さよなら20世紀

◎今月のお仕事 もう終わり! 以下来世紀! 


12/19(火)
 渋谷、アップリンクへ出かけて"Pixy"のマックス・アンダーソンにインタビュー。スウェーデン出身のコミック・アーティストなんだけど、ちょっとティム・バートンの描くイラストみたいなかわいい奇形がいっぱい出てくる漫画を描く。『デス&キャンディ』というタイトルでアップリンクより邦訳が出ます。
 終わったあと、TVBros.のTとお茶してバカ話。

『祈りの海』(グレッグ・イーガン ハヤカワ文庫)いただく。


12/20(水)
『日活ロマンポルノ全史』(松島利行 講談社)いただく。なかなか立派な本。
12/21(木)
 恵比寿のみるくでTITLE、BURST、DUNE三誌合同の忘年会があるというのででかける。といっても2時間ほどいて終電前には帰ってしまったが。
 SMショーがあると聞いたが、なんつーか、エロチックと言うよりは笑えるものだった。あんなんでアヘアヘあえがれてもなあ。
12/22(金)
 徳間ホールで『あの頃ペニー・レインと』(なんて邦題つけやがる……"Almost Famous"だよ)見る。なんか一部ですげえ燃えている人がいたんで期待してたんだけど、どうもな……オレ、キャメロン・クロウにはもともと偏見があるんだけど(『ザ・エージェント』は本当、最悪の映画だと思うね)、それを差し引いても嫌な映画だと思うけどねえ。なんか裏切りを正当化してるだけって感じがするんだよな。で、『ローリング・ストーン風雲録』でクロウの登場場面を再確認して、さらに嫌な気分が増す。こいつ、ライター当時はひたすら軟派な奴だったんじゃん。
 まあフィリップ・シーモア・ホフマンは良かったよ。彼だけはどんな映画に出てもオレを裏切ることはないね。「オレは家にいるよ。uncoolな人間だからな」

 夜、パンドラの忘年会にちょろっと顔を出す。なんか今年はさんざんだとぼやかれることしきり。『キンスキー/我が最愛の敵』の興行成績がさっぱりだというのはなんとも悲しいことである。


12/23(土)
 年末恒例映画秘宝オールナイトinBOX東中野。今年で五年目になるのだが、BOX側の事情もあって、実は今年がファイナル・イベント。来年の開催は場所も日時も未定である。まあ、なんとかなるとは思うんだが。
 先週の段階まで決まっていなかった上映作品だが、結局史上最低の映画と言われる『アンダーグラウンド・コメディ・ムービー』とアルバトロスのドイツ・ホラーという三重苦みたいな作品の二本に決まった。『アンダーグラウンド・コメディ・ムービー』は本当に辛かった。まったく笑えないんだもんねえ。ジョーイ・バタフーコ(エイミー・フィッシャーの援助交際相手)が出ているのが唯一の売りというもう本当にどうしようもない作品。これと三重苦映画だから、もうほとんど客への挑戦である。
 中野監督はサイクロ人(女)を連れてきていた。大畑監督はただの酔っぱらいオヤジと化しておりどうしようもない状態。ザ・グレート・ビデオが乱入したりもしたんですが、どうもキレがなかったスな。
12/24(日)
 我が家でささやかにクリスマス・パーティをもよおす。大森望、添野知世の夫婦と渡辺麻紀、あと一人呼んだけど来なかった。きっと幸せなことがあったのだろう。それならそれでいいんだけどね。
 パーティの方はみなさまのご協力もあって、ドンペリ、フォアグラ、蚕の蛹の缶詰などが飛び交うたいそう豪華なものになって何より。驚くべき事実も暴露されて楽しい一晩だった。いやあ、今年は男女関係がらみで驚かされることの多い年だったなあ。それにしても驚いたっす(とても失礼なオレ)。
12/25(月)
 黒沢清のビデオを何本か借りてきて見直す。あと年賀状印刷。
12/26(火)
 インタビュー二連発。

 最初はTokyo FILMEXの審査委員長として来日していたメキシコ人監督アルトゥーロ・リプステイン監督。驚異の映画『夜の女王』の人である。もう老大家と言うべきだが、異常に元気なおっさんだった。審査の内幕とかも聞く。中身は書くわけにいかないが、選外になったタイ映画、すごく見たくなったな。FILMEXには、結局プレスパスを取りにいく暇もないまま終わってしまった。

 その後東宝にまわって黒沢清インタビュー。黒沢監督は口から先に生まれてきたような人なので、一言聞くだけで10分くらいの返事が返ってくる。個人的にはすごくおもしろいインタビューで、黒沢清が何をどう考えて映画を作っていくのかがよくわかったんだが、はたから見てどうなんでしょうかね。
 これ、もちろん〈秘宝〉に載ります。嘘のようだが、次の号に。


12/27(水)
 BrosのT来る。特集の相談。洋物マンガを何冊か貸す。

 月曜日に借りたビデオを返却し忘れているのに気づく。くそう。やはりなんでもとりあえず一週間レンタルにしておくべきか。


12/28(木)
 情報センターの編集者が来て、本を置いていく。まあちょっとだけ協力、というか本を貸しただけなんだけど、かかわったお礼と言うことで。礼儀正しくてとてもいいことである。というわけで『20世紀名言集・大犯罪者篇』(情報センター出版局)は|amazonbk1BOLeS!ISIZEJbook旭屋書店紀伊国屋書店富士山本屋さん|で買えます。1/18発売。

 昔のテープ・コレクションを引っくりかえして、懐かしさからついヴァージン・プルーンズなど聞いてしまう。最近のオレの行動の問題点は、こういう感情に駆られるとついNapsterを起動してしまうところにあるな。


12/29(金)
 青山真治に「下衆」呼ばわりされてしまいましたよ。品性下劣と言われるのは久しぶりだが、まあしょうがないかね。ここまで嫌われれば評論家冥利に尽きるが、問題は映画をけなしたわけでもなんでもない(前にも言ったが、青山真治の映画は一本も見たことがない)ってことだろうね。しかし、こう言われて俄然『EUREKA』見に行く気になってしまったオレはどうしたらいいんでしょうか。あ、だから下衆なのか!
 関係ないけど、町山もboid.netは読んでおいた方がいいよ。

 なんかつまらんオチがついてしまったが、これで20世紀も終わり。それではみなさん、よいお年を。


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com