たら、なんか靴の踵が腐っていた。冠婚葬祭のときしか使わないので気づかなかったが、もう十年くらい履いてるもんなあ。この際もう一日くらいいいだろう、というわけで告別式もこの格好で行くことに決定!
7/18(金)
 告別式。結局まる一日かかった。
7/19(土)
 久しぶりに秋葉に出かける。メモリを増設しようと思いたったのだった。ソフマップで32メガを二枚買う。あとディスクマップに寄って『クラッシュ』のLDを購入。
 帰ってからEYECOMから出るアムステルダム・ガイドの原稿を書く。たかが1200字の原稿にまる一日かかっていてはいかんなあ。どうも何も考えずにさらさら書いていると落ちまでついた原稿ができあがってしまう才能が枯渇してきたような気がする。やっぱ集中力の問題かなあ。

 SFマガジンのオールタイム・ベストSFに投票する。

海外長編

日本長編

1

夢幻会社(JGB)

1

至福千年(石川淳)

2

猫のゆりかご(カート・ヴォネガット・ジュニア)

2

虚構船団(筒井康隆)

3

クラッシュ(JGB)

3

処女少女マンガ家の念力(大原まり子)

4

コンピュータ・コネクション(アルフレッド・ベスター)

4

pink(岡崎京子)

5

夜の翼(シルヴァーバーグ)

5

ペンギン村に陽は落ちて(高橋源一郎)

海外短編

日本短編

1

デス博士の島その他の物語(ジーン・ウルフ)

1

花狩人(野阿梓)

2

少年と犬(ハーラン・エリスン)

2

問題外科(筒井康隆)

3

接続された女(ジェイムズ・ティプリトリー・ジュニア)

3

4

フロストとベータ(ロジャー・ゼラズニイ)

4

5

うぬぼれロボット(ルイス・パジェット)

5

 やっぱり日本短編は選べないのだった。この際『ボッコちゃん』にしとくかなあ。適当にタイトルを埋めることはできるんだけど、本当の意味で衝撃を受けた作品を書かないと意味ないし。あと作家ではバラード、ラファティ、ジョン・スラデック、エリスン、ウィリアム・ギブソン。ああ、オールディス(虚構の大地)が入らなかったな。


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / yanasita@gol.com