サッカー狂い(何度目かな、これ書くの)

◎今月のお仕事 〈SFマガジン2000/08〉ジョン・スラデック追悼特集を大監修。よろしく。


6/11(日)
 帰ってくるとさっそくサッカー三昧でテレビにかじりつく。困ったもんだ。とりあえず昨日はハッサン2世杯のビデオを見て、今日はキリンカップVSスロヴァキア代表 どうもトルシエって理にかなわない交代をするよねえ。あれ、どういうことなんだろう?

 夜はヨーロッパ選手権オランダVSチェコ。オランダがインチキ臭いPKで勝利をかすめとる。なんかオランダの試合って日本代表の試合見てるみたいじゃない? ボールはよくまわるんだけど、なかなか決定的な突破ができない。


6/12(月)
 起きたら2時半だった。ふむむ。

 洋泉社に出かけてちょっと話す。つうか、原稿依頼をかわす(笑)。True Westのキャップは日本でいちばんフィリップ・シーモア・ホフマンが好きな男、こと田野辺くんにプレ。

 ヨーロッパ選手権は2試合見る。ドイツはたるい試合をしとるなあ。もう眠くなるわい。てっきりインチキPKが発動されるかと思ったけど、それすらない退屈な試合……しかしそのあとのポルトガルVSイングランドがファインゴール連発の好試合で盛り上がった。とはいえイングランドは中盤の守備がルーズすぎる。もうちょっとなんとかせんかい。あのメンバーで2点リードして勝ち切れないんだから、やっぱ監督の責任だろうねえ。思うに3-5-2でルイ・コスタを押さえ込めば楽勝の試合だったんじゃないか? ドイツに引き分けて予選リーグで終わり、とかそういう結果が見えるような……


6/13(火)
 寝不足で頭が痛い。

 久しぶりに村崎百郎と電話で話す。なんか引っ越しするそうで、今後は西武池袋線沿線の人はゴミ出しに注意だ(笑)。鬼畜業界もすっかり寂しくなったねえ。

 夕方、雨の中、塩澤SFM編集長が来て、スラデック特集に使う書影を何冊か貸す。あとゲラの受け渡しとか。飯を食いながら3時間ばかし喋ったりなんやしたあと、また「仕事です……」と会社に帰っていった。ちょっと働き過ぎだよねえ。来月からさらに仕事が増えると言っていたが……まあSF界にとってはいいことだとは思うけど、ぼくはそんなことどうでもいいから塩澤くんには個人的に幸せになって欲しい。いやマジ。
 小松左京賞のレベルはなかなか高いらしい。でも最終選考に残るのは簡単な気がしたな。どうするって、いやコネ使えば(笑)。

 EURO2000ノルウェーVSスペイン ノルウェーはスペインみたいなチームに勝つためにはこうすればいいっていう見本みたいな試合運び。しかしそれにまた見事にはまるあたりがスペインも弱い。ポルトガルは準々決勝でノルウェーに当たらぬことを祈るべきである。


6/14(水)
 ワーナーで『サウスパーク:無修正完全版』見る。うーむ、傑作。前情報ゼロで見たらかなり感動したかもしれん。少なくとも『アイアン・ジャイアント』よりゃ泣けるな。それにしてもなぜブライアン・ボイタノなの?

 居合わせた渡辺麻紀に誘われて三留まゆみとPremiere編集者との打ち合わせに同行する。渡辺麻紀からは『バトルフィールド・アース』関連のあれこれを取材とか。しかし、いちばん笑ったのはPremiereの編集者から聞いた衝撃の事実! トルシェの謎の通訳ダバディ氏はなんとPremiere Japanの編集者だった! ううむ。思わず仕事引き受けてPremiereに遊びに行こうかと思ったよ。

 その後新宿に出かけてPSCのIと謎の仕事の件について打ち合わせ。まあ楽しそうではあるんだが、金になるかね?? 期待しないで待つこととしよう。おまけで『ワイルド・パーティ』の海賊版サントラをもらう。ビデオからセリフや劇伴を取り込んで作った究極完全版である。というわけでぼーっと聞いてますがやっぱいいね。

『知の欺瞞』(アラン・ソーカル、ジャン・ブリクモン 岩波書店)、『サッカー批評#07』を購入。


6/15(木)
 DVDで"American Movie"見る。ミネソタ州のド田舎でホラー映画を作ってアメリカン・ドリームを夢見る30過ぎのボンクラを追いかけたドキュメンタリー。秘宝的には痛すぎる傑作である。本当にドキュメンタリーなのだろうか!?と思うことしばしば。中でも凄すぎるのが映画のエグゼクティブ・プロデューサーにさせられる叔父さんのキャラ。あと音楽担当の超ボンクラな友人。

主人公「なあ、発見したんだけど、おまえの音楽には無意識の影響があるな」
ボンクラ「そんなことないよ。全部オレが作ったんだよ」
主人公「だって……とそっくりじゃないか」
ボンクラ「そんなことないよ。歌詞も一語しか変えてないし−−いや一語しか一緒じゃないし」

 面白すぎるっす。で、初長編の製作には入ったんでしょうか?

ユーロ2000 イタリアはいつもつまらない試合をするが、今回もやっぱりひどい試合だった。この国に生まれたわけでもないのにイタリアのファンになるってどういう人なのかねえ。それ以上にひどかったのが今日のスウェーデンVSトルコだった。両方まとめて逝ってよし!って感じ。


6/16(金)
『エブリディおさかなちゃん』国樹由香 竹書房)いただく。なごむのう。ありがとうございます。

夜、表参道のヒューマン・メディアで『A』という建築雑誌向けに大森望山形浩生で座談会。あとオブザーバーとして磯達雄も参加していました。
 お題はSF小説や映画における“東京”というものについてなんだけど、なんかあまり盛り上がらなかったな。つうか、山形もうちょっと話題作ってこい。オレはSF方面は大森に、現実関係は山形にまかせて茶々入れに専念するつもりだったんだが、なんかみんな何を話すか決めてなかったような……その後飲み会では裁判事情を取材したりとか。しかしみんな「これ日記禁止ね」という話題が多かったような気がするな。山形はそういう前置きはいっさいなかったから、まあいさぎよいことである。
 オレはもちろん日記禁の話ばかり(笑)。

 今夜も2試合。酔っぱらって眠い目をこすりつつ見る。オランダは先行させると無敵なチームである。ライツィハーが最後部から飛び出して相手のCBまでぶっちぎったスピードは凄かった。このまま突っ走って欲しいなあ。


6/17(土)
『「こころの時代」解体新書』(香山リカ 創出版)、『トンデモ大予言の後始末』(山本弘 洋泉社)いただく。

 夕刻、馬場へ出かける。芳林堂で『ヘンリー・ダーガー非現実の王国で』をはじめて見る。どうしようかと思っていたんだが、見ていたら買わずにはいられなくなって、気がついたらレジに立っていた。他数冊と合わせて購入。大森望から『スター・ウォーズ ローグ・プラネット』(グレッグ・ベア ソニー・マガジンズ)もらう。帯に「アナキン、暗黒面へ!?」って書いてあるよ。もういっちゃうの?


6/18(日)
 一日三試合はさすがにつらいのである。しかしキリンカップだけは忘れずに見る。2軍以下のボリヴィアなんか5-0くらいで一蹴しなければならないのである。それはそうなんだが、日テレの実況と解説は不快すぎる。ああ、オレに不快な解説を聞かないですむ自由をくれ(←スタジアムに行きなさい)
6/19(月)
 起きたらもう1時半。

 シネカノンで『ヒーロー・イン・チロル』見る。オーストリア製のチロリアン・ヨーデル・ミュージカルである。オーストリアにこの人ありと言われるバカ映画の雄、ニキ・リスト監督作品。
 中身はまあ、想像するとおりのものだった。いちばん笑えるのはヨーデル・ファック。全体に無意味なサービス・カットが多かった。いや、まあいいことだとは思うが、なぜだろう?!?

 イタリアVSスウェーデンは音声だけ聞きながら仕事する。で、もうトルコなんかどうでもいいやと思って寝たんだが、そんなバカな!?


6/20(火)
 この商売(翻訳稼業)につきものなのが腰痛である。オレは幸いにしてこれまでのところ無事ではあるんだが、そろそろいい年なんで油断してられん。というわけで抜本的解決をはかるべく最終兵器を導入。そう、ハーマン・ミラーのAeron Chairだ
 いやあ快適快適。しかし請求書を見るのが恐いぞ。

 松竹試写室で『マルコヴィッチの穴』見る。マルコヴィッチマルコヴィッチマルコヴィッチ? マルコヴィッチ! マ、マ、マルコヴィッチ!! という感じの映画でした。マルコヴィッチ(わかった)?
 一見して思うよりしっかり計算されつくした映画だと思う。まあこの狂った脚本を得た時点で勝利でしょう。脚本家はチャーリー・カウフマンというそうだが何者だ? ひょっとしてアンディ・カウフマンの生まれ変わりとか?

 ユーロ2000 イングランドVSルーマニア イングランドまさかの逆転負けでグループリーグ敗退。まあ3試合で6点もプレゼントしてちゃね。それにしてもイングランドもドイツもいなくなるというのは、ちょっと寂しい。憎まれるほど強いのがドイツ唯一の取り柄なのに
 見ていて思ったんだが、ケビン・キーガンって明らかにトルシェより監督能力劣ってるよね? ユーロに出てる監督で、明らかにトルシェ以上と思われる監督って何人くらいいるんだろう? リベック? まさかね。


6/21(水)
 今日で予選リーグも終わりである。ユーゴVSスペイン戦は……いくらユーゴがヨーロッパのいじめられっ子だからって、あの審判はないと思うなあ(ロスタイム3分ならユーゴの勝ちだったんだぜ!)。それにしても3試合で3退場のユーゴってどういうチームなんでしょう? はからずもバルカン紛争の原因が見えた!?
6/22(木)
『バットマン ウォー・オン・クライム/スーパーマン ピース・オン・アース』(アレックス・ロス 小学館プロダクション)いただく。長いぞ。

 たらたら原稿書いてたら朝になっちまったよ。


6/23(金)
『恋愛映画1000』とかいうなぞめいたムック(アスペクト)送ってくる。しかし1000本といいつつダブってる映画の多いこと。それがまた『バットマン・リターンズ』だったりするあたりが……中原の原稿が泣けるっす。でもほとんどオレと書いてることが同じ……

1時からメディアボックスで秘密試写。今年のサンダンスで話題になっていた奴である。しかし先行作品でまったく同じテーマのものがあるからなあ、どうしてもあっちと比べちゃうよね。


6/24(土)
 早起きして洋泉社へ出かける。恒例となっております町山とのトーク(国際電話)のため。ネタは『バトルフィールド・アース』で、町山はいろいろ喋りたいことがあったらしい。オレは下調べだけはしておいたので、まあ原作の話とか。およそ2時間ばかり長話して、その後タノベくんと食事して、今後の話など。

 夕刻、大森から誘われたので西葛西で焼肉。参加者は白石朗夫婦&ジュニア、サーコン夫婦、林哲也、アムウェイ堺、それにもちろん大森&アニカラ隊の人。話題はいろいろ……カラオケのあと、大森家におもむき朝までユーロ準々決勝を観戦する。テッパンの二試合だったが、予想通りの結果に終わる。しかし、ポルトガルは楽しそうだったな。
 それにしてもイタリアの戦いぶりは見事だった。いや、絶対に好きにはなれないんだが、やはり見事というより他あるまい。先制点を取ると急にペースダウンして、紛れのない退屈きわまりない試合展開に持ち込んでしまう。たしかにそれは勝つためにいちばん必要なリアリズムではある。でも、オレはやっぱり不確定性を弄ぶオランダの方が好きだな。


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Kiichiro Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com