◎今月のお仕事 『サッカーの敵』(サイモン・クーパー 白水社)、2月下旬発売。東欧とアフリカと南米のサッカーについて書いたルポルタージュ。解説:後藤健生
その足で銀座にまわり、ニュー東宝シネマで『回路』(二度目)。行くぞ、行けるところまで。客は少ないが。パンフを買う。ついでに携帯ストラップも買う。ああ、ものすごく嫌な携帯ができてしまった。これで「……タスケテ……タスケテ……」とかって電話かかってきたらどうしよう!?
『SFが読みたい!2001年版』送ってくる。鏡・山田・大森座談会がひどくて頭かかえる。「未来がない」とかさんざん言っててサイバーパンクの話が出てこないってのが本当に不可解。90年代の回顧のはずなのに、70年代から先に話がいかないってのはいくら昔の名前で出ていますったってマズイんじゃないの?
『映画はおそろしい』読む。明晰にして原理的で、まさしく黒沢清の映画のようだ。きわめて刺激的。
その後神保町で文藝新連載の打ち合わせ。わりと楽しくできそうな気がするんだけどね。その後洋泉社に寄って田野辺くんからブルトンもらう。
夜、原宿でケイブルホーグN嬢の結婚パーティ。お相手はなんと戦争映画サイトの主催者(『戦争のはらわた』がとりもつ縁とか)。というわけで新郎友人には軍服姿のミリタリー系が大集合、みんなで『バルジ大作戦』の戦車歌を歌って大盛り上がりだった。いやあ、オタクの結婚式自体は珍しくないが、相手方がオタクというのははじめてだった。なかなか新鮮なものである。
eiga.comの人々も来ていたが、これはなんと新郎の会社(映画関係ではない)と同じビルに事務所があるからと言う理由であった。世間の会社ってそういうものなんでしょうか? とりあえず、旦那様には『スターリングラード』について訊いてみたいね。
で、肝心の中身なんですけど、非常に微妙である。加筆した部分と削除した部分と両方あるんだよなあ。でもやはりオリジナル版の方がムチャっぽいが。
メディアボックスで『ハロルド・スミスに何が起こったか?』。スプーンを曲げられる超能力パパのお話。でもたとえスプーンを曲げられようと、家族の崩壊を止めることはできないのだった。着眼点は悪くないと思うけど、出来としてはね、まあ、不愉快じゃないって程度の映画。
その後ヘラルドにまわって『トラフィック』見る。ソダーバーグ監督・撮影の本年度アカデミー賞最有力作品。15分前に行ったらもう満員と言われたんで、せっかく来たんだから宣伝部に顔だしとくか……と思ってうだうだ喋ってたら、なぜか入れることになってしまった。なんか嫌なんですけどねえ、こういうの。でも断るのも大人気ないし……というんで見せていただきました。
しかしなあ、これ……どこがええんや? いや、オレはこの映画がアカデミーをスイープすることを疑ってはいない。シリアスなテーマを扱っているし、出演者はみんな熱演している。でもね、オレにはまったくおもしろくなかったのよ。思い上がったバカがドラッグで破滅しても、そんなのどうでもいいことだとしか思えん。最大の疑問は、いったいソダーバーグの何がそんなに評価されてるのかってことね。アメリカのレビューもいくつか読んでみたけれど、やっぱりわからないなあ。全然下手だと思うんだけどねえ。冒頭の逮捕シーンなんて本当にひどいよ、なにやってんのかわからんのやから。
誰かソダーバーグが好きで好きでたまらない人がいたら、是非そこんとこを教えて、ぼくの蒙を啓いてください。