おもしろい映画見たいです(切に願う)

◎今月のお仕事 『サッカーの敵』(サイモン・クーパー 白水社)発売中。東欧とアフリカと南米のサッカーについて書いたルポルタージュ。解説:後藤健生  


4/11(水)
 天気がいいので神保町に出かけ、本を物色。でも結局『スプーン』(森達也 飛鳥新社)買っただけ。

 BSでマリオ・バーヴァの『リサと悪魔』(『新エクソシスト』)見る。やっぱバーヴァってイタリアン・ホラーの父なんだなあ、と思った一編(町山なら「バーヴァ・パパだから!」と言うだろう)。見事にムードだけで話なんかかけらもねえ。もちろんフェティッシュなムードは最高なんだけど。


4/12(木)
 サム・ライミの『ギフト』。ケイト・ブランシェットが"I see things... dead people..."な霊媒師になって、殺人事件に巻き込まれる。使い古しのアイデア、すぐ割れる「意外な結末」、平凡な演出。こういう映画を見たかったんだよ、オレは! いやそんな力入れるような映画じゃないんですけど、なんか、こういう普通の映画が最近なくてねえ。すごくほっとしました。しかし、サム・ライミなんだよなこれ……

 夜『処刑男爵』。このタイトルには誰もかなわん。


4/14(土)
 朝、洋泉社に出かけてSFへ電話。町山と二ヶ月に一度の定例トーク。映画がつまらんの、貧乏だの、本が売れんの、とぼやきあっていたら異常にテンションが下がってしまった。終わったあと田野辺くんとメシを食いに行ったが、出るのはタメイキばかり。はあ。
4/16(月)
 木曜日の夜、急に歯が痛みだして、とりあえず薬で痛みを散らしていたのだが、そのままというわけにもいかんので、今日、友人の歯医者に出かけたら「あー親不知に大穴空いてますね。抜きますか? っていうか、他の選択肢はないですけど」……というわけでまたたく間に長年守ってきた親不知を抜かれてしまったよ。あああ。
 その後痛みを我慢しながら飲み屋へ。もちろん酒は飲まぬ。
4/17(火)
 ヤマハHで『テイラー・オブ・パナマ』見る。ル=カレの原作をジョン・ブアマンが映画化したもの。映写前にいきなり話を説明するアナウンスがはじまったときにはどうしてくれようかと思ったけど、実物を見てみたらなんのネタバレでもなかった。というか、ソニーの宣伝部は、ひょっとして本当にこれのことをサスペンス映画だと思っているのだろうか? そういう気もするなあ。なんか、イギリスらしいクソまじめな顔してやるスラップスティックで、好きだねえ。ピアース・ブロスナンが女性関係で問題を起こした派手なスパイを演じる。いい仕事してます。
4/18(水)
 なんか最近潤いのない日記だなあ。煮詰まってるのを反映してるのかなあ。

『コミッカーズ春号』、『黄昏の岸 暁の空』(小野不由美 講談社文庫)買う。

 朝まで起きていてチャンピオンズカップを見るが……ユナイテッド弱すぎるぞこら。


4/19(木)
 砧公園で玉蹴り。その後三茶で飲む。むっちゃ疲れました。途中、寝てた。

 ところで、bk1bk1ブリーダープログラムなるものがはじまるという。要するにサイトを入り口にして本を買ったら、売り上げの3%がキックバックされるというものである。実はこれに合わせて著作リストとかも改訂しようと思ってたんだよね。
 で、そこでふと思い出したんだが、この手の話(affiliate programっていうんだっけか)だとamazonの方が早いはずじゃないか。というんでアマゾンを覗いてみたら、やっぱり似たようなことがはじまるらしい。うーん、アマゾンなら洋書も売れるからなあ。どっちにしようかしらん。両方ってわけにはいかないんだろうねえ。


4/20(金)
 下北沢・本多劇場でナイロン100%100℃公演『すべての犬は天国へ行く』。もちろんケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出。ケラの芝居を見るのははじめてだ。公演パンフに原稿を頼まれたんで、まあ、その縁で。オール女性ウェスタンなんだけど、戸川純が娼婦役。なので当然のごとく歌があります。ひょっとして、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の向こうをはったか? 和製ビョークってことで(いや逆ですけどね)。
 少なくとも、ラース・フォン・トリアーよりはケラの方がミュージカルのなんたるかをわかってるなあ、と思いました。芝居が3時間もあるのには驚いたけど、おもしろかったスよ。
4/21(土)
 イギリスでAntiCristoって尼さんエロ映画の研究書(ものすごい大部で、世界中のありとあらゆる尼さんエロ妄想映画のレビューが載っている)を出したデザイナーが遊びに来る。なんか、今長野在住だということである。日本でドキュメンタリーを撮るとかなんか計画があるらしい。例によって、クズ映画の話なんかでひとしきり盛り上がる。さらに、すでに友達の友達であることが判明している。世界をつなぐクズ映画ファンのわっ。
 あ、尼さんエロ映画本を日本で出版したいという版元がありましたら、仲介いたしますので、はい。

『パラサイト・レックス』(カール・ジンマー 光文社)、『わたしたちはなぜ科学にだまされるのか』(ロバート・L・バーク 主婦の友社)買う。『パラサイト・レックス』は実はこの書評がたいそうおもしろかったんで買ってみて、読んだらすごくおもしろくて、それで書評一本書いてしまったんですが、この場合、やはり森山さんに原稿料一割くらい払い戻すべきなのでしょうか。

〈文藝〉連載第一回「けものみち」用のインチキ表紙をヨシキくんが送ってくれました。これです。本文(雑誌で見てね)と合わせてお楽しみください。


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com