鬱度ウェルベック級

◎今月のお仕事 『ロバート・クラムBEST』(ロバート・クラム 河出書房新社)編・訳。少々お高いですが、その価値はあると思います。
         『地球礁』(R・A・ラファティ 河出書房新社) やっと本になったよ! 感想リンク集もご参考に。
      10/31(木) ハロウィンの夜は渋谷パンテオンの東京ファンタ・映画秘宝ナイトに大集合! 当日券もあるよ。       


10/21(月)
 美学校にて『夜を賭けて』試写。終戦後の混乱期、大阪にはクズ鉄を盗んできては売りさばく“アパッチ”と呼ばれる無法者集団がいたという……ってそれって『日本アパッチ族』ですか? でも残念ながらこいつらは鉄を食わんのです。食えばいいのになあ。山本太郎なんていかにも鉄食いそうなのにねえ。とか書いているとひたすら無関係な無駄話ですが、これは真剣に思うんだけど、この映画の問題は鉄を食わないところです。

 さらにメディアボックス試写室にて『ロベルト・スッコ』。フランスで6人を殺したイタリア人殺人鬼のお話。ドキュメント・タッチというか、すべて証言の再現フィルムなのね。イタリアの刑務所はちょっといい加減すぎるのではないでしょうか。いくらイタリア人が運営しているにしても。

『世紀末ディスコ』(岡武士 リトル・モア)いただく。リトル・モアで小説を発表したりしている人らしい。


10/22(火)
 ヤマハHにて『ボウリング・フォー・コロンバイン』見る。「アナーキスト・クックブック」を持っていたせいで「町で2番目か3番目の要注意人物」とされた少年の話が笑える。「オレ、何もしてないのに……本持ってただけで……」とか言ってるくせに「本当に何も作ってない?」ってマイケル・ムーアに突っ込まれたら「いや、ちっちゃな爆弾は作ったけど……あー実はナパーム弾も作ってみたんだ……ドラム缶で」で、「やっぱ二番目だったってのは悔しい。一番の奴、誰だったんだ?」
 てっきりここで一番を探しに行くのかと思ったんだが、その意味でムーアの取材、甘いんじゃないでしょうか。

 神楽坂の料亭で滝本御大と一緒に某宣伝会社の接待を受ける。なんつーか、大物になった感じ? でもしてた話はとことん人間性を疑われそうな馬鹿話なんですが。


10/23(水)
 佐々木浩久監督が新作を撮っているというので、現場へ遊び取材に行く。場所はマイカル本牧の潰れたレストランと聞いていたんだけど、そもそもマイカル本牧ってどこにあるのかわかってない。で、石川町まで着いてから歩くところじゃないらしい、と気づいてタクシーで。着いてみると今度は潰れたレストランだらけでどこがどこやら。

 昼頃に着いて、結局夜までずーっといました。豪華ゲストもあり、くだらない下ネタもありでなかなか楽しそうでしたけど、詳細はいまだ書いてはいけないらしいので書けないのです。三輪ひとみのコスプレショーが楽しめるのでその筋の人は必見よ。


10/24(木)
 ううう。
10/25(金)
 2時。ウェスティン東京にて『火山高』のスタッフ&キャストのインタビュー。なんかまったく気づいてなかったんですけど、もう今日から映画祭はじまってるんですね。
 シン・ミナは可愛かったです。キム・スロ(マルチャン役 『反則王』のライバル・レスラー)は日本語もできるし、なかなかいいキャラなので、日本映画で使ってみるというのはいかがでしょうか。

 インタビュー終了後、お茶の水へ出かけてアテネ・フランセでboid.net主催の黒沢清VS篠崎誠対談 恐怖の映画史PART3 を聞く。面白かったが、何がいちばん面白いって『スウィートホーム』の話になった途端に黒沢清が「うーん、ここだけでも三つ、四つ『これは……』って場所があるんですよね」などといろいろ言いたげだったこと。もちろん黒沢清は上品だからそこで怨み節など決して言わないのだが。

夜、世間ではフジテレビで大騒ぎしていたらしいがそんなことは無関係にU19日本3-0UAE 予選リーグ最後のバングラデッシュ戦ではすっかり一次予選のサッカーに戻ってしまったU19。どうもプレッシャーがないと持ちすぎてこねくりまわす悪癖が出てしまうようである。で、今日は2トップ(とりわけ茂木くん)があまりに酷すぎて頭抱えてしまった。決めるときには決めないとねえ。アテネ代表だけど、基本的には後ろをこのチーム、攻撃陣をU21で構成するといいんじゃないかな。この中盤でトップが大久保なら何点でも入るような気がするんですけど。


10/26(土)
 青山ABCに『コンピュータのきもち』発刊記念山形浩生トークショーを聞きに行く。まあ2時間ぶっとおしでよく喋れるもんだ、とそっちに感心してみたりなんか。

 その後一本打ち合わせをこなしたあと、打ち上げに合流。山形ファンってなんかあちこちの編集者とかが多いんですね。なんかわりと使えそうでいいなあ。

『プラットフォーム』(ミシェル・ウェルベック 角川書店)読了。当代最強の鬱作家ウェルベックの鬱小説である。この小説の要点を言うとこういう感じである1)自分は何をやっても楽しくないし、実際のところ何をする気もない。何やってもすぐに忘れてしまう。 2)でもセックスだけは楽しいかも 3)でも最終的にはそれもつまんないかも。ああ鬱。


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com