GWはSFセミナー
◎今月のお仕事 『イグジステンズ』(クリストファー・プリースト 竹書房)発売中。なんか詰めの甘い翻訳。
5/2(火)
朝10時からの試写でブエナに出かける。
映画評論に命をまったくかけていないオレにしては珍しい行為である。なんでやねん!? というのはこれを見逃すと二度と見れない可能性があるっつーもんでね。なにかっていやあ、ほれ、あの福耳の親方が作ってる奴よ。超特急といいながら特急らしきものは新幹線しかでてこないという、あれ。第2弾。
さすが日本のエド・ウッドだけあって、試写では最前列に座って自分で自分のギャグに笑いこけていた。オレ的にいちばん衝撃を受けたのは美術 木村威夫というクレジット。巨匠、こんなことで晩節を汚してしまうのか? それともボケたか?
終わってから同じく珍しく早起きの三留とお茶。お互い、業が深いのお。
5/3(水)
SFセミナー@全電通労働会館(レポート・リンク用アンカー)
あわてて12時半ごろ飛び込んだら最初の企画は1時からだった。トホホ。で、どうしても見逃せない一発目はもちろん角川春樹インタビュー。UFOとか厳禁で、一部には「緊張していたのでは?」の声もあり。しかし、今ならなんでも喋ってくれそうである。やはり角川映画の話を聞くしか。
あとは巽孝之独演会の「日本SF論争史」を半分ぐらい聞くが、別におもしろい話はなかったな。なんか名前を出されない約一名(不在の中心!)のまわりを議論がグルグルまわっているような……
ところでファンジン売場で「テクスチュアル・ハラスメント訴訟中間報告」という小冊子が売られていたので、つい購入してしまいましたよ。いや、なんかオレの原稿も引用されてたりしたもんで。小谷真理氏の答弁書よりちょっと引用。
平成9年11月8日発売の〈TVBros〉では山形氏の友人であり共訳者を勤めたこともある柳下毅一郎氏が「『SF』と『小谷真理』だ。さすがは天下無敵のトラブルメーカーだけのことはある飛ばしっぷり。ここのためだけでも本買って損はしないと思うよ」と書き、ひとまずレトリック説を支えようとしています。ただし問題項目に限って執筆者を支持した公式見解はこれだけが異様なる例外で、以後はいっさい出現しません。
異様なる例外……
合宿ではジョン・スラデック追悼企画を担当する。とはいっても浅暮三文氏のこと以外覚えている人は誰もいないだろうなあ。まあ、一人くらいはスラデックに興味を持った人もいたかもしれない。なお、林くんが作った書誌は一部で好評だったようだ(主に高橋良平に)。
5/4(木)
5時頃帰ってベッドに潜りこみ、昼過ぎに起きてあわてて新宿に向かう。牧眞司の著書『ブックハンターの冒険』出版記念パーティ。昨日会った眠そうな目をした人たちとまた会って、飯を食って、お茶して帰る。大人のパーティだけに、子供がいっぱいいた。
ところでセミナーに合わせるように起きたバスジャック事件だけど、気になっているのはどっちかと言えば同じ17歳でも愛知老婆殺害の方だ。何が気になるって、こいつ、オレの書いてるもの読んでるんじゃないか?
5/5(金)
今日起きたことを説明するのはたいそう難しい。朝起きたときにはたしか大林千茱萸とPSCの石熊と福生あたりへドライヴに出かけ、国立あたりでお茶して帰ってくるということになっていた。しかし車に乗ったとたんにそんなことはすべてどっかに消え去ってしまい、ぼくらは中央道に乗っていた。なんで?
お腹が空いたので大月で降りると、日本三奇橋のひとつ猿橋を見物。その後勝沼に向かい、勝沼町営ぶどうの丘、天空の湯であったまる。でもそのころにはもう帰省ラッシュがはじまっており、しょうがないので大月のブックオフで時間を潰すことになって、『遊星よりの昆虫軍X』を一冊100円のコーナーから救出し、ファミレスでコーヒーをたくさんおかわりし、で、結局帰ったのは1時でした。わはははははは。
5/6(土)
夜、早稲田松竹で『ファイト・クラブ』見る。主に字幕を中心にチェック。主人公の名前は一度も語られてないにもかかわらず、なぜ“ジャック”になってしまうのかな?と思っていたんだが、すべて字幕のせいだった! 「ぼくはジャックの猛烈な怒りです」と言っているのが、なぜか「ジャックはすごく怒っています」と訳されてしまっているのだ。『ファイト・クラブ』を見たあとはいつもやさぐれた気分になる。こんなときは新宿のクラブにいって……あ、そのあとのことは話してはいけないんだよ。
5/7(日)
セミナーのとき「うちに寄って、本引き取ってきなよ」と林くんに声をかけておきながら、さっさと帰って寝てしまったオレである。で、今日、呼ぶことになった。来たのは林、田中香織、森太郎。
お茶しながらセミナーの反省やら昔話やらいろいろ。当然いちばんの話題はオレと林くんがスラデックの話をしている裏で盛り上がっていたらしい“ネットワークのSF者Returns”とここら辺で展開しているその余波について。オレとしては幻想の共同体をでっちあげて、そこによっかかって話をするような奴は誰であろうとみんな敵だ。
で、結論としては来年のセミナー合宿企画がひとつできた。「小浜徹也のともだち100人できるかな?」というんだけどどうか? これは小浜が一晩かけて自分の知らないセミナー参加者に順番に話しかけて友達になる、という企画である。もちろん参加者名簿を渡されて、それを全員つぶさなければならない。見事全員と友達になれたなら、賞品として『ウォーリーを探せ!』がもらえるという仕組みである。
おみやげに昔のファンジン類をどっさり渡して帰す。ま、これからのことは若い人にまかせましたから。
5/8(月)
終日部屋にこもり、ポツポツ仕事する。バリバリとはやらん。
夜中、町山に電話。コロンバインのビデオをリクエストしておく。さっさと保安官事務所に出かけて買ってくるように。
5/9(火)
CSで『町奉行日記・鉄火牡丹』見る。三隅+勝新で『どら平太』と同じ原作を映画化したもんなんだが、どう考えたって『どら平太』がこれよりおもしろいわきゃないよねえ(見てないんだけどさ)。
すっかり夜型になっているのでチャンピオンズ・カップ準決勝レアル・マドリーVSバイエルン・ミュンヘン スタジアムの雰囲気は凄かったが、アネルカのヘッドが決まったところで勝負あり。これでアネルカの買い物は正当化されるんだろうか?
5/10(水)
ヤマハホールで『アメリカン・パイ』。『パンツの穴』だった……それにしても、なんでドン・マクリーンの曲を使わなかったんだろう? まあこの脳天気なお話にあう曲でないのはたしかだが。
その後三笠会館で角川から出る新雑誌の打ち合わせ。6月創刊だって。ムチャクチャや。
5/11(木)
ぶらぶらと神保町に出かけ、本の物色など。で、なんとなくサルバドール・ダリの『わが秘密の生涯』を買ってしまう。いやあもうダリって最高! どこからどこまでもダリ。
妻と近所の甘味屋に焼きソバを食いにいく。下町っぽくていいですね。
5/13(土)
テレビ観戦しているJリーグの感想くらいしか書くことがない。平和だ。ヒマなのか? TBSで柏VS鹿島戦を見ていたが、CMの量には参った。あと、試合中にレポーターの顔写してるのもどうかと思ったよ。テレビのディレクターって、ただ試合を写してるだけだと、仕事してない、と思うものなのだろうか? 余計なことばっかして、かえって視聴者に嫌われてるような気がする。で、あんだけCM入れたくせに、時間切れになって試合最後まで中継できないでやんの。
5/15(月)
ポール・シュレーダーの"Affliction"こと『白い刻印』(この邦題、どういう意味だ?)試写。満員で補助席だった。主人公はニック・ノルティなんだが、パパがジェームズ・コバーン、弟がウィレム・デフォー、恋人がシシー・スペイセク……どういう世界だ、これ。ちなみにもう一人ヴェトナムで死んだ弟がいるらしいんだが、これはきっとクリストファー・ウォーケンだな。だめだよ、ロシアン・ルーレットなんかやっちゃ。
いや、オレ、とりあえずポール・シュレーダーは好きらしいよ。
夜、文春から〈TITLE〉の編集者が来て、17歳の犯罪について取材される。で、つい都築響一の連載について文句言っちまったよ(笑)。ま、パクリはいかんよ、パクリは。
5/16(火)
ソフトマジックの編集者と山の上ホテルで打ち合わせ。まだ海のものとも山のものともつかない段階なんで、書くことはなし。前田寿安の画集をいただく。ありがたいことである。
ところで、ソフトマジックの編集者はSFファンでしかもオールディスが好きという奇特な人なのであった。いろいろ訳のわからんものを売りこんでおいたので、ソフトマジックから海外SF叢書が出る日も近いか?(嘘)しかしいちばん盛り上がったのはサッカー話だというのはいつものことだ。
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Yanashita / 柳下毅一郎 / kiichiro.yanashita@nifty.com