日記というより月記

◎最近のお仕事 『興 行師たちの映画史』(青土社)サ ポート・ページもあります。
『ケ ルベロス第五の首』(ジーン・ウルフ 国書刊行会)勝 手に広報部も(勝手に)よろしく。
『ア ヤックスの戦争』(サイモン・クーパー 白水社)を翻訳しました。第二次世界大戦とユダヤ人の運命とサッカーに 関する本です。はっきり言って、ニッチです。
『輝 く断片』(シオドア・スタージョン 河出書房新社)で中編を二編翻訳しています。キモメン文学の金字塔ですよ。
『宇 宙舟歌』(R・A・ラファティ 国書刊行会)を翻訳しました。

『た まもの』(2004年度ピンク大賞受賞)の音声コメンタリーにいまおかしんじ監督、林由美香さんと一緒に参加しています。まだ御覧に なっていない方は、是非林由美香さんの姿を見てあげてください。


12/1(木)
 だいぶ間が空いてしまいましたが、何事もなかったかのように日記を再開。いやもう絶対に追いつかないってわかってるし。

 カンパニー松尾のAVメーカー、ハマジムを表敬訪問。まあぼくは挨拶しに行ったようなものなんですが……そろそろなんか仕事をしなければなりません。

 新宿で滝本誠氏らと韓国料理でちょっと早めの忘年会。ゴールデン街のすぐ近くにある店だったんだけど、ホームページに載っている地図が南北逆さまだった んでえらく難儀した。ひょっとして韓国では必ずしも北を上にして地図を書くわけではないのだろうか? 飯はうまかったんでいいんですけど。

12/2(金)
 今日も新宿。トラマン忘年会で、篠崎誠監督、中原昌也らと飲んでいろいろ話す。なんか、ああいう場に行くと自分がいちばん年上だったりするのが困ります ね。この日は上から二番目でしたが、最近、しみじみと自分の人生に思いをはせちゃいますよ。いつまでも酒のんで屑映画の話してるだけでいいのか? みたい な。
  ま、とは言っても他にすることがあるわけじゃないんですけどね。
12/3(土)
 鹿島4-0柏@カシマスタジアム

 ついに最終節までもつれこんでしまった。もはや勘弁まかりならん!というわけで遠路はるばるカシマスタジアムまで出かける。とは言っても、優勝で きると本気で思っていたわけではない。前節の引き分けで最後のチャンスをつぶしてしまったからである。ああ、天が与えてくれたチャンスだったのになあ。
 というわけなんで、わりとのんびり出かけてモツ煮食ったりホットワイン飲んだりガシャ回したりのまったり観戦モード。きれいなゴールも見られたし、思 いっきり髭コールもできたし、楽しかったよ。最終的には等々力でいろいろあってガンバが優勝したわけですが、まあ浦和じゃなかったから良かったか。
 …とか言ってたら世間では「まあ鹿島じゃなかったら勘弁してやるか」という空気だったらしいと知る。


12/4(日)
 トーマス・ベルンハルト『ふちなし帽』(柏 書房)を買う。馬鹿馬鹿しいほど面白い。まあ一言で言ってしまえば狂人の戯言なんだけど、これ、中原昌也と会ったときに「面白いですよ」と勧められたんで 読んでみたら本当に面白かった。ほとんど中原昌也の小説を思わせるようなところさえある。んで中原に聞いてみたら、中原は蓮實重彦から勧められたんだそう な(笑)。さすが見てるなあ、あの爺さん。
12/6(火)
 平山夢明氏がウェブ・ムービーの撮影をしてるというんで見物のため赤羽の病院に出かける。なんか特殊メイクが大活躍していて、あまりJホラーっぽくはな さそう(むしろ80年代スプラッターぽい?)。しかし平山氏がなんといっても素晴らしいのはグラビア・アイドルに「いいねえ×× ちゃん!」と言ってるときより、頭のつぶれた胎児に「いやあそのピクピク動くのいいねえ。なんか微妙だねえ」と言ってるときのほうがはるかに嬉しそうだと いうことだ……
  映画は角川春樹事務所の製作で、ウェブムービーとして配信されるらしい。

12/7(水)
 某映画の内覧試写。見る前から傑作に違いないと確信していたので別に驚かなかった。
12/8(木)
 来年の仕事のため挨拶回り中で某社へ。どっと疲れる。
12/9(金)
 西新宿でトカジャップTVの撮影。どういうことかというと、戸梶圭太監督作品をオムニバス的に紹介する架空のテレビ番組に犯罪コメンテーターとして出演 したのである。説明すればするほどなんだかわかりませんね。ニュースキャスター役は佐々木浩久監督、アシスタントは薫桜子という謎キャスティング。ぼくは 下北沢トリウッドで上映された『やら犯』でもコメンテーター役でかなりヤバイ演技を披露していますが(いや、本当にヤバイんで、みんな見ないでください。ぼくは絶対に見ません)、今度はそれよりはマシかな〜。適当に喋ってればよかったんで。
 とりあえず夕張ファンタスティック映画祭で上映されるらしいですよ。とっても寒かったんで、終わったあとしょんべん横町まで歩いて佐々木監督らと軽く飲む。
12/12(月)
『キング・コング』完成披露@東京国際フォーラム

 なんかガラガラだった……行ったのが15分前とかで大丈夫か?って感じだったのに、これだけの超大作の披露試写とは 思えぬほどにガラガラだった。試写状絞りすぎなんじゃないか? 映画はもちろん大傑作。みんな見ろ! それにしてもコングがオタク過ぎて泣ける ……ああ、コングの戦いは女やイケメンにはわからねえ……それにしてもジャクソンの激ヤセの理 由がまさかアレだったとは…いや見る前に「まさかそんなことじゃないよな…」と笑っていたんだが、まさか本当だったとは!  まさしくオタクの鑑!

 その後浅草のステュディオ・パラボリカに出かける。実はかつてペヨトルから出ていた某作品が文庫で再刊されることになったので、そのデータを受け 取りに行ったのである。そんなの、メールで送ってもらえばええやん、と思うでしょ? オレもそう思った。でも出てきたデータはなんと5インチフロッピーに 収められていたのだった! でさすがに5インチを郵送してもらうのは怖かったんで直接受け取りに行ったわけですが、これ、本当に読めるのか!?


12/13(火)
 飯田橋で打ち合わせ。

 その後東銀座の試写室で某作品の内覧試写。いやあヤバすぎる。終わったあと、興奮して滝本誠さんらと語りあう。
12/14(水)
 アクションと打ち合わせ。その後ちんたらしていたら試写に行きそびれてしまった。何やってんのやら。
12/15(木)
 渋谷で『SPL』試 写。ドニー・イェンとサモ・ハンの共演作。ご存じのとおり、『インファナル・アフェア』系の香港ノワールをドニー・イェンとサモ・ハンというカンフー・ス ター共演でやろうという意欲作。ストーリーはかなりダークで皮肉な話なんで、派手なカンフー場面のあと急展開するのが怖い。コメディ・タッチで残酷なこと をする感じ、と言えばいいんでしょうか。そういうわけでかなり強烈に落ち込まされる。いや、よくできた映画だとは思いますが。

 これからしばらくは映画を見まくる日々が続きます。だいぶサボってたんで。

 その後池袋に出かけ、ジュンク堂で大森望/豊崎由美トークショー。二次会まで行っていろんな人とお話したりなんか。ところでこの日、映画を見たあと池袋に行こうと思って 渋谷のスクランブル交差点でiPodを聞きながら信号が変わるのを待っていたら、いきなり後ろから肩を叩かれた。 振り向くと、20代のごく普通な格好をした女の子が立っていて 「割り切って遊びませんか?」 いや、オレ本当にiPodの画面を見つめてただけなんですよ! 物欲しげな視線とか投げてないよ! あんまりびっくりしたもんで「い、いえ…」と断って逃げてきてしまったんだが、今にして思えば値段くらいは聞いておけばよかった。 それにしても、あれなんだったんだろうなあ。

(1)オレがいかにも援交しそうなオヤジ臭を全身から漂わせていた
(2)オヤジ狩りの餌だから、ついていくとチーマーが待っている
(3)買い物のしすぎで帰りの電車賃がなくなったんで、片っ端から声をかけている
(4)オレの熱狂的なファンで、いつも「ミスティ」をリクエストしてくる
(5)セックスしてお金もくれるという出会い系サイトのspamから抜けだしたキャラ
(6)天から落ちてきた北欧神話の女神かなんかだった

 まあ、どうせ(7)AVの撮影か(8)どっきりカメラだと思うけど、ここは夢を抱いて女神様だったことにしておこう
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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com