今週は韓国映画ばかりです

◎今月のお仕事 『ロバート・クラムBEST』(ロバート・クラム 河出書房新社)編・訳。少々お高いですが、その価値はあると思います。
        『地球礁』(R・A・ラファティ 河出書房新社) やっと本になったよ! 感想リンク集もご参考に。


1/27(月)
 東宝試写室にてポランスキーの『戦場のピアニスト』。いや、アカデミー賞候補とか言われてるからどうせたいした映画じゃないんだろう、とか思って行ったんだが、これが傑作だった。びっくり。とてもアカデミー賞を取るような映画じゃないね。歴史に関わりそこなった人間の諦念にあふれている。
1/28(火)
hi.jpg 朝、ホテル・オークラへ。『スパイダー』プロモーションのために来日したデヴィッド・クローネンバーグにインタビュー。握手したクローネンバーグの手はひんやりと冷たく、柔らかく、どことなく湿った感じがした。
 インタビューはまあいつものごとく。終わったあと、〈映画秘宝〉の田野辺、〈SFマガジン〉の清水他とお茶。

 夜、テアトル池袋の〈辛・韓国映画祭〉に出かける。『女校怪談』のパク・キヒョンが撮った『秘密の涙』。これ、ヒロインはおかっぱで無表情な超能力美少女(中学生)なんですけど……ア、アヤナミ? 映画はまあたいしたネタじゃないんだけど、とりあえず彼女を見ていれば見られるというか。とりあえず、本当のアヤナミを見つけてきた努力は評価したい。


1/29(水)
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 NHK HiVisionで『朗読紀行 日本の名作「風の又三郎」』を見る。宮沢賢治を小泉今日子が朗読するんだけど、演出が黒沢清。場所は六甲山頂の有名な廃虚ホテル。彩度を落として色のない画面、風音のようなノイズ(音楽:大友良英)が遠く聞こえ、無表情に語るキョン^2は背景の中に溶けこんでゆく……恐ろしい。こんなにうつろな「風の又三郎」ははじめて聞いた。これで内田百けんとか読まれたらチビリそう。

『映画/革命』(足立正生 河出書房新社)、『猥談』(岩井志麻子 朝日新聞社)、『きみの血を』(シオドア・スタージョン ハヤカワ文庫)購入。わけわかんないけどなぜかスタージョン・ブームとなりそうな今年の皮切りにはぴったり。


1/30(木)
 bk1で購入した本が届く。『明治・大正・昭和・平成犯罪大事典』(東京法経学院出版)、『理想郷としての第三帝国』(ヨースト・ヘルマント 柏書房)。『犯罪大事典』はまあ以前から買おうかと思っていた本だ。すごいのは『理想郷としての〜』である。帯の惹句を引用すれば「未来小説、ユートピア小説など、政党的文学史から見落とされた娯楽小説200点を手がかりに、大衆運動としてのドイツ民族主義の歴史をはじめて構築」つまり、ナチス運動に先立ちナチス・ドイツを準備したイデオロギー的なSFとかが紹介されるわけ。全編『鉄の夢』状態。スピンラッド・ファンは必読だ!

 ラピュタ阿佐ヶ谷で『七つの顔の女』見る。岩下志麻主演のケイパー・ムービーで、要するに『黄金の七人』みたいなものを作りたかったらしい。しかし岩下の姐さんがロッサナ・ポデスタかい。なんか軽さのかけらもない感じ(そこがいいんだけど)。


1/31(金)
 テアトル池袋にて〈辛・韓国映画祭〉。今日は『オー!スジョン』『バタフライ』の二本。実は『オー!スジョン』は試写で見ているんだけど、どうしてももう一度見たかった。これは再見したくなる映画なんだよな。どうも仕掛けにハマっている。
 で、話は画廊を経営するボンボンと構成作家をやってる女の子との恋愛ものなんだけど、三角関係の相手になる酒と女にだらしない映画監督というのが出てきて、なんか荒井晴彦みたいだなあ、と思いました。

『バタフライ』はDV撮影のキネコ作品。物語の存在しない話に「記憶を消すウィルス」とか「鉛中毒」とかSFっぽい意匠をほどこしただけの映画。DV撮りの自主映画をSFといって売り込むんじゃねええええ。つい見ちまうじゃないかよ。

『ドリームキャッチャー #1&2(スティーヴン・キング 新潮文庫)いただく。白石さん、いつもありがとうございます。


2/1(土)
『誘拐』(ジェイムズ・グリッパンド 小学館)いただく。白石本三連発。

 中野へ出かけたついでにタコシェへ寄る。『車掌#21』(記憶だけで作った号)、『畸人研究 特集古本道』、『PINK FILM CHRONICLE 1962-2002』など買う。

 そのあとビデオを借りに新宿へ行ったところで、ばったり塩田時敏に出会う(どこで会ったかは、まあ、内緒ということで)。塩田曰く「今、松竹ビデオハウスで半額セールやってるよ」へえ、というので出かけて『新しい土』(アーノルト・ファンク版)、『猟奇殺人の夜』、『さらばアフリカ』、『単純な話』(サトウトシキ)他大量のDVDを買いこむ。あーあ。 


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com