キリン杯楽勝週間

◎今月のお仕事 ハヤカワ・ミステリ・マガジンにニール・ゲイマンの『恋するハーレクィン』訳載。『ネヴァーウェア』(インターブックス)発刊記念です。


6/23(土)〜26(火)
 妻が宮崎映画祭のゲストに呼ばれたので、おまけその1としてくっついていきました。例によって、宮崎の方々にはたいへんよくしていただきました。どうもありがとうございます。その滞在記はまたいずれ、ということで。ちなみにゲスト仲間はトヨエツ、阪本順治、押井守、伊藤和典ほか。うちのだけ異様に浮いてませんか。
6/28(木)
 チャンピオン読む。『バキ』やっぱりヘタレか……漫$画太郎は凄……しかしそんなのはどうでもいいことで、読んでいていちばんビビったのはチャンピオンCINEMAプレビューだ! ここでリック・ベイカーの取材をしている渡辺麻紀さんというライターの似顔絵が……萌え萌えじゃないか! まさかこんなこととは露しらず。

 東大の川勝ゼミ、今日は中原昌也が野坂昭如について語るというので見に行く。しかし究極のブルペンピッチャー、楽屋のホームラン王であるところの中原ゆえ、本番ではほとんど相槌打ってるだけだった。おもしろかったですけど。終わったあと、飯を食いに行くがここではノンストップでセックス、セックスと連呼してもう大変だったよ。
 その隣でひそかに国書刊行会相手に夢の企画を売り込んでいたというのは内緒だ。


6/29(金)
 エスクァイアで何度か一緒に仕事をしたカメラマン、ジェフ・ジョンソンが写真展を開くというので原宿のLAPNET Shipまで出かける(〜7/8)。何点か見覚えある写真も飾られてましたね。
 写真は雑誌掲載時はなかなかおもしろかったんだけど、こうやって並べるとちょっとワンパターンのきらいも……

 早々に抜け、〈BAZAAR〉のTさんと飯を食う。

『チャーター・スクール』(鵜浦裕 勁草書房)いただく。???と思ったら、『進化論を拒む人々』の著者だったか(書評したことある)。


6/30(土)
 国際フォーラムへ出かけ、ぴあフェスでミヒャエル・ハネケの『71フラグメンツ』。期待して行ったんですが、たいしたことなかったな。考えオチな感じ。
7/1(日)
 今日もぴあフェスでハネケ。『セヴンス・コンチネント』。これは前評判にたがわぬものがあった。話がどうこうでなくて、ともかくしつこい。あのしつこさには脱帽だ。さすがはドイツ人だけのことはある(大ドイツ主義的に)。
 しかし衆目の一致することろ、いちばんすごいのは『コード・アンノウン』らしい。しくじったぜ。

 さっさと帰ってキリン杯見る。日本2-0パラグァイ 柳沢2得点もすごいが、小野の1点目のパスには本当に痺れた。あの距離でピタッと足元におさまって、トラップすら不要でただ蹴るだけ。それにても、小野がサイドにまわって守備してるのって、俊輔ほど悲壮感ないよなあ。俊輔はすごく「やらされてる」感があるけど、小野は「やってやってる」感じ。前で守備してるからかしらん。


7/2(月)
 ヘラルドにて『メメント』見る。10分前の記憶がどんどん失われていくので、メモと体中に刻みつけたタトゥーで過去を補っていく男の話。同じアイデアでジーン・ウルフが"Soldier of Mist"って話を書いている。頭に傷を追って記憶をなくしてしまう古代ギリシャの兵士が、毎日のできごとを覚え書きとして記していく話だ。記憶のために記した物語がそのまま彼の冒険物語となる。いかにもウルフらしいメタフィクションな仕掛けだね。
 で、『メメント』なんですが、これはなかなかよくできていた。ちょっと長いけどね。でもそういうところも含めて、いかにもビデオ時代の映画という気がする(つまりタランティーノなんかの仲間ということだ)。 

 帰りに神保町に寄って、ちょっと買い物。『トルシェ革命』(フィリップ・トルシェ、田村修一 新潮社)、『AΩ』(小林泰三 角川書店)、『あかまつ』(まんだらけ出版)、『オルガスマシン』(イアン・ワトスン コアマガジン)。どうしようかと思ってたんだけど、実物を見たらつい買ってしまったよ、『オルガスマシン』。この表紙は購買力あるのでは。あと、『あかまつ』のまんだらけコスプレ店員ヌードという奴は……いや、深くは問うまい。

 帰ると『良寛さん』(植野明碩 社会思想社)届いている。???


7/3(火)
 1時から原書房のI氏と打ち合わせ。仕事はボチボチと。

 3時、週プレの編集者と打ち合わせ。週プレの別冊で出ているスポーツ誌<SPORTIVA>の件。見本誌をもらったが、なかなかおもしろかった。中でもいかにも週プレ的なーー〈NUMBER〉ではできないであろうところの−−企画が。というのは「佐藤江梨子と小池栄子が最新スイムウェアを着る」という奴である。いやあ、実にすばらしい企画だ。思わずページをスクラップしちまったよ。

 帰ると『オルガスマシン』が送られてきている。ありがたいが……なぜこんなときに限って買ってるかなあ。


7/4(水)
 3時半からFOXで『恋する遺伝子』。男に理不尽な振られ方をしたテレビの校正作家が男なんてみんな一度やったらそれっきりの牛野郎よ!とキレるという竹内久美子系映画。ま、オレにはまったく関係のない話だったよ。だってオレ、ヒュー・ジャックマンじゃないもん。雌牛も寄ってこないもん。

 その後新装開店の東和にまわって試写。まずまずじゃないですか? 話はよくわからんかったけど(わかるほどの話はない、という説も)。

 その後ビデオでキリン杯日本1-0ユーゴスラヴィア キーパーの差で勝ったが、あのユーゴ相手にキーパーしか差がつかないというのはいかがなものか。まあ日本もFWが鈴木だしな。鹿島ファンのオレでもなんとかしてくれ、とか思うよ。
 稲本くんが頑張っていたのは嬉しいが、どうでもいい試合だった。


7/6(金)
 原稿を二本ばかり送ったあと、神保町に走って青土社のM氏と打ち合わせ。うーむ、なかなか大変だぜ。いろいろ考える。

 その後洋泉社に寄り、『映画突破伝』(江戸木純+叶井俊太郎 洋泉社)ができているのでもらってくる。『クイーン・コング』宣伝本なんだけど、いやあこれは凄い本だ。もうとてつもない本だ(この本そのものがエクスプロイテーション商売を体現しているという意味で凄いのである)。まさに叶井伝説としか言うより他ないすばらしい後書きを見よ!「オレの小学生時代の夢、知ってる?」って知らねーよ! やはり伝説だなあ叶井。


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com