近所で猟奇殺人日記

◎今月のお仕事 『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判』(洋泉社) 町山の生活を助けるために、買ってやってください。
         『変態性欲ノ心理』(R・v・クラフト=エビング 原書房)。抄訳です。そのせいではないのですが、ちょっと悔いの残る本になってしまいました。
         『ロバート・クラムBEST』(ロバート・クラム 河出書房新社)。編・訳。少々お高いですが、その価値はあると思います。      


8/1(木)
 暑い。あまりの暑さに頭が回らない。

 家を出ようとしたら目の前に立入禁止の黄色いテープが張られている。??? 向こうを見ると警官が。テレビ局も来ている。あーなんかそう言えばさっきやけにパトカーが五月蝿かったような気が。野次馬に取材した結果、どうやら近所のアパートで婆さんが怪死したらしいと判明。
 この日は一日中警官がパトロールしていた。夜中、コンビニに買い物に行くときも警官とすれ違ったほど。

 で、結局暑さとはかどらない仕事に負けて試写にもいかず、6時からひとつ打ち合わせ。その後四谷に飲みに行く。

『クリプトノミコン#4』(ニール・スティーブンスン 早川書房)購入。1ヶ月待たされたくせに展開が早すぎる。


8/2(金)
 アイルランドからの帰途、ヒースローで読むものがなくなったんで、空港の売店でNeil GaimanのAmerican Godsを買ってチビチビ読んでいる。この本、実は返金保証付き。「スティーブン・キング並に面白くなかったら返金保証!」っていうんだが、そんなの自己申告でいいんだったら楽勝だぞ。読み終わってから「『ペット・セメタリー』の方が面白かった」って一筆書けばいいだけじゃん……と思ってよくよく読むとOffer Closes 31st May 2002 だって。ナメとんのか。

 東映試写室にて『宣戦布告』。北朝鮮(映画内では「北東人民共和国」)の秘密工作員が秘密裏に敦賀半島に上陸、くりかえされるテロ行為に日本政府はなすすべなく……という祈有事法制成立映画。監督・脚本はまったく謎の人物だったのでいろんな意味で期待されていたのだが、これが結構ツボを押さえていて見せる。バカ映画マニアから小林よしのりまでいろんな人の期待に応えてくれるんで、見にいくといいんじゃないでしょうか。まあしかし、最近のハリウッド映画じゃあまず撃ち落とされるところからはじまる戦闘ヘリがこんなに勇ましく最終兵器として登場する映画はないですね。自衛隊がいかに平和を愛する軍隊であるか、実感させてくれる瞬間だ。


8/3(土)
 昼過ぎの新幹線で尾道へ。今年は久しぶりに尾道の花火大会を見にいくことにしたのだ。普段はわりと賑やかになるんですが、今年は大林千茱萸と妻の三人で。適当に暇をつぶしてからいつものように浄土寺下の吉田邸(『ふたり』で中島朋子が死ぬ事故が起きる坂の前)から花火見物。極楽極楽。

 夜中過ぎに大林家別邸へ。いかに『ズーランダー』がすばらしい映画であるかという点について大林千茱萸と論じあう。


8/4(日)
 終日だらだら。仕事をしたりマンガを読んだり。夜、大分から香港人とトルコ人のカップルが到着するも、夕飯がない。実は妻が三つばかり先の島まで夕食の材料を釣りに行って、戻ってこないのであった。で、待っているあいだになぜか香港人が怪談話をしはじめたもんで……
8/5(月)
 名古屋泊。福山で時間が余ったので新古書店を覗いてみたがさっぱりでしたわ。
8/6(火)
『ご近所探偵TOMOE ep.2』『ep.3』(戸梶圭太 幻冬舎文庫)読む。これ、出ていたことにまったく気づいていなかったんだが、先月、どこかの親切な人がぼくのページ経由で買ってくれていて、その売り上げ報告を見て存在に気づいたのであった。戸梶圭太くらいになるとぼーっとしてると新作のスピードに追いつかない。どっかにサイトでもあればわかるんだけどなあ……とか思いながら2ちゃんをチェックしてたら、あ、今月短編集が出るの!? うーん、誰かファンサイトとか作って新刊情報をまとめてくれないものか(そしたらはてなアンテナでチェックするのに)
 この脳味噌が溶けそうな暑さにはぴったりだよね、戸梶。
8/7(水)
 六本木一丁目の駅を降りたら、いきなり目の前にビルが出来ていてびっくり。しかし表へ出ると地獄のような暑さ。三歩歩くと頭がくらくらしてきたので、途中コンビニに避難してすずむ。

 FOXにて『OUT』。古澤利夫第一回製作作品。なんかプレスの記述が微妙だなあ。古澤パワー炸裂なのは強烈きわまりないプレスである。写真撮影がアラーキーでデザインが祖父江慎だ。祖父江慎がデザインしてるプレスなんてはじめて見たよ。あと芹沢俊介の書いている原稿があまりに狂っていて参った。たぶんパンフレットに再録されると思うんだけど。

(福岡保険金殺人について)……だが主犯格の女性が架空の男の存在を作り上げ、それをもって他の3人を脅迫していたことがわかり、私は激しく失望したのであった。

 あんたを楽しませるために人が死んでるわけじゃないよ!

 あー、で、映画の中身はみのもんたのようだった。「奥さん! あなたの旦那がバラバラだよ!」


8/8(木)
 六本木にて内覧試写。究極の学生映画だなあこれ。

『トカジノフ』(戸梶圭太 角川書店)、『シベリア超特急 特別プロファイリング・ブック』(平田耕二・編著 コアラブックス/アートブックス本の森)購入。ところで、「カバー要らないです」と言ったからといって、『シベリア超特急 特別プロファイリングブック』を素のままで手渡そうとする旭屋書店渋谷店の店員にはちょっと考えていただきたいような気も。 


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com