なんか朝生みたいな(その心は……)

◎今月のお仕事 『サッカーの敵』(サイモン・クーパー 白水社)、2月下旬発売。東欧とアフリカと南米のサッカーについて書いたルポルタージュ。解説:後藤健生  


2/11(日)
 ぶらぶら、妻と一緒に小石川図書館まで散歩。CD数枚借りて、蔵書放出で『日本政治裁判史録』などもらってくる。

 江古田のFlying Teapotへ。森園みるくの写真展をやっているというので、遊びにいったのだ。なんか近所のレコード屋がイベントをやってたけれど、いさいかまわず村崎百郎を呼び出して久しぶりに鬼畜談義に興じる。もっぱら最近の殺人事件関係の話。二人とも『サバイバー』にハマっているらしい。
 えっと、そういうわけで青山真治が村崎百郎の中身だという噂はまったくの虚偽ですんで(ってオレが流してるんだがね)。


2/12(月)
 ふと見かけたガシャポンから視線が離れなくなってしまった。もちろん〈ウルトラマン・零下140度の対決篇〉である。目標はメトロン星人(ちゃぶ台付き)かブルトン。というわけで2回まわして見事メトロン星人(ちゃぶ台付き)ゲット! ブルトンは……シングルで買うかな。
2/13(火)
 アドホックの隣で2000円の前売り券を買い、テアトル新宿に『ユリイカ』を見に行く。じゃじゃーん! 定員入れ替え制なのでまったく無意味な整理券を渡されて(だって、客は40人ぽっちしかいないんだぜ!)その場で回収され、ロビーに仰々しく飾られたカンヌ版のポスターを眺めながら行列して待つ。すべてがスノッブと事大主義(何より驚いたのは、カンヌ版のプレスシートを1000円で売っていたことだ)。すなわちカイエ的……でもねえ、カイエ・デュ・シネマってもともとはスノッブじゃなくて、むしろ悪趣味と言われていたんじゃなかったのか。どこでこうなっちゃったんだろうかねえ。
 なんだか映画外のことばかり言っているけれど、でも、これも映画体験の一部だということでお許し願いたい。文脈をはなれたところには映画など存在しないのだ。で、これはだね、オレがいかにこの映画から疎外されているかという例証なのだよ。

……(3時間37分経過)……

 技術的にはたいしたもんなんじゃないですか。画調の統一とか。でも、あまりに審美的で語りと無関係なショットが多くてねえ、こんなんで「死なんでくれ」って言われてもねえ、それ、画面で起こってることとなんの関係もないんじゃないの。まあ「チンケなニヒリスト」にはわからん深いつながりがあるのかもしれんけど。魂とか。
 そうそう、タニグチリウイチ氏から依頼があった件(7/18)だけど、これは観客の集中力が弛緩してしまうからなのよ(リカちゃんは“トランス状態”と言っていたけど)。この映画、極端に情報の密度が薄いのである。色はないし、劇伴もほとんど使われない。画面は三パターンに限定されている。1)ゆるやかな移動撮影 2)固定キャメラでダイアゴナルな(ゆっくりした)移動を撮る 3)静止フレームでセリフのある場面 セリフを聞かせる場面では、セリフ以外の要素は完全に排除されてしまうのね。加えてテンポも完全に統一されている。歩くスピード、自転車の移動、キャメラの移動。はかったわけじゃないけど、カットの長さもほぼ同じくらいだろう。処理すべき要素がここまで少ないと、自然頭の回転もゆっくりになってしまう……ってとこでどうですか?(ちなみにオレはそういうことを考えながら見ていたので、上映時間のままに感じたよ!)

 口直しに『回路』見ようと思ったけど、すでに最終回がはじまっていたのだった! だから必要以上に長い映画はよお……


2/14(水)
 友人に誘われて砧公園へ出かけ、サッカーの練習に参加。ブロス系っていうか、クラブ系なのか?
 参加してたのは2時間半くらいかなあ。もう死にそう。

 帰ると、アルバトロスから〈NEKROMANTIK BOX〉(ヨルグ・ブットゲライトの『ネクロマンティック1&2』、『死の王』三枚組DVDセット)が届いていた。


2/15(木)
 筋肉痛だってばよ。

 原書房のIと打ち合わせ。会うといつもサッカーの話をしているが、今日はちゃんと仕事の話をしたよ(もちろんサッカーの話したけど)。

 なぜか忘れていた『サバイバー』(チャック・パラニューク 早川書房)購入。すぐ書評書く。


2/16(金)
 『少年たちはなぜ人を殺すのか』(宮台真司+香山リカ 創出版)、『ビートルズ』(アラン・コズィン アルファベータ)送ってくる。『少年たちはなぜ人を殺すのか』にはいつぞやのロフト+1でのイベントが再録されているが、これを読むかぎりでは、オレが思った以上のことはないようなんですけど。ねえ、なんかもっと深いことはないんですかシンジくん。

 松竹で『ユリョン』(韓国版『沈黙の艦隊』)を見たあと徳間ホールで『富江re-birth』。『呪怨』で日本中を震撼させた恐怖王清水祟(たたる)監督の劇場用長編デビュー作。いやあもう期待ビンビンで出かけましたよ。秘宝組も添野も期待ビンビン、はじまる前はみんな盛り上がりまくっていたのだが……
 いやあ何があかんのやろなあ。監督の力量を見せつける部分もあるんだけど、全体としては……やっぱ問題は脚本かなあ。なんか雇われ監督っぽいしねえ。ダメージでかいなあ、クリティカルヒット。


2/17(土)
 用事があったんで午前中から洋泉社に出かけるが……×●△!? どうしようもねえなもう。

 しょうがないんで田野辺くんと飯を食って秘宝の今後について論じる。『映画はおそろしい』(黒沢清 青土社)、『帰ってきた映画狂人』(蓮実重彦 河出書房新社)を購入。さらに『映画監督になる15の方法』(轟夕紀夫 洋泉社)と『新世紀アメリカンプロレス読本』(洋泉社)をもらったので、古本屋をのぞくころにはかばんが重すぎてヘトヘトに。


2/18(日)
 町山から電話があって、FBBの件など。話題はもちろん……
2/19(月)
 午後、平凡社のK氏が来て、ちょっとお茶など。なんせ会社が家から徒歩10分のところに会社が引っ越してきたわけで。ちなみに平凡社にはもれなく荒俣宏がついてくるので、荒俣氏も徒歩10分のところにいることになる。立花隆もご近所だし、なんかIQ高そうでいいねえ……って単に東大の近くに集まってきただけなのか?
2/20(火)
 ヘラルドに行くも満員で入れず。お茶を飲んで帰ってくる。

『サクセスの秘密』(中原昌也 河出書房新社)送ってくる。中原って本当に人の神経を逆撫でする天才だと思うんだけど、この本の「これであなたも大金持ち!」というコピーほどムカつくものはあるまいて。そーか、そんなにサクセスしてるのかこいつ。じゃあ今度おごってもらおう。

 郵便局に寄ったが、またもW杯チケットの申込書入手できなかった。まあ当たらないのは覚悟しているが、申し込みすらできないっていうのは想定外だぞ。申込書もらうのに徹夜とかそういうのだけは勘弁してくれ。


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com