怒濤の金沢則文日記
◎最近のお仕事 『興
行師たちの映画史』(青土社)サ
ポート・ページもあります。
『ケ
ルベロス第五の首』(ジーン・ウルフ 国書刊行会)勝
手に広報部も(勝手に)よろしく。
『ア
ヤックスの戦争』(サイモン・クーパー 白水社)を翻訳しました。第二次世界大戦とユダヤ人の運命とサッカーに
関する本です。はっきり言って、ニッチです。
『輝
く断片』(シオドア・スタージョン 河出書房新社)で中編を二編翻訳しています。キモメン文学の金字塔ですよ。
『宇
宙舟歌』(R・A・ラファティ 国書刊行会)を翻訳しました。
『デ
ス博士の島その他の物語』amazon(ジー
ン・ウルフ 国書刊行会)で中編を一編翻訳しています。
『世
界の作家32人によるワールドカップ教室』amazon(マッ
ト・ウェイランド、ショーン・ウィルシー編 白水社)で監訳を担当しました。
『た
まもの』(2004年度ピンク大賞受賞)の音声コメンタリーにいまおかしんじ監督、林由美香さんと一緒に参加しています。まだ御覧に
なっていない方は、是非林由美香さんの姿を見てあげてください。
サッカー日記細
々と更新中
6/25(日)
切り株派@LOFT+1
ロフトの切り株派イベに出かける。「切り株…興味ないし…あまりスプラッターとか見てないし…」とぶつぶつ
不機嫌キャラで出かけたんだが、大畑氏が持ってきた大量のクリップに大いに啓発されました。『ジャンクシティー』良かったな
あ。素晴らしい。世界は広い。オレはまだまだ映画のことを知らない。もっと勉強しよう。
6/26(月)
というわけで勉強に行く。UIPで『ユナイテッド93』。よくできたサスペンス映画。
6/27(火)
平山夢明さんが日本推理作家協会賞を短篇部門で受賞なさいました。おめでとう!というわけで当然お祝いに。ただしこの日は諸般の事情で抜けられなかった
ので二次会から。
なんか三留まゆみとか大林千茱萸とか来ていたんでちょっとびっくりしたが、よく考えたらオレなんかよりもよっぽど古い知り合いだった。美しい奥様にもご
挨拶できたし、平山さんも上機嫌だったし、楽しい一夜でした。ただひとつ問題だったのは文豪様の野郎が……
(以下略)
6/28(水)
『40歳の童貞男』見
る。なんつーかまるっきり『電車男』と同じ。やはりオタク問題は普遍的なものなのだなあ。周囲の人間が応援するのも同じなのだが、アメリカの場合、善意の
応援がひたすら童貞男へのイジメにしかならない(酒場へ連れてってナンパを強いるとか)のが笑える。
6/30(金)
ソニー試写室に出かけて『カ
ポーティ』見る。おすぎが来ていた。おすぎと一緒にオカマ映画を見る愉しみ。PSHが煙草を持った手をひらひらさせるのがとっても華
麗だったので、映画見ながら手をひらひら振って真似してました。空いてなかったらただの迷惑だが。
あと、キャスリン・キーナーが凄かった。完璧にただのおばさんで。 (
『40歳の童貞男』』では「世界一セクシーなお祖母ちゃん」だったのに!)
7/2
(日)
マンソン・イベント@LOFT+1
『リブ・フリーキー! ダイ・フリーキー!』公
開記念でマンソン祭り。久しぶりの殺人イベントで、血に飢えたお客さんが多数来場。毎度ありがとうございました。貯め込んでいたマンソン・グッズ大開陳で
きて、オレの殺人マニア心も大いに満足。誰も喜ばないテックス・ワトソン本とか、どのくらい価値があるのかよくわからんマンソン・コミックとかそういう
の。
出演者はいつものゴミ鍋軍団だけど、不調を訴えてずーっとグロッギー状態だった昌也くんは後半リタイヤ。しかし終了後は楽屋のホームラン王ぶりを発揮し
て急に元気になり、結局朝の6時までカラオケで歌いまくっていたのだった。
7/6(木)
本日は試写二本『スーパーマン・
リターンズ』と『Xメン ファイナル・
ディシジョン』。ブライアン・シンガーが逃げ出したのと引き受けたの対決だけど、対決させると『スーパーマン・リターンズ』の圧勝。
崇高さと稚気がないまぜになっている。まさしくスーパーマン。ティム・バートンには決して出せない味。
『Xメン ファイナル・ディシジョン』の方は、原作ファンからは点が辛そう。いや、キャラの重要度が違いすぎる(ギャラ順になってる)とか重要キャラが
…とかそういうことじゃなくて、原作だと絶対にやらないような行動を取るキャラクターがいるんだよね。キャラの性格づけを根本的に
変えちゃってるんで。あと人が死ぬときに塵になって消える(たぶん指定を逃れるために血を流さないで済むように、ってことなんだろうけど)のもどうしたも
のかと。
ブライアン・シンガーは『Xメン』は別に好きじゃなかったけど、『スーパーマン』は本気で好きだったんだなあ、ということかね。
7/8
(土)
蓼科の友人の別荘に出かける。いや、旅先でいきなりぶっ倒れて小諸の病院に入院していた友達が退院して、蓼科の別荘に行っているというのでお見舞いに出
かけたのである。したらすっかり元気になっていて、ひたすら接待されてしまった。
場所は昔、小津安二郎も別荘を持っていたとかいう高級別荘地のあたりで、いろいろ映画人が住んでいたりもするらしい。
7/10(月)
虎ノ門にできた新しい試写室で『素粒子』の
試写を見る。もちろんミシェル・ウェルベック原作。ドイツ映画祭で上映される。
最初に原作を読んだときには、つまり西洋文明は終わった、キリスト教が死んだあとの西洋文明に救いはないんだということなのか?と
思った。
映画の方も原作通りでやっぱり救いがない。ただしこっちには脳内恋愛とセックスの放棄によって我々は救われるかもしれない、という『電波男』みたいな落ち
がついていて、思わずうーむ、と考えこんでしまったのだった。やっぱりそっちしかないんでしょうかね?
爽快感はかけらもない映画ですが、お勧め。秋以降に公開予定。
7/12(水)
有楽町朝日ホールで『グエムル 漢江の怪物』見る。素晴らし
い!
ポン・ジュノは「韓国の黒沢清」だと思っている。いや、作風も何もぜんぜん違うんだけど、どこか似ているような気がする。で、この映画の場合だと、かつ
て黒沢清+高橋洋で構想されていた怪獣映画というのがあるんだけど、どうもそのことを思い出したね。
それにしても、昔ポン・ジュノが見た怪獣ってなんなんだろう……
7/13(木)
内覧試写。すげえ! 傑作! アカデミー賞取ったらどうしよう!
いやどうもしないんだけど! 傑作であることは見る前から疑わなかったけど、こんなに普通に傑作な映画を作られてしまうと困るな〜 いや別に困らないけど
ね!
そのまま九段下へ向かい、アカデミー賞芥川賞の結果を待つ中原昌也に合流。待機宴会自体は
5時から新潮クラブだったんだけど、その前に九段下へ。同行者は阿部和重氏と「小説TRIPPER」のI氏。その後の一幕はいずれ
原稿にするんでここには書きません。結果はみなさんご存じの通りで一同脱力。
残念会に変わった会場をあとに新宿へ。LOFT+1でFBBイベである。会場に着くとすでに中野監督がいろいろネタを紹介してくれているところだった。
エリマキトカゲ最高! ぼくも舞台にあがってなんか適当にやる。
終了後、ゴールデン街で残念会中の中原昌也に合流。なんか店に入りきらない人たちが表にあふれ出したりしてもう大変な状態に。
7/14(金)〜7/17(月)
金
沢則文祭り!
ぼくは前日、監督と一緒に金沢入りして、以後最終日に『ドカベン』見て帰るまでほぼ監督と一緒に行動していました。夢のような三日間。まさにお祭りでし
たよ。そうだな、最後の上映が『文学賞殺人事件 大いなる助走』だとバーのママの「なんだか祭りが終わったみたいだわね」で〆てちょうどよかったんじゃな
いか、などとやくたいもないことを考えたりしましたが。
以下 まとめ
-
監督は終始ご機嫌でいらして、サービスも満点、お客もよく入ってまずは満点のイベントでした。金沢の人ありがとう!
- 久しぶりに見る作品、初見の作品とあったけど、どれもたいへん傑作で最高。一日四本ずつ見たけど疲れなんかかけらも感じない。恥
ずかしながら未見だった『シルクハットの大親分』の素晴らしさには参りました。あと『文学賞殺人事件』あらためて見たけど良かったなあ。
- 監督はずっと自作を御覧になってたんですけど、「まとめて見ると、なんかひとつながりのものを感じるね」とレトロスペクティブの
意義を感じていらしたようだった。ひょっとして、東京での全作品大回顧展とかもイケる!?
- 帰りの特急では指定が取れず越後湯沢まで立っていくハメに。しかも大雨でダイヤが乱れて乗り継げずもうメタメタ
- 最終日、上映前に香林坊のあたりをうろうろしてたら、いきなり「こんにちは」と声をかけられた。「(殊能将之の本名)です」あん
まり動揺したんで、新作のことを聞いておくのを忘れた(笑)
- 美人ぞろいのコミシネ&シネモンドスタッフなんだけど、中にクリステルっぽいメガネ女子がいてちょっとと
きめいちゃったわん
- 『大いなる助走』な文豪様はひどく落ち込んでいる様子だったので気になってたんだけど『ドカベン』見て元気になってた
んで良かった。いい映画は人を救うんだね!
Kiichiro
Yanashita / 柳下毅一郎 /
kiichiro.yanashita@nifty.com