あけましておめでとうございました日記
◎最近のお仕事 『興
行師たちの映画史』(青土社)サ
ポート・ページもあります。
『ケ
ルベロス第五の首』(ジーン・ウルフ 国書刊行会)勝
手に広報部も(勝手に)よろしく。
『ア
ヤックスの戦争』(サイモン・クーパー 白水社)を翻訳しました。第二次世界大戦とユダヤ人の運命とサッカーに
関する本です。はっきり言って、ニッチです。
『輝
く断片』(シオドア・スタージョン 河出書房新社)で中編を二編翻訳しています。キモメン文学の金字塔ですよ。
『宇
宙舟歌』(R・A・ラファティ 国書刊行会)を翻訳しました。
『デス博士の島その他の物語』(ジーン・ウルフ 国書刊行会)で中編を一編翻訳しています。
『た
まもの』(2004年度ピンク大賞受賞)の音声コメンタリーにいまおかしんじ監督、林由美香さんと一緒に参加しています。まだ御覧に
なっていない方は、是非林由美香さんの姿を見てあげてください。
1/1(日)
新年あけましておめでとうございます。
今年の予定ですが、とりあえずは国書刊行会から〈未来の文
学〉第二期でジーン・ウルフ短編集が2/10ごろ出ます。短編集とは言ってますが、実質的には中篇集ですね。いや、これはマジでいいですよ。担当者の人が「グ
レッグ・イーガンが出なかったら今年ベスト1!」と帯に入れようか!ってなかば本気で言い出すくらい素晴らしいです。担当者と二人で狂ってるだけで、世間
の人はなんとも思わないという可能性はありますけどね。ぼく個人としては今年のベスト短編集だと思ってます。まあ実際には河出書房からイーガンの短編集が
出るんでどうやってもベスト1にはならないわけですが。
ぼくがやったのは中篇一編だけなんですけど、ゲラをやってもあらためて感動しなおすくらいの傑作。ぼくがこれまでやった翻訳でいちばん泣けるんじゃない
か?というくらい泣けます。いやマジでね。これが星雲賞を取らなかったら他に何があんねんと言いたくなるぐらいの傑作。ま、実際には絶対に取るわけがない
んだけどね〜
それ以外にはコミックの翻訳、かなりでかい、みんな「え!」という奴を思いもかけない出版社から出すことになると思います。これは大作なんで翻訳かなり大変。でも年内にはきっと出ます。きっと出る……
あとはペヨトル工房から出ていた翻訳が東京創元社から文庫で出直すことになりました。これもうまくすれば今年前半くらいには出るかもしれません。
さらに思いがけない新展開として、この四月から、多摩美の二部で非常勤講師として授業を持つことになりました。いや〜萩原朔美先生から電話
をいただいたときは驚きましたよ。ぼくなんかが何を教えられるというのでしょうか? どうなるのか自分でもまったくわかっておりません。みなさんよろし
く。そしてまだ見ぬ生徒のみなさんもよろしく。ああしかしワールドカップどうすればいいのだ。
1/2(月)
名古屋から大阪に行くことになったので、いたずらっ気をおこして近鉄特急に乗ってみることにした。いや、まだ乗ったことなかったんで。
しかし、どこまで行っても田圃しかないなあ。あと乗る前に弁当を買いそびれたんで、食い物がなくてヒマ(近鉄特急には車内販売がない)。
1/6(金)
今年の映画はじめ。六本木に出かけて『マンダレイ』試
写。ラース・フォン・トリアーの『ドッグヴィル』につづく〈アメリカ三部作〉の第二部。前作の経験でうんざりしたニコール・キッドマンは逃亡したので、今
回ヒロインはブライス・ダイス・ハワードに変わった。今回は奴隷問題……で、ヒロインの足を引っ張ろうとする悪意のある登場
人物しか出てこないという点についてはよろしい。いつものことだから。
問題は、ヒロインを陥れる罠があまりに御都合主義的というか、ヒロインが愚かすぎるというか、そういうところである。本来ならばヒロインが理想主義的に
ふるまおうとすればするほど全体主義者になっていく……みたいにしないと風刺の意味がないのでは。そういうところ、ラース・
フォン・トリアーが引きこもって人の意見を聞かずに一人で映画を作っているのと関係あるのではないか、などとも思いマスタ。
1/8(日)
高田馬場の新しいスペース、タナトス6で『はがね』『箱』と二本の映画を自主製作している中島莞爾監督とトークする。いや、映画についてはトークをやることになるまで全然知らなかったんですが、完成度も高く、なかなか面白かったように思います。
トークはどうなることかと思っていたんですが、よく喋ってくださる方だったんでなんとかなりました。次回作は結構な大予算で作る予定もあるそうで(知り合いがプロデューサーだということで二度びっくり)なかなか楽しみですね。
1/10(火)
ラピュタ阿佐ヶ谷に出かける。牧口雄二監督の『玉割り人ゆき 西の郭夕月楼』。いやー、傑作だなあ。中嶋葵がストーカーという言葉が存在しなかったころの元祖ストーカー女で、郭主である坂口徹につきまといまくる。やっぱり冒頭の玉割り特訓シーンが最高ですね。なんで特訓ってあんなに面白いんだろう? すべての映画は特訓場面を入れるべきだ!
1/12(木)
フィルムセンターで『令嬢と与太者』。
その後渋谷に出かけてさるロック映画の内覧試写。いや、なかなかよくできた映画だとは思うんですが、見終わってどっと気分が落ち込みました。つらつら考
えるに、どうもこの監督が対象のバンドを愛していないせいではないか? もしファンだったらあんな描き方はできないだろう、とか思うわけですが。
ピーター・バラカンさんがいらしたんですけど、同じような複雑な表情を浮かべていたなあ。
1/13(金)
今日も内覧試写。傑作ですよ。
1/14(土)
只券があったので錦糸町へ出かけて清水崇の新作『輪廻』見る。ああJホラーもきついなあ……と思いながら見ていて最後でひっくり返る。いやーこれは凄い映画だ!まあ成功作とは口が裂けても言えないが、こういう意欲的な大失敗作を撮れるのは大監督の証拠である。みんなも是非見に行ってください。
1/15(日)
『限りなき鋪道』@フィルムセンター。今日は成瀬です。もちろんおもしろいに決まっている。車にはねられる場面があまりにあっさりとしているんでちょっとドッキリする。成瀬は映画の教科書だねえ。
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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 /
kiichiro.yanashita@nifty.com