人のことはいえない月間

◎今月のお仕事 『サッカーの敵』(サイモン・クーパー 白水社)発売中。東欧とアフリカと南米のサッカーについて書いたルポルタージュ。解説:後藤健生


5/20(日)
 中野ZEROホールへ藤原章の『マダムソーラン』を見に行く。まあ、相変わらずっていうか、ある意味ジョン・ウォーターズのもっとも正当な後継者だもんね、藤原章って。で、映画が終わって、帰ろうとしたところで、映画が終わってから来た中原昌也につかまって、結局飲みに行くことになる。三連荘だよ。もう当分中原の顔は見ないでいいです。

 さっさと帰ってカンヌ映画祭の閉会式をワクワクしながら見るが……がっかり。


5/21(月)
 『ペロー・ザ・キャット全仕事』(吉川良太郎 徳間書店)読了。なんつーか、密度がない。描写がすべて抽象的で、肉付けがないのである。猫は自由だ、自由だと言うんだけど、その自由をエピソードで語ろうとはしないんだな。だからあっという間に読めてしまう。まあ、若書きだなあ、という気がするんだけど、実のところ、これが今の小説なのかもしれぬ。とりあえず、著者にはジェフ・ヌーンあたりを研究することをお勧めします。あと、ギブスンの文章作法を。
 引き続き、『ドッグファイト』。
5/22(火)
 東宝東和で『チアーズ!』見る。キルステン・ダンストのチアガールもの。若い女の子がキャピキャピしてるのを見ていれば幸せ、という人にはうってつけの映画だ。オレ的にはぎりぎり守備範囲かどうかって感じ。コギャルはあまり……
 でも映画はおもしろかったよ。正しいスポコンであった。『デンジャラス・ビューティー』に感じた不満がきれいに解消されている。政治的にも正しいしね。
5/23(水)
 京橋で角川書店の編集者と会う。

 その後東京国際フォーラムで『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』東京プレミア。なぜか菊川怜が出てきてたが、あのねーちゃん、何しに来たのやら。東大建築科の名声をひとりで引きずり下ろしてないか?(ってオレが言うことじゃないがね)
 映画は紀元前3000年のエジプトではすでにサイを使った女闘がおこなわれていた!という民明書房もびっくり、中野監督感涙な仕上がり。今時のトレンドでもある。だがしかし見せ場はちゃんと『タイタンの戦い』だったりするあたりがスティーブン・ソマーズだ。
 ただ、全体に見せ場を詰め込みすぎて、お得意ののんびりした空気感みたいなのが見えにくいのがちょっと残念。

『フィリップ・K・ディック/我が生涯の弁明』(ディック アスペクト 大瀧啓裕訳!)いただく。最強の狂人の戯言が最狂の訳者の手でついに登場!って感じ?いや、これ、褒めてるんだからね。


5/24(木)
『ドッグファイト』(谷口裕樹 徳間書店)読む。やあ、こっちはちゃんと小説だ。というのはつまり、「犬飼いにとって犬は真の同胞であり、切りはなされたら生きていけない」って書いたりするんじゃなくて、それをきちんとエピソードなりなんなりで表現してるってこと。もちろん、あまりに稚拙な部分が多すぎて(会話とか死にそうになるよ)、手放しでは褒められませんが。あと表紙はね、せっかく生頼さんなんだから、犬をどーんといってほしかったね、犬を。
 賞出すの、こっちだけでいいんじゃないのか。最近の小説新人賞の基準がどの程度かはよく知らないけどね。

 夜、ジュビロのアジア・クラブ杯準決勝戦を見る。ベタ引きに引いた相手に攻めあぐむという点では昨日見たバイエルンVSバレンシアにも共通するものがあったが、レベルがだいぶ違う。しかもバイエルンはGKのおかげで勝ち抜いてきているのに、ジュビロ最大の弱点はGKだからな。カウンターを受けるたびにヒヤヒヤ……
 それにしてもジュビロ意外と層が薄い。そろそろ名波の後継者を育てないとヤバイんじゃなかろうか。まあ開幕から飛ばしてきて、チーム状態が最低のときにACCに当たるってのが運悪すぎるんだが。


5/25(金)
 なんか田野辺くん、かなり洗脳されてましたな。次の秘宝はかなりヤバイです。乞うご期待。
5/27(日)
 雨ふんなコラ! せっかくの予定が狂いまくりだよ。

 なんか気がつくとゲームラボ毎号買ってるんですけど。今唯一毎号読んでる雑誌がゲーラボ? それもちょっとな……


5/28(月)
 渋谷クロスタワーホールで『ビヨンド・ザ・マット』見る。。WWFを中心にしたアメプロのドキュメンタリー。レスラーの素顔を見せる、みたいな。なんかやたら金髪率の高い試写であった(人のことは言えない)。
 かなり泣けるっす。泣きました。あ、でもねえ、オレが泣いたのはあくまでもプロレスバカ一代なテリー・ファンクの生き様だよ。別にミック・フォーリーの家族愛に感動したわけじゃないっスから。そこんとこ、よろしく。
5/29(火)
 近所(歩いていける)のアスミックへ試写を見にいく。映画はとっても良かった。しかし、ここではタイトルは秘します。まあ、わかる人にはわかる。
 滝本誠尊師が来ていたのでお茶……しようかと思ったが、財布を忘れていたので行けません。まさかこんなおもろいボケをかますことになろうとは。オレ、そういうキャラじゃないのになあ。
5/30(水)
 中原インタビューbk1

 ぷちbk1犯罪本コーナーを作ろうかと思ってるんだが、どうも時間がない。とりあえず推薦図書リストでも作るかなあ。

 コンフェデ開幕。でもスカパーを見られない我が家にとっては本当の開幕は明日なのです。今日はとりあえずフランスが韓国を血祭りにあげていたが、ジダン抜きの1軍半であれか。フランスってどうなってんだ。なんか恐ろしくなってきたぞ。


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com