明けましておめでとうございます
◎今月のお仕事 『ロバート・クラムBEST』(ロバート・クラム 河出書房新社)編・訳。少々お高いですが、その価値はあると思います。
『地球礁』(R・A・ラファティ 河出書房新社) やっと本になったよ! 感想リンク集もご参考に。
1/6(月)
有楽町へ。画家・美濃瓢吾氏の個展。なかなか素晴らしい絵を描く人なので、是非なにか仕事にしたいと思っているのだが、いまだこれという企画を見つけられないままである。なんとかしたいものだ。
『戦争のはらわた』のDVDを買おうと思ってビッグカメラに出かけたが見つからず、かわりに『ワイルド・バンチ』特別版を買ってきてしまった。だって1500円なんだぜ! メイキングまで入ってるのに映画館料金より安いとは……いやはや。これじゃ、誰も映画見に行かなくなるわな。
1/8(水)
『レッド・ドラゴン』。本年の試写初め。実にまったくもって味のない映画である。つまらなくすらない、というのが最悪。味はパン一のフィリップ・シーモア・ホフマンのでっぱらに光る玉の汗くらいかな。当初の予定通り、ホフマンがダラハイド役ならよかったのにねえ。
なお、字幕は戸田奈津子。「12口径のショットガン」てなものが出てきましたが、そんなもんじゃリスしか殺せねーよ。
終わったあと、これまた久しぶりの江戸木純とお茶して、世界のさまざまな国のさまざまな映画の話を取材。話を聞くだに見たい幻の×××映画の世界。今度ビデオ貸してください。
1/9(木)
TCCにて小沼勝の新作『女はバス停で服を着替えた』。北海道の鹿追町というところの協力で作られたご当地映画である。なんだか知らないが実は最近この手の映画作りがブームらしい。いろんなところでご当地映画の話を聞くな。
で、これなんだか知らないけど小沼監督から「ぜひ柳下くん(と四方田犬彦)に見てもらうように」とお達しがあったという由、宣伝マンに言われて、監督にそこまで言われたんなら見ないわけにはいかんだろう、と思ったわけである。いや『箱の中の女』とか大好きでしたし。しかしなんで小沼監督がオレの名前を出すんだ? オレのこと知ってるのか? ううむ。ちなみに四方田先生もいらしてました。
あーそんで映画はですね。ある意味、正しくご当地映画だと思いましたよ。
1/10(金)
神保町へ行く用事があったので、追い込み中の洋泉社へ顔を出す。そこでキネ旬ベスト10の話になって大いに笑う。ちなみにぼくはベスト10中邦画5本、洋画1本しか見ていません。まあそれもたいがい問題だけど、もっとまずいのはベスト10の中に知らない映画があることだ! いや本当、『ごめん』とかって映画、編集部誰一人として知らなかったんですけど。いや、ここまで世界がすれ違ったままだと、いっそ気持ちよいと言いますか。
その後K社のT、および大森望と会って悪巧み。一応SF界ではかなりのビッグ・ニュースと思われる。ので何も言えません。その後終電まで飲む。最後は思わぬ〆になった。やはり時代は鈴木則文を求めているのか!?
中古ビデオ屋でウリ・ロメルの『死霊の鏡2 ブギーマン2』購入。
1/12(日)
BOX東中野にて森達也監督の「夜の映画学校」ゲストに招かれる。『フリークス』と『姫ころがし』(99 寺嶋真理)の二本を上映し、そのあと森、寺嶋と三人で「差別と表現」というお題でトークするというもの。実は今準備中の本(例の延々と作業中の奴)で、この手の映画についてはすでに考察してるので、特に準備しなくてもひととおり喋れるのである。だがしかし、トーク自体は寺嶋さんがぶっちぎりで面白い。ぜんぜんかないません。あ、『姫ころがし』はたいそう面白い映画なので、もし見てない人がいたら見るよろし。
その後は終電まで1時間ちょい。久しぶりに元BOX支配人・山崎氏と会えて嬉しかった。
1/13(月)
シネマ下北沢の〈刑事まつり〉へ。なんか土曜の初日はえらい大混雑だったと聞いたので、用心して早めに行ったんだが、1回目の上映の30分前に行ってもすでに補助席というすさまじい人気。すげえ。で、みなさんの期待は果たして満たされたんでしょうか!?
やはり凄かったのは高橋洋監督の『アメリカ刑事』。大爆笑。あと黒沢清の『霊刑事』にやはり笑う。本人にやられちゃしょうがないね。なお、注記しておきますが『だじゃれ刑事』に登場するだじゃれは(ひとつを除き)すでに脚本に書かれていたものであり、中原オリジナルではありません。「こんなだじゃれが自分のものと思われたら困る……」と中原くんが苦悩していたことをお伝えしておきます。
1/14(火)
横浜ウォーカーで渡辺麻紀と対談。お題はアレ。「よいスメアゴル」「蛇の舌」と呼びあい和気藹々とした時間を過ごす。後半はほとんどただの雑談をしておりましたが……
1/15(水)
松竹にてリチャード・リンクレイターの『テープ』。ま、〈刑事まつり〉みたいな映画である 1)プロ監督が友人を集めて作った自主映画 2)デジカメ撮影マックで編集 3)超低予算でモーテルの一室で撮影。
〈刑事まつり〉と違うのは商売にしようとしていることぐらいだろうか。それにしても、いまだにハッパにこだわりつづけるのだけは立派だわ。
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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com