【大森望のSF日記remix1995後半編】
1995年後半の狂乱西葛西日記から、SF関係のものを集めました。今後、電脳日記、カラオケ日記etc.が再編集される予定。
【7月1日(土)】
(前略)
メールで原稿送ってから、20分押しで銀座。不二家本社ビル地下のスコッチバーで、京大SF研OB北村くんの結婚お祝い会。幹事の大平くんの勤務先ケンウッドでもPHS端末をつくってるけど社販価格はまだ不明だって(笑)
が武蔵小山商店街を案内してくれる
富士通の宮前氏とIBMの佐藤悟はどっちも社内ホームページを持っているが、社内のみの公開。佐藤くんは写真に凝ってて、フォトCDに焼いてからJPEGに落としてがんがん張ってるらしい。しかし外から見えないんじゃな。自分で民間(笑)のプロバイダと契約して外にミラーサイトつくるでしょ。
日経から公社債研究所に出向中のWorkbook創刊編集人、浜口忠久は、理科大SF研の木下篤芳その他と読書会をやってて、あしたはハイペリオン読書会だそうである。あんなもんどこが面白いんですか、シュライクはだれがつくったんですかとからまれる(笑)
都市銀行でデリバティブのディーラーやってる山中くんは5兆円だか動かしているらしい。学生の時はソノラマ文庫読んでるだけの男(←偏見)だったのに、人間変われば変わるものである。
「住宅ローンはぜったい借り換えたほうが得」とか強く説得されたりしていきなり勉強になるな(笑) でも、
「そんなの、どこでも近所の銀行に行ってローンの借り換えしたいといえば、もみ手しながらぜんぶやってくれますよ」
「あ、でもアボ氏、自由業だよねえ……」
「そうかあ……」
「むずかしいかな」
「なんとかなるんじゃないかな、たぶん」
っておい(笑) まあしかしひょっとすると年間50万くらい違うのか。ううむ。などという話を書いているとまるでこの日記じゃないみたいだ(笑)
しかし一次会のあとはちゃんとカラオケにいったのでだいじょうぶだ。大平からは「選曲がすっかりシブヤ系ですね」とかいわれる(笑) まわりがサラリーマンばかりのカラオケはひさしぶりなのでなんだかよくわからない。小沢健二の名前を聞いたことがない人3割。新婦の人はカローラ2のCFの……と説明されてもぽかんとしている。東大卒ばりばりキャリアの女性はテレビなど見ないのであろうか。それにしても新郎新婦は思いきりhotでしたね。「しんろう」と打って真っ先に「身廊」と変換するあたりいまの仕事を思いっきり反映してるな、しかし。
カラオケ屋では小浜くんがQV-10に興味を示して手にするがまったく使い方がわからないというこの悲しさ。自分ちにあっても奥さんのだからさわらせてもらえないんだね(涙)。そういえば小浜くんはMacにもさわらせてもらえないので三村美衣が留守の隙にこっそりさわるんだけどすぐフリーズさせてそそくさと電源を切って知らんぷりするんだけどたちまちバレて怒られてしまうのである。三村美衣の亭主という仕事も楽ではない。
酔っぱらった浜口(現在奥さんがフィラデルフィア留学中。いまごろ第二次大戦の戦火に逃げまどっているかナチの支配する世界で路頭に迷っているにちがいない←SFおたくのお約束)と佐藤悟がどういうわけだか西葛西までついてきてしまったので大将で焼肉。お歳暮ですといきなり上カルビ2人前が出てきてラッキー。
浜口は焼肉中にいきなり酔いが覚めて気持ち悪い状態に突入、静かになる(笑) そのまま連れて帰って2時間くらいしゃべったあとおれは先に寝ちゃったからその先は知らないよ。
【7月6日(木)】
2時半に日本橋丸善で幻想文学のインタビュー。幻想SFっていうお題で原稿依頼があって、とても無理っすもうしわけないと謝ったらなぜかインタビューという話になってしまいほんとにもうしわけない感じ。適当なことをくっちゃべって(談話)とかまとめられる人にだけはなるまいと思っていたのだが(笑)
お相手の幻想文学発行人・川島徳江さんとは、電話では何年も前からしゃべってるけどオフラインではこれが初対面。石堂藍名義でずっと幻想文学のSFレビュー担当してる人なので、SFもめちゃくちゃ読んでいるのだった。というわけでけっこう濃い話になるかと思ったが、わたしの頭から中期記憶が消えているため作家名がほとんど出てこないのだった。まあしゃべってるうちに考えが整理されて助かったけどまとめるのはたいへんだな、きっと。
編集長の東さんも同席してたので、ホラー業界、幻想文学業界のうちわ話をいろいろと取材する。学研ホラーノベルズもけっこう台所が苦しくて今度から四六判になるそうです。幻想文学もラブクラフトとか売れる特集ばっかりやってればいいんだけど、とか。
東さんが凝る企画はだいたい売れないそうで。まあそういうものだ。
インタビュー謝礼が一万円も出たので驚いた。まあでももらわないのも失礼だよなということにしてしっかり着服する。ラッキー。
【7月21日(金)】
ソーントーンサイクル三部作完結編、久美沙織『青狼王のくちづけ』(新潮文庫8月末刊)のゲラを読む。二巻めの『舞い降りた翼』はちょっと不満が残る内容でしたが今回は傑作。国産異世界ファンタジーの最高峰だねってことで、各種資料をそろえてロイヤルホストにこもり、午前2時から4時間で全16枚ちょいの解説を一気にフィニッシュ。
冒頭にTo Be Continued(「物語は続いて行く」)とウラジミール・プロップ(『魔法昔話の起源』)のネタを振ったら、To Be Continuedのほうは、校閲者もデスクも「?」だったそうです(笑) という話はともかく、傑作なのでファンタジーファンは読むように。しかし前二作はすでに目録落ちしてるんだそうで、元担当編集者としては慚愧の涙に耐えないことである。三巻めが十万部くらい売れたら復活するんだろうけどなあ。どこかでアニメ化しないかなあ……って無理だな。
【7月22日(土)】
↑の原稿を午前9時に担当者の自宅にファックスで送り、よしよしこれで心おきなく京都に行けるぜと思ってベッドに入ったのになぜか寝つけず、そのままミストラルで翻訳仕事。午後6時のひかりに乗って、京都駅から北大路駅まで地下鉄で出て、タクシーで高野の喫茶店へ。三村美衣・小浜徹也夫妻と待ち合わせて綾辻邸に乱入。
京大ミステリ研現役某氏の話題で盛り上がるが、最近は我孫子武丸氏も京都インターネットでぶいぶいゆわしてるみたいなのでうかつなことを書くと綾辻さんにチクられるおそれがあるので自粛(笑)
だいたい綾辻さんは作家イメージをきわめて大切にしているらしく、無許可でこのページに写真が載っていることについても「肖像権の侵害だ」とかぶつぶついってたもんなあ――ってだったら書くなよ>おれ。やはり革ジャンにサングラスの写真でないとダメなのだろうか。しかしカラオケ写真のほうがよっぽど(以下略)
11時過ぎには小野不由美さまも合流。あいかわらず指の調子がよくないらしいが、綾辻いじめの口は冴えている(笑) ひさしぶりに天下一品でラーメン食べて、北白川バッティグセンター奥のボックスでBeMAX1時間半。んでもって綾辻邸にひきかえし、午前7時ごろまでに半荘2回。綾辻トップ、大森2着、三村・小浜ペアが3、4着でわたしは約3000ガバスの収入。綾辻さんはこういうレートだと強いのだが大人のレート(笑)になるとぼろぼろで経済効率がよくないらしい。名人戦も一回戦敗退だったそうで、やはり精神的に(以下略)
【7月23日(日)】
ひとりで午前9時に起きて会場に先乗りした小浜徹也を尻目にぐうぐう寝て、12時前に起床。三村美衣、さいとうよしこと三人でタクシー乗って星群祭会場の御車会館へ。それにしても人が少ない。小浜といっしょに前で出てるとき、わりと退屈だったので数えてみたら客席には22人しかいなかったぞ(笑) だいたい創作系の集まりである星群祭でおれがしゃべってもしょうがないと思うんだけどなあ。
お題は「ウケるSF」ってことだったので、これは形容矛盾ではないか(笑)という話をする。しかしその場で考えたんだけど、いまの出版界はSFがウケないんじゃなくて、ウケるとSFとは呼ばれないってことなんですね。典型的な例が『パラサイト・イヴ』なんだけど、ホラーアンソロジーとかの短編だって15年前ならSFと呼ばれていたにちがいない。ただし、現在ほかの名前で呼ばれて違和感がないのだとすると、70年代にわれわれが日本SFだと思って呼んでいたものははたしてSFであったのかという疑問が生じるわけですが、このへんのことはそのうちになにかに書くかもしれない。
というわけで人前でものをしゃべると考えが整理されるというメリットはあるな。
次の企画は眉村さんの講演で、ついまじめに聞いてしまう。セミナーのときは一部しか聞かなかったし。眉村さんの場合、発想の立脚点がわたしのような若造とはぜんぜんちがうので、聞いてるとけっこう新鮮で収穫あり。ただしポエニ戦争の話は長すぎたな。
恒例星群ノベルズ合評を途中で抜けて、東大路の喫茶店(というかカフェバー)に入り仕事少々。三村美衣から「もう終わりだぜ」電話がはいったところで会場にもどり、堀さんとソリトンの話をする。ソリトンは3号になってかなりレベルアップ、商業誌に載ってもあんまりおかしくない、昔の日本SFっぽい(ってことはつまりいまだとSFとは呼ばれないタイプ)短編も少々。ガチガチのSFっぽい作品が多いのにあらが目立ちすぎて読めない星群ノベルズとは好対照ですね。ソリトン定期購読特典のプロ作家アンソロジーは、筒井康隆の人生相談が載るそうで、堀さんは燃え燃え。
そのまま星群祭の二次会に顔を出し、一時間で抜けて四条河原町。阪急電車で梅田に出て、フコク名店街……じゃなくていまはフコクパレッタだっけか……の喫茶店トレビで関西海外SF研究会というかTHATTA友の会の例会。大野万紀一家、水鏡子、古沢嘉通、佐脇洋平親子、きくちまこと夫妻、てらさん@THTTA編集長、小笠原成彦@青心社などおなじみの人々とおなじみの会話をする。姫路で仮設住宅生活者となった佐脇洋平@グループSNEというか、細美遙子の夫の人は、486/75のデジタルハイノートウルトラをおととい買ったばかりで持ち歩いていた……のでダイナブックSS450と対決する……が値段で最初から負けているのだった(笑)
旭屋→中華料理屋→喫茶店のコースを最後までつきあって、けっきょく新幹線の終電を逃したので東梅田のビジネスホテルで一泊。あーしんど。
【7月28日(金)】
(前略)
熱海にはお坊っちゃんSFファンの野口誠@SONY(理科大SF研OBで現SFセミナー事務局長)のお父さまのリゾートマンションがあって、ここ数年、毎年夏はそこでうだうだするのが恒例なんですが、3時半ごろ、同行予定の三村美衣から携帯に電話がかかってきて、午後6時東京駅待ち合わせってことになる。なんかホワイトハート新人賞の下読みでたいへんだと泣いてたけど行けることになってよかったよかった。
と思ったら三〇分後にふたたび電話。亭主の小浜徹也@東京創元社が喘息の発作を起こしていまから帰ると電話がかかってきたので行けなくちゃったよー。あーまったくせっかく準備して玄関出かけてたとこに電話のベルが鳴ってこれだもんぷんすか。あーそーですかまーおだいじにねー。
ってしかし小浜くんは毎年熱海に行っては滞在中に喘息げほげほ男になってたんだけど、なんだ熱海のマンションのせいじゃなくて、毎年この季節には発作起こすのな。
まあ最近はテレサ・テンのおかげで世間の目は比較的喘息患者にやさしくて、会社だってなんだってやっぱり目の前で死なれるとやだから早退・欠勤の融通もきくわけで、いい世の中になりました。しかしなぜかわたしの場合には喘息の発作は前から週末に起きるんだよな。
というわけで小浜夫妻は今回は欠席になってしまいましたが、この日たかをくくって病院で点滴を受けなかったばっかりに翌日大発作を起こして意識不明状態に陥り救急車で運ばれて一命をとりとめるという事件が出来するのはこの時点では知る由もない。
しかしおれはちゃんと電話で、「どうせ明け方とかに発作が出ちゃうんだからいまのうちの病院行って500ccくらい点滴しといたほうがいいよん」と言った事実は記録にとどめておこう(笑) まあこのへんのドタバタ騒ぎについては、もし万一更新されることがあればてんぷら★さんらいずページで読めるでしょう。救急車内部の写真とかでもさすがにQV-10では撮ってないか(笑)
むかしおれが東名高速で思いきり事故って高速バスの待合い室をぶっつぶして死にかけたときは、調書をとられるときに現場写真を見せられて、「この写真、記念にもらえないですか?」ときいてだめだといわれた経験があるという話はよく考えてみるとあんまり関係ないな。
まあそんなわけで参加者が二名減りつつも、午後六時に東京駅新幹線南口で小江雅美嬢と落ち合って一路熱海。さすが夏休みで生意気にもこだまが満席だけどなんとかすわれて7時過ぎに到着。クルマで出たオーナー(の息子)夫妻も道路めちゃ混みで遅れたもののわれわれが着く寸前にたどりついていて無事合流。しかし買い物ゼロ状態なので夕食は蕎麦屋の出前ですませることに(;_;)
んでもってメインエベントの花火大会が開幕。いやあやっぱり夏は花火だよね。夏は会社という名の別荘でサマーライフを満喫する高橋誠氏@BNNは花火の最中に携帯に電話をかけてきて滂沱の涙を流しておりました。ま、人生いろいろだ。
イベント終了後、桃鉄に興じる人々を尻目にソファで2時間仮眠、むっくり起き出してさらに3時間仕事をして寝る。
【7月29日(土)】
昼過ぎに起きてマンション屋上プール。やっぱり夏は屋外プールだよね。どうも屋内プールってのはしみったれてていかんす。
2時間泳いでから、ひとり徒歩2分の距離の喫茶店Withにこもって働く。なんかこういうとこでちょこちょこ仕事するほうがピッチが上がる気がするな。リーダーズ英和辞典と原書のテキストデータがHDにぶちこんであるから、電源さえあればどこでも仕事ができるぞ。液晶バックライトだから真っ暗な環境でも安心さ。
きのうはあえなく店屋物に終わった夕食のカタキを打つ勢いで、近所の魚屋その他で大量の食糧を買い込み、野口夫人を筆頭に奥様方がセッティング。今回、大森は非常事態宣言中なので、ベランダにデッキチェアだして仕事。準備ができたところでひたすら食う食う食う食うってそんなに食ってどうすんだろね、まったく。イサキの塩焼きが一等賞。アサリもうまかったす。
こんなに食っちゃ仕事にならないよねってことで、「ほんとうの桃鉄を見せてやる」と宣言しもりりん番長(笑)となって参戦。ゆうべトップで天狗になっていた野口の鼻を叩き折る(笑)
熱海ではなぜかデフォルトで夜は桃鉄ってことになってて、数十年単位のゲームをするときは、最初にひとり頭5000ガバスとか出してプールして、最終資金に応じて分配する賭け桃鉄(笑)をやったりもするですが、なにしろ非常事態なので短期決戦で5年クリアし小江雅美を抑えて日本一社長になったところで仕事に復帰。
【7月30日(日)】
野口夫妻は実家で用があるとかで知らないうちに帰っていた。えらいことである。朝まで働いてたので2時ごろまでぐーぐー寝てからまたプール。風呂にはいって部屋をかたづけ――というか、奥さんたちが片づけた――熱海に来ると必ず寄ることになっているニュー富士屋ホテルのそばのマーブルケーキがおいしい喫茶店でティータイム。奥さんたちを放し飼いにして荷物番&仕事。近くのイタ飯屋(なんかピザの味が落ちた気がする)で晩飯食って、9時半の新幹線で帰る。
【7月31日(月)】
メディアフロントの原稿用に借りたマイクロソフトオフィスの辞典ROM3点セットをとりに、タカハシ氏がミストラルに来訪。ジャストシステムから届いたばかりのサイバーSFアンソロジー『シミュレーションズ』を暑中見舞いに贈呈。しかしこんなSFアンソロジーに2700円(だっけ?)なんて定価をつけて売れるんだろうか。
どうでもいいけどこの本には付き物関係の翻訳クレジットがついてなくて、ふつうに考えると代表訳者の浅倉さんが訳したみたいっすけど、あれは文責大森です。もっとも巻末のブックガイドは原書の書誌情報がまちがいだらけで相当直したけどまだ間違いが残っているかもしれなくて、これは責任は負いたくないのでSFおたくな人は編集部につっこんでね。
ジャストシステムはサイバーSF論の翻訳も進めてるんだそうで、原稿のプリントアウト(どう見ても文豪だなこりゃ)がどさっと送られてきて、解説と邦訳チェックおねがいしますといわれたけどどう見ても大森向きの本じゃないので中村融先生にでもお願いしてかわっていただく予定(とか書いてるとタイトル教えろと古沢嘉通からチェックが入るのは目に見えているのだった)。しかしSF出版社はコンピュータ系の出版社が支える時代になりつつあるような。
【8月1日(火)】
丸善でさがしてた本が見つからず高田馬場の芳林堂に行ったついでにマリンカ。関東海外SF研究会の例会として、大森が7年前に発作的にはじめたSF系の例会なんですが、本人は最近ぜんぜん行ってなくて、いつのまにかワセミスの濃い人たちの例会になりつつあったり(笑) と思ったけど、今日は大森英司@わせだも溝畑康史@出版藝術社も姿を見せず。そのかわり高橋良平氏にひさしぶりに会う。ハマナコンは里帰りのついでにちらっと顔を出すだけだそうです。
SFマガジンでバイトしてた木村くん@中央大はなんでも日販に就職が決まったそうで、本がちょっと安く買えてよかったね。
【8月2日(水)】
3時半、松竹第一試写室で若松孝二の「エンドレス・ワルツ」。稲葉真弓の原作は、阿部薫と鈴木いづみの愛と性(笑)を描いたノンフィクションノベルで、出たときは「ふうん」って感じだったけど、映画もわりと「ふうん」。
阿部薫の町田町蔵はともかく、鈴木いづみが広田玲央名とはねえ。おっぱいが大きいところは似てたかも。しかしまあわたしが鋤なのは鈴木いづみの私生活ではなく小説なので、「いつだってティータイム」からの引用とか「女と女の世の中」からの引用とかがナレーションでかぶるとつい感動してしまうのである。
突然降り出した豪雨の中を秋葉原へ。山岸真パソコン買物遠征@秋葉原(笑)なのである。引率は堺三保、監督は三村美衣、野次馬が小江雅美&さいとうよしこ。携帯とPHSで連絡をとりつつラオックス電子文具館で合流。Doomsday Book翻訳に使用する電子ブック版『聖書 新共同訳』を買って大森の買い物はおしまい。問題は山岸パソコンである。やっぱりFrontier神代のPentium133でしょ、といってたんだけど、堺先生の推薦は17インチモニタつき144000bpsモデム内蔵のP100/16M/1G/4xCD-ROM構成のDELL。しかしふつうに歩くだけでふつうの人より倍くらい体力を消費する――というか運搬重量が大きい――堺さんぽはすでに足が痛いとリタイア、古炉奈で休憩したあと、大森が引率を交替し、山岸、三村とソフマップをのぞくもろくに品物がないし高い。やっぱりTゾーンミナミの堺推薦DELLでいいんじゃないのとTゾーンにもどったらもう閉まっている(笑)そうか7時閉店とはねえといいつつ、しょうがないのでDOS/Vパラダイスに連れていく。をを、GATEWAYが安いぞ(笑) P133のゲイトウェイ、4倍速3連装CD-ROMドライブ内蔵、16メガ/1.6ギガで36万(だったっけ、おなじ構成でP120だと30万ちょい)、これだよこれと思ったら英語Windowsモデルしかなくて、さすがに大森もそこまでムタイな性格ではないので、P100のドスパラショップモデルでキメ。20万ちょいくらいっすか。28800モデムに17インチモニタつけてもDELLより3万くらい安あがりだ。
けっきょく山岸はカードだけ用意して現金を持ってなかったことが判明、予約(笑)だけになりましたが、まあ機種が決まってよかったよかったってことで、あとから合流した添野@JSBも混ぜて肉の万世。んでもって神田でカラオケ2時間ね(笑)
しかしきのうまでハードディスクなし(笑)の286マシン(だれかのお下がりの98)で松しか使ってなかったやつがいきなりぺんてぃあむ100でATOK+秀丸だもんなあ。白石朗なんかまだ486/66だぞ。やーいやーいと白石朗に電話したら、
「問題は、クロック周波数1ヘルツあたりの一日の翻訳生産バイト数だな」だって(笑)つまり、一日につくった2バイト文字テキストファイルの容量をクロック周波数で割った値が翻訳力なんだそうである。おれは50で割ればいいから楽勝だな(笑)
【8月8日(火)】
SFマガジンの原稿書いて、『ソリトンの悪魔』上巻を読む。いやあ昔のSFはいいねえって感じでどんどん読んでしまったけど下巻は月末か。このまま下巻が出ないほうがよかったりして。けっきょくSFは小松左京でいいのかもしれないが、これが『パラサイト・イヴ』みたいに売れちゃうとちょっと困る――ってべつに困らないか。
【8月12日(土)】
黒丸尚氏のひとり息子のあきらくんがお誕生日ってことで、誕生会に呼ばれて(笑)蒲田。美由紀さんもMacな人なので、WWWデモのため28800モデムを持参。しゃぶしゃぶを嵐のように食ってからセッティングして、ネットサーフ@蒲田。堺さんぽ情報で、NIFTY-ServeのFSFのRT常連のPAWこと坂口氏(もと東大SF研)のスターシップ・コンゴウページがオープンしたってことなので、ついでに見にいく。最近、家からだと日記しか読んでないからなあ(笑)
コンゴウページはスタトレのくせに(笑)えらいりっぱでびっくりだ。しかしいくらbackgroundをたくさん貼ってアニメーションにしても、どうせNetscape1.2では見えないにちがいない(笑) 1.1Nまでサポートされていた複数バックグラウンドの連続表示(ぱっぱっぱと背景の色が変わったりとかするやつ)はじつはバグだったというのがNetscapeの公式見解だという話がNIFTY-Serveのどこかに書いてあったという話だけどほんとなんでしょうかね。まあうちはMacだからまだ関係ないや。ってもうMac用の1.2も出てたりするんだろうか。
蒲田駅前のカラオケボックスでJOY2時間。「なにそれ」「GOING GOING HOME」「Man & Woman」にファンク・ピーナッツにmcA.T.とかそんなの。新曲強化期間なのでまだまともに覚えているものがほとんどない(笑) Vivid Colorsはちょっといいかも。マイリトルラバーズはむずかしいっすね。FunPほどじゃないけど。コンビニで食糧買い込んで草刈家にもどり、朝飲んだ鼻炎薬の影響で急激に眠くなりばったり寝る。
【8月13日(日)】
お昼に起きて、うだうだしている人々を尻目に駅前の喫茶店コパンで仕事。なかなかひなびたお店でいいっす。1時間ばかり働いたところへ小浜夫婦・草刈母子・さいとうがやってきて、駅ビルのぼてじゅうでごはん。あきらくんと別れて4人でJRに乗るも、まだ歌い足りないさいとうはいきなり京浜東北線内で「池袋でPrologue」プランを提出、電車の中から携帯で予約を試みている(笑)
大森は大会前にDoomsday Bookマラソン完走の使命があるためひとりで帰宅。あープロローグのサザン歌いまくりってやってないんだよなあ、ちぇ。
【8月14日(月)】
ミストラルが夏休みなもんで、ジョナサン→ビルディでDoomsday Book追い込み。幻想文学のインタビューをメールで送ってもらったやつを先週末からえんえんなおしてたんだけど、キリがないのでえいやっと適当にかたづけて送る。
夜、はまなこんの件で我孫子さんにTEL。まだ参加するかどうか思案中とか。我孫子さんはとうとう98用の通信アクセラレータボードとSUNTACの28800モデム買ってインターネットぶいぶいぶい状態なので、ホームページ建設の野望に燃えている。なんかWindows用のグラフィックツールがない――というかBMPファイルをGIFに落とせるモノがみつからないと相談されたけどうちのWindowsはCD-ROM閲覧用だからよくわからない(笑)
というので佐々木@NetWorksに電話したら、ペイントショップ・プロってのがいいんだそうです。最新は3.0で、検索キーPSPでfilefindすれば見つかるよんだそうです>我孫子さん。
【8月16日(水)】
午後6時、銀座線で外苑前。ヒューマンメディアネットワークに打ち合わせに呼ばれてたんだけど、駅に着いてみると豪雨。Jリーグあんどプロ野球を見に来た人々が駅構内にあふれて、神宮側の階段は大混雑。すぐには止みそうもないので傘を買って突撃。夏はタオルを持ってるから安心さ。
えーと、ヒューマンメディアっていうのはなんだっけ、SFの人にはラッカーの日本旅行記で主に有名な会社ですね(笑) 二回目の来日のお膳立てをしてくれたところで、有馬さん、小野打さん、毛利さんってところがラッカー日記の登場人物。あの日記にほんとはもっとひどいことが書いてあったのを翻訳でカットしたんじゃないか(笑)と心配してましたが、そんなことはありません。そういえばあの日記の最後に登場するしつこいインタビュアーというのは服部桂だったそうで大笑い。ほんとはおたくな注をいっぱい入れたかったんだけどなあ、時間がなくて残念なことではあった。
今日の用件のひとつっていうのは、そのラッカーの自伝的60年代グラフィティAll the Visionsを原作(?)にしたCDをアメリカン・バロックってバンドが出してて、ラッカーの自作朗読あんど演奏のコンサートツアーをやりたいと向こうからいってきてるんですけど……って話。しかしラッカーひとりならともかく、6人編成だかの生楽器バンドを呼ぶのはたいへんだろうなあ。
もう一個はヒューマンメディアがコンテンツ(笑)を担当する某大企業ホームページの立ち上げ企画でラッカーとなんかやれないかってサイバー系の話なんだけど、これもまあどうなるかは全然わかんないす。
あと一個はいきなり現実的な話で、東京国際美術館のPR誌のSYNCにコラムを書く話。テクノアート系のかたい雑誌なんだけど、水玉螢之丞さんにイラストおねがいしたいってことなので、実現の暁には思いきり浮くでしょう(笑)
【8月17日(木)】
8時半に起きておおあわてで支度して新幹線で姫路。89歳になる父方の祖母が亡くなって、今日はそのお葬式なのである。姫路駅で黒のネクタイを買ってタクシーで英保家の実家に滑り込みセーフ。着いてみると坊主が5人もいてびっくり。
そういえば出がけにNIFTY-Serveをのぞいたら弔電じゃない弔電子メールが高知の知り合いから届いてて仰天したんだけど、葬儀の席では高知から山のように弔電が読み上げられたところを見ると、けさの高知新聞の訃報欄に載っていたらしい。訃報欄のためだけに高知新聞をとっている人も多いという話は聞いていたが、ローカル紙の威力ってやつですか。
うちの祖母は明治生まれで大正・昭和・平成と生きて天寿をまっとうした計算なので、残された祖父のほうがさびしくなるとはいえ、とりあえず大往生ではある。驚いたのは出棺して焼き場に行ってもどってきてから。浄土真宗なんだけど、参列者全員が英保家の座敷に上がってみんなで勤行集を朗唱するんですね。ルビつきの漢語にイントネーション記号がついてるやつを読む。抑揚体系がけっこう複雑で侮れない。さらに文語訳聖書みたいな和語の翻訳が漢語の下についてて、この翻訳がじつに立派。かなり意訳してあるけど、それがさまになっている。思わず感心してしまいました。
骨上げに行ってもどってきて、こんどは親戚一同だけでまた上記の朗唱大会があり、それからお弁当で夕食。今夜のうちに高知に帰るという母親、東京に帰るという弟@JUNE編集部といっしょに抜け出して姫路駅。構内の喫茶店で着替えて、親兄弟と別れ、さいとうよしこといっしょに東今宿ライオンズマンションの今村徹・藤森美里邸へ。ふたりとも東北大SF研出身で現在は姫路の国立循環器センター勤務。夫婦で自転車に乗り出勤してゆく優雅なDINKS(笑)生活中だそーです。東北大SF研OB機関誌、糸納豆ExpressのOBマック情報コーナー(笑)に出ていなかったので一応書いておくと、今村家のマックはCentris660AVで、まもなくパワーPCアップグレード予定。しかしモデムもプリンタもつながってなくて、AV機能は一度も使用されたことがないそうである。嗚呼。
かつて「ファンジン界のSFマガジン」(笑)と恐れられた東北大SF研の機関誌Divergenceで鉄の支配体制を樹立した今村徹はしかし、その後いろいろあって主流派から追い落とされたらしく、このページによくメールをくれる東北大SF研OB主流派(?)からはどうも一線を画しているようなのだが部外者のわたしには何度話を聞いてもよくわからない。まあ事実関係のまちがいについては訂正メールをよろしく>そのへんのひと。
という話はともかく、今村藤森豪邸(80平米で2780万とかの言語同断な値段)にたどりくつと、フローリングの広々としたリビングルームでは未来少年コナンが(笑) 思わず二話分じっと見てしまい(MBSで現在再放送中のやつを録画したもの)、そのあと「魔法陣グルグル」まで見てしまう。「晴れてハレルヤ」をアニメつきで聞いたのははじめてだったりする(笑)
アニメタイム終了後は、ドクター・イマムラにDoomsday Bookの疑問点をしつこく質問。手土産も持たずにやってきて根掘り葉掘りたずねるとはいい度胸だねまったく。というわけでお世話になりましたm(..)m といっても今村家にはモデムがないのでこの日記が読まれることもないだろう。
【8月18日(金)】
今村・藤森夫妻を送りだし、さいとうよしこが起きるまで(笑)今村家のマンガを読みふける。チーム猫十字社のSFファンタジー系ストーリーマンガがけっこう気合い入ってておもしろい。あとは桑田乃梨子の新しいやつと『月下の棋士』7冊。来月からはリットーミュージックの新しい雑誌でコミックレビューの仕事が入っているので、ぼちぼちリハビリをしておかなければなあ。
さいとうが起きてきたところでグループSNEの佐脇洋平と翻訳家の細美遙子夫妻の家に電話。買ったばかりの神戸の豪邸マンションが例の地震で傾き全壊指定、一応まだ住める状態ではあるものの、改修工事がはじまったのと二人目の子どもができたのとで、7月から姫路の仮設住宅に入居したという被災者一家なのである。
佐脇のほうは京大SF研の2年後輩、細美のほうはこのホームページの看板をデザインした吉永和哉と同級で、高校二年のときから高知SF研究会ヴェーダというローカルSFファングループをいっしょにやってたという腐れ縁関係なわけですね。佐脇は被災者の身も顧みず(笑)DELLのデジタルハイノートウルトラ486/75を衝動買い、こないだ星群祭の帰りに大阪で会ったときに見せびらかされてたんだけど、なんとその翌日にぶっこわれてWindowsが立ち上がらなくなって現在はDOSマシンに落ちぶれているそうである。
姫路の仮設住宅は巨大な駐車場のような空間にずらずらずらとプレハブが建ち並ぶけっこう異様な光景なんだけど、交通の便がいまいちってこともあって、まだ3分の1くらいしか埋まっていない由。しかし2Kの間取りとはいえ、荷物はほとんど神戸に置いたままなのでわりと広くて仕事ははかどりそうな環境である。
細美は育児に忙しくて仕事をする時間がないよーと力説していたが、あれは嘘だと思うな(笑) 育児といえば、佐脇・細美家の長男は鷹野で、こんど生まれた長女は透湖。蛸井潔氏の糸納豆expressによると、東北大SF研OBの海野家の子どもの名前は、海野はるか、海野かなただそうですが(笑)佐脇鷹野・透湖の兄妹も濃さでは負けない。と思ったら、点子さんかだれかが作者にご注進したらしく、しっかり当の水樹和佳さんから「イティハーサ」の原画がプレゼントされていたのだった。どうもありがとうございましたと大森からも一言御礼申し上げます>ってことで水樹さんによろしくおつたえだくさい>大原様。
ちなみに大森望というペンネームは清原なつのさんのマンガ「私の保健室へおいで…」からとられた名前なんだけどこの事実はあまり知られていない(笑)
仮設住宅でピザの出前をとり、あまりの暑さに神戸に寄る予定を変更し、浜松に直行。アクトシティオークラに荷物を放り込み、シャワー浴びて休憩してから浜松探索に出発する。NIFTY-ServeのFSFハマナコン会議室ログから鰻屋ガイドだけ切り出してあったので(笑)地元住民おすすめの店をホテルの部屋についてた地図上でチェック、とりあえず下見にぶらぶら。静岡の町っていうと豊橋と熱海しか知らなかったんだけど、浜松は意外に都会でびっくり。東京大阪の中間ってロケーションのせいか、ブロック都市っぽいひらけかたですね。百万都市の姫路よりよっぽど洗練されてる感じ。といっても西武は撤退しちゃうそうだけど、まあそれでも駅前に45階建てのビルが建っててオークラが入ってるんだからりっぱなもんだ。
松菱百貨店地下で夜食を買い込み、商店街をぶらぶらしてると携帯が鳴る。小浜夫婦と牧眞司夫婦がいま浜松駅に着いたってことで、しばらく時間つぶして鰻の老舗(らしい)大黒屋で合流。大黒屋の鰻重はなんだか東京風で食べやすいけどいまいち感動はない。が同行者は満足の模様。キモ吸がうまかったのでびっくり。
高千穂遥氏(最近、有田芳生の顔マネを持ち芸にしている(笑)人間、開き直りが肝心だよね)によると、浜松=鰻というのは過去の話で、いまや浜松はスッポンなのだそうである。というわけで菅ちゃんは高千穂さんに連れられてスッポン食いにいったらしいけどうまかったすか?>武田さん。
ウナギのあとは謎の喫茶店、太陽でお茶。三村美衣がオーダーした、ナツメグ+オレンジ+生クリーム入りアイスコーヒーが超凄絶。大森のはミントとパイナップル入りだ。浜松ではこれがあたりまえなのか。謎だ。と盛り上がってるところへ水玉さんから着きました電話。合流を待って浜松の通信カラオケ状況を視察がてらBeMAX2時間。大森は「晴れてハレルヤ」とか「Vivid Colors」とか新曲強化中。
ホテルにもどって、「未知への飛行」(笑)を見つつ寝る。
【8月19日(土)】ハマナコン第一日
11時前にすべりこみでハマナコンにレジスト。のちに暗黒星雲賞を受賞することになるはがれやすいシール型参加賞(笑)はけっこういいアイデアだと思った。名札の管理とか、どうでもいいことにマンパワー割くのはばかばかしいもんなあ。最近のように参加者が高齢化してくると、潜り込み関係を警戒してレジストレーションに時間を費やすのは無駄だしさ。
オープニングは「ナイトヘッド」風の懐かしい特撮でけっこうよくできてる。初村良明主演映画ってのはなかなか貴重ですね。SF関係者をかたっぱしから出演させた自主映画を河崎実あたりに撮らせてオープニングつくってビデオを売るとかってプランはどうでしょう。しかし一字違いなだけあって、会場ビル主役ってつくりはハマコンに似てるかも。もっとも今回のオープニングはエンディング〜来年のコクラノミコン……とつながってるのがミソで、いい味出してました。
今年の大会は実行委員会企画がほとんど大ホール関連に集中、会議室は自主企画の嵐なので、どうもあまり見るものがない。まあ企画を見ないのは毎年のことで、だいたいロビーや喫茶店でだべってるのがメインなんだけど、今年は出る企画がないからなあ。ハマコンのときには4つも企画入れてたいへん疲れたので、これからはあんまり出ないようにしようと思ったもんだけど、一個も企画がないのは多少手持ち無沙汰かも。あ、合宿のアニカラにだけは呼ばれているのか(笑)
というわけで、いきなりお茶を飲みにいくのもなんなので、ディーラーズルームをひやかしにいく――んだけど遠いんだよなこれが。ほとんどコミケ会場のような広大なスペースにもかかわらず、ブースの数はあいかわらずすくない。でもぶらぶら歩いてたらだれかが「オウムのひみつ」という怪しい小冊子をくれてラッキー(笑) これは要するに王蟲とオウムをひっかけた瞬間芸ギャグを絵にしたもんですね。「オウムは子どもをだいじにするらしい」とか「オウムは風呂に入らないらしい」とか絵がついてるの。ヒマだったらQV10とりこみをしてみるでしょう。
会場に引き返し、ハマコンで一部SF関係者が激怒した(笑)「SFがつまらない理由教えます」パート2をのぞきにゆく。すでに古沢さんは爆発したあとだったらしくて残念(笑) ぼくが入ってったときには「ニューウェーヴはSFではなかった」「ニューウェーブはSFになんの影響もなかった」とかそんな話をしていて菊池誠が戦っている。そこに顔を出したのが伊藤典夫(笑)
「伊藤さん、ニューウェーヴ論争ですよ」といってひっぱりこむがさすがに議論にはならなかった模様。森下一仁、浅羽莢子、久美沙織、いするぎりょうこ、波多野鷹……などのお歴々が顔をそろえたミニファンタジーコンベンションは、半澤くんの企画。スペースとしては面白かったけど、内容的にはややからまわりか。レジュメもらってしばらく見物してから、ロビーで高橋良平、伊藤典夫、三村美衣その他をひっかけて駅前のトリコロールで昼飯。地元出身の伊藤さんに浜松についてのレクチャーを受ける。しかし18歳で浜松を捨てて上京した人だけにいうことが怪しい。
「最近の土産物はなにがいいかとか、弟に取材してあるんだ。○○屋のシラス干しとか、えーと、なんとかのなんとか」
まあそんなものである。
四時からはディーラーズルームで「出張なんでも鑑定団」。あたしゃ宮崎駿のサイン入り原画を出そうと思ってたんだけど、葬式のどさくさで持ってくるのをすっかり忘れていたので見物だけ。とりさんが持ってきた小松左京の単行本未収録のデビュー前マンガの原稿は100万だかの値がついたらしい。青心社の社長、青木治道氏はそのむかし200円で買った杉浦茂の単行本二冊を出して45万の鑑定。しかしぢつはこれは見せ本で、まんだらけの古川益三(鑑定人)に売りつけるための本はちゃんとべつに水木茂の稀覯本を用意してあり、収録後の商談できっちり売り飛ばしたらしい(笑) しかもそれさえサービス価格の取引きで、これを機会にまんだらけとコネをつくって厖大なコレクションで商売する深謀遠慮があるとかないとか。
鑑定団企画終了後、総勢十数名が駅前の地下のまるいところ(笑)で待ち合わせて、伊藤典夫引率で伊藤弟おすすめの鰻屋あつみにくりだすことに。しかしこの「まるいところ」の待ち合わせのおかげで、悲劇の古沢嘉通鰻食い損ね事件が出来するとは神ならぬ身には知る由もないことであった……。
って要するに古沢さんがべつの「まるいところ」でひとり待ちぼうけを食ってただけだんだけどさ。担当翻訳者に義理堅い嘉藤景子@早川書房はなんか来ない古沢さんを正しい「まるいところ」で待ちつづけてたらしいけど当然会えるはずもなく、古沢さんはけっきょく大野万紀氏をつきあわせてべつのメンツと遅い夕食をとった模様。
あつみの鰻については仲居クローン軍団伊藤典夫叱責事件とかまあさまざまな騒動があったんだけど鰻がうまかったからいいや。
鰻後、綾辻行人、水玉螢之丞、斎藤肇、さいとうよしこ、大森望の5名はタクシー2台に分乗、今大会で事前の評判がもっとも悪かった(笑)合宿企画のSF地獄宿はしもこんに乗り込むべく、浜名湖に向かって爆走。5000円使ってたどりついた浜名湖は花火も終わったあと、真っ暗でなにも見えない。湖畔の旅館、清風荘は100年前の地方コンの合宿に愛用されたんじゃないかってタイプの古い日本旅館でなかなか情緒がありましたが、企画で呼ばれてたマッハ軒は意外にもあんまり凶悪じゃなくて、参加者も3、40人。巨大プロジェクターにビデオ映像またはWindows画面を映してみんなで合唱するパターンで、綾辻氏は「紅三四郎」を熱唱。わたしは途中で抜け出して、牧眞司氏の「SFビブリオの部屋」でなごんでしまいました。唐沢俊一氏の死体ビデオの部屋はなんか1時間くらいいると自分が死体になりそうな暑さだったな。
マッハ軒のほうはなんか新しいアニメが中心で水玉さん以外はだれもついていけない(笑)という状況だったため、タクシーを呼んで早々に退散。このあと宅八郎が大森をさがしにクルマを飛ばしてくるというようなことがあったらしい(笑)
11時半にはオークラにもどって風呂あんど着替え。ひと息ついてから関西軍団が集結している部屋をのぞきにいく。ウナギを食い損ねた古沢嘉通さんにテラさん米村さん小笠原さん菊池さんやっしさん……てなメンツでいきなりベタベタの大阪弁ワールド。震災でアパートが全壊して死にかけた村上純平が古沢嘉通氏の指導のもとに持ってきたという日経流通新聞はカラー全面を使って白石朗インタビューが。この記事をみんなでまわし読みして思いきり盛り上がる。とくに女性記者によるインタビュー後記が傑作なんだけどここに書くとこわいからこのぐらいにしておこう。えーと8月7日付けかな。日経記事データベースでもたぶん全文を落とせるんじゃないかと思うがよくわからない。おそらく古沢嘉通の指導のもとこの記事のコピーはTHATTA次号の表4に紹介されると思われるので関係者の人はお楽しみに(^-^)
……と大阪の空気に浸っていたのもつかのま、さいとうに呼びもどされ、綾辻水玉両氏と4人でふたたび夜の浜松繁華街に出撃し、ウナギ帰り軍団が去ったあとのカラオケボックスOPAで2時間。大会の夜は更けていくのだった……。
【8月20日(日)】ハマナコン第二日
11時に起きて12時ぎりぎりでチェックアウト。クロークに荷物をあずけて大会会場へ。今日も企画なし。柴野コレクション大放出部屋の入札リミットで大混雑の部屋からテキトーに朝飯食ってない人間をピックアップして昼飯。日曜のお昼時で地下のレストラン街は大混雑。けっきょくホテルにもどって31階の和食レストランで浜松入りして3度めのウナギ。1500円の鰻重だったけどこれがけっこううまい。要するに浜松の鰻の値段は単純に鰻の量に比例するようである。
食事のあとは会場にもどり、ロビーで休憩。神林長平氏からいきなりMacの話を振られて驚く。がよく聞いてみると神林さんはApple Scriptがんがん書いて「ファインダが制御できるのは便利だよね」のパワーユーザ状態らしい。どーせあたしはQuick Keysですよ。というわけでMac雑誌の人は神林長平をチェックだ! しかもメインで使用してるワープロはフラッシュライターだそうです。ううむ渋い。この分では神林ホームページ登場も近いな。
Macといえばエスカレーターに乗ってるときにいきなり主婦の人から、「うちも大森さんとおなじ時期に475を買ったので、拡張とか参考にさせていただいてるんですぅ」
とかいわれて冷や汗(笑) 非専門誌にコンピュータの話を書いてコンピュータにくわしいと思われるのは心外である、といっておこう(笑)
うだうだしてるうちにエンディングの時間になったので、綾辻、さいとうと二階席に陣取り見物。マスカレードの凋落は目をおおうばかりで、15年前のあの活気はどこへ行ってしまったんでしょうね。あんな使いまわしのコスチュームの人たちに光瀬杯やっちゃいかんす。といきなり怒ってもしょうがないけどさ(笑) 会場の圧倒的なウケかたではやはり沖縄ツーリスト(笑)の圧勝だったけどこれは外部審査員の人にはなんだかさっぱりわからないから評価しようがないわけで、暗黒星雲賞受賞は順当だったかもしれない。
それにしてもRYUCON参加者がそんなにたくさんいたとは思えないのに思いきりウケてたのは、沖縄ツーリストの話がそれだけ口コミで広がってたってことでしょうかね。綾辻さんは「なになにどういうこと?」と熱心にたずねていましたが、考えてみれば実在の特定団体を誹謗中傷するコスプレはたぶん史上初だから、歴史的価値はあったかも(笑)
もっとも沖縄ツーリストのコスプレ者の暗黒星雲賞受賞あいさつが、実在の沖縄ツーリストの人の去年の暗黒星雲賞受賞スピーチをそのまま再現したものだった……というようなディープなネタ(笑)についてはやはり司会者の解説がほしかったすね。
星雲賞では「ナウシカ」「ゼイラム2」につづいてアート部門を受賞(二度目)した水玉さんのスピーチがバカ受け。さすが、おたくいじりには天才的手腕を発揮する水玉螢之丞であった。
さて、全プログラム終了後、知り合いをさがして一階ロビーを歩いていたら、すれちがいざまいきなり、
「あ、大森さんですよね」の声。「きっといるだろうと思ってさがしてたんですけど、やっと会えてよかった。どうもはじめまして」
ってことで宅八郎氏と第三種接近遭遇。じつはきのうプログラム見て、「へー宅八郎がゲストで来るんだ。挨拶しとこうかな」と口にしたところ、けっして挨拶してはならないと同居人に厳命されていた(笑)のだが、挨拶されてしまったものはしかたがない。
だいたい大森は、すくなくとも対・小林よしのりバトルにおいては、思想的にはあくまで宅八郎支持の立場なのである(対・田中康夫バトルでは田中康夫支持だったけど)。それにしても同居人はじめ周囲の女性陣の宅八郎評価が圧倒的に低いのはどういうわけか――ってどういうわけかはわかるけどさ(笑)
大森がなぜ宅八郎に呼び止められる身分になったかは長い物語があるのだが(うそ)、要するに宅八郎デビュー当初から宝島誌上で宅八郎ウォッチングをつづけていて、それをご当人がまめにチェックしてたってことですね。なにしろ業界恐怖新聞に名前が載ったこともあるってくらいでどうだまいったか(笑)
なぜSF大会に宅八郎が出席したかっていうのはもっと長い物語で、『いかす!おたく天国』の年譜をマメにチェックしたSFおたくならご存じのとおり、宅八郎は中学時代から東海SFの会に出入りしていた元SF者なのである。ダイコンIIIあたりまではSF大会にも来てたみたいで、まあ故郷に錦を飾るってやつですか。
で、どんな話をしたかというとめちゃくちゃ古い東海ファンダムの話とか、
「いやあ部屋借りるのがたいへんなんですよ。宅八郎だとわかったとたん門前払いで。もうオウム真理教といっしょですね」(笑)とか。
もちろん小林問題の裏話も聞いたけどさしさわりがあるのでカット。
「へえそうですか、浜松出身ですか。あ、ここにも浜松出身のSFのえらい人がいますから紹介します」
といって伊藤典夫先生に紹介し、宅八郎・伊藤典夫の謎のツーショット(笑)をおさえたのが収穫かな。おふたりはローカルな話題で微妙に盛り上がっていた模様。そばにいた綾辻さんにも無理やり紹介したけどこれはちょっとはずしたかも。
なお大森が宅八郎とロビーで話しつづけているのに業を煮やしたさいとうよしこは携帯に電話して妨害するという非常手段(笑)に出たがなぜか携帯不通で不発。なんか心あるSF関係者は遠巻きにしていたらしい(笑) 大森英司がいれば反・小林よしのり派の若手(笑)として紹介したのに。
そうこうするうちにロビーうだうだ組が動きはじめたので、ではではまたってことで宅さんと別れて駅ビルの上のビアホールで夕食。関西方面組と東京方面組に分かれて新幹線に散る。東京組は三村美衣・小浜徹也(横浜でもう一泊してあしたは八景島だってさ)と高橋良平、水玉螢之丞に大森さいとう。車内ではとつぜん水玉螢之丞のSFミステリ関係者お絵かきタイムがスタート。阿部編集長の似顔絵は激似なのでそのうちどこかで発表されるでしょう。古沢嘉通似顔絵はどうも唐沢俊一に似てしまう欠点が(笑) 綾辻さんの絵はかわいすぎかも。
などと騒いでいるうちにとなりの車輌で爆睡していた難波弘之氏が登場。楽器の街、浜松についてのレクチャーをひとくさり。小浜夫妻が横浜で降りたあと、難波さんが腹が減ったってことで、じゃあ東京駅地下のアメリカンポテトあたりで軽く食べて……と思ったら日曜日ですでに閉店。んじゃステーションホテルね……とえんえん歩いて丸の内南口に出るも、こちらも閉店。げーっ、こんなに歩いたのにどっこも開いてないなんて。このままじゃすまないぜってことでふたたび駅にもどって山手線で有楽町(笑) 駅前の中華料理屋にとびこんで飯。水玉さんのお兄さんの軍事評論家・岡部いさく氏が学習院で難波さんと同級とかで、おなじ同級の黛りんたろうの話になり、さらに難波さんがご母堂の遺品を整理してたら黛敏郎からの手紙が出てきたという意外なエピソードが。
「その手紙っていうのが、『お探しの楽譜は銀座の○○にあります。この曲はそもそもイタリアの××が○○年に作曲したもので……』みたいな文面で」
「おお、やはりおたくの血が(笑)」
【8月21日(月)】
(前略)
久々に更新された大森英司日記を見ていて、乱学講座の三村美衣の回のことをすっかり忘れていたのを思い出す。SFマガジンで見て、行くつもりにしてたんだけどなあ。大森英司はやはりハマナコンをパスしてコミケの人になっていた模様。わたしは京極夏彦本と十二国本がほしかったのにばたばたしてたおかげでだれにも頼めなかった(;_;) だれか京極本状況を把握してる人がいたらメール下さい。余ってるカタログをくれる人も募集中(笑)
ついでにADDNETにはいって留守中のログを落とし、落ち際にwhoしてみたら水玉さんが(笑) 午前4時をまわっているのにこの人たちって……と思いながら、ついふらふらとほとんど1年ぶりくらいにADDのチャットルームに入る。
[ミズタマ:キュー] あ 阿部さんの似顔絵清書(笑)したんすけど(笑)>nzm
[nzm] ください(笑)
というような会話が主に交わされる。tokoyaさんともひさしぶりだなそういえば。30分くらいで落ちたけど、落ち際にはHiromikkuが入ってくるし、まったくやくざなBBSである。
ところでいままでの話とはまったくなんの関係もないが、hanakoの今週号では、ネビル・シュート『渚にて』の原書がスーパーはぼきで掃除されている写真を見ることができるのでSFの人は要チェックだ。FOCUSの話はどうせだれか書いてるだろう(笑)
【8月22日(火)】
先週から何度か電話をくれてたテレビタロウの人につかまり、「タイムコップ」がらみでタイムトラベル原稿を受注。そんでもって井垣真理さん@東京創元社の紹介だという人からも電話があり、なんだか翻訳入門書の取材を受けることに。しかし明日は「カナカナ」の試写(パノラマ歓喜団の仁村さんの奥さんの県乃梨子さん主演のやつ)に行こうと思ってたのになあ。
発売一週間以上前にもらってさんざん他人に自慢したまま聴いていなかった大槻ケンヂの二枚目をやっと聴く。「天使たちのシーン」は爆笑。チープトックリの演奏も聞けるし浅川マキが参加してるし、このアルバムはけっこうお得かも。しかしクスリのおかげだかなんだか、すっかり明るくなってしまったのが悲しい。おにぎり持って梨もぎに行くんじゃモダチョキだってば。
明和書店で北村薫の『スキップ』をようやく買って2時間で読了。NIFTY-Serve某所に白石大兄が書いてるとおりで、SFとしてはけっこうずるい。まあでも学校の先生が記憶喪失になった話だと思えば腹は立たない。が設定は全然生きてないよな。「生まれてはじめて宴会というものに出た」(だっけ?)のあとを書くのがSFでしょ。ってちがうか。あと、言葉遣いでやや無神経と思われる箇所が二、三ありました。
しかし考えてみると17歳のおれが現在のおれにスキップしたとして、はたして翻訳者はつとまるか。うーん、意外につとまるかも。うまくなったと誉められたりして(笑)
(後略)
【8月28日(月)】
ペントハウスとEYE-COMの書評原稿を送ってエグザス。プールサイドでスニーカーの原稿を二本かたづけ、東野圭吾の未読消化。そのまま30分くらい寝てしまうが、嘉藤景子@早川書房の電話で起きる。つづいて佐々木千之@NetWorksからもTEL。Hot Listの取材は明日、スパイラルに行くことになったらしい。
日が傾いてきたので家に帰り、寝室でスニーカーの原稿読み。デジタルボーイの小崎氏より電話。一度編集部に来てほしいってことなので木曜日に行くことになる。毎コミは丈橋の毎日新聞本社ビルの2階だそうです。ってメモとるなよ。
高橋誠@メディアフロントと電話しているあいだに堺さんぽがさいとう宛のアニカラデータ入りFDを持ってやってくる。んでこのあと堺さんぽは高橋誠のところに打ち合わせに行く予定らしい。
「5時の約束なんですがね(笑)」と高橋氏。時刻はすでに5時である。
「あ、すんまへん、前の打ち合わせが押したもんですから。いま行きますいうといてください」と堺さんぽ氏。
「あ、いま大橋が柳下さんと電話してます(笑)」と高橋氏。
なんだかわけがわからない。
堺三保氏は今月から「さんぽ」と呼ばれているのだが、最近ではおすまん・さんぽの呼称まで定着しつつあるようである。
NIFTY-Serve某所では白石朗氏が「古沢嘉通の指導により」に反応するついでに、『聖騎士スパーホーク』(デイヴィッド・エディングス/宇佐川晶子訳)の我孫子武丸解説にも反応している。よく考えてみるとこれはハヤカワ文庫史上初のurl掲載解説かもしれない(笑) ぱちぱちぱち。
そういえばPENTHOUSE9月号のコラムページをぱらぱら見てたら、なんと大森を含めて四人のライターがインターネットに言及している。藤脇邦夫氏はなぜかとつぜん『ネットトラヴェラーズ95』を書評しているし、鹿野司氏は、
「インターネットを始めると、まずやりたくなっちゃうのが、H情報の収集だろう。なにしろネットには国境なんてないのだから、全世界のサーバーをうろつきまわって、無修正のミもケもあるH画像やムービーを、いくらでも取ってこられる。こりゃあ、やめられまへんわ。うひょひょひょひょ。」
とか書いているので茫然とするしかない。いやまあWフェラ画像をしばらくスタートアップスクリーンに使っていた人間に茫然とする権利はないんだけどさ(笑)
【8月31日(木)】
3時、竹橋・毎日コミュニケーションズのデジタルボーイ編集部。例のWeb Jockeyの話とはべつに、映画特集がらみで編集長の森清氏に呼ばれて雑談1時間半。今年は映画ライターとしてはほとんど開店休業状態なので、ろくな話ができない。
まあしかし天眼大介(って新潮社で大森の一年後輩なのである)がテックWin付録CD-ROMに映画を連載(?)する時代だもんなあ。SFXならやっぱり高橋良平先生が……とか、最近のSFドラマならおすまんさんぽ氏が……とかひたすら他人を紹介して逃げ腰(笑) 長くてしんどい原稿はもう気力がなかったり。
高島屋ローズサロンのラウンジで晩飯食ってから家に帰ると立花真奈美さんから、
「ねえねえ朝日の夕刊見た?」の電話。
「まだ見てないけど、どしたの?」
「ジョン・ブラナーが死んだんだよ、ワールドコンの最中に」
「えっなにそれちょっと待ってね」
と新聞を開くと、共同電で、「世界SF会議の席上で死去」とか書いてある。がーん。25日に死んだっていうのに今日まで知らなかったとは不覚。あわててワールドコンのページを見にいくがなにも書いてないみたいなので、rec.arts.sf関連のニューズグループをチェック。チャールズ・プラットが、
「しかしブラナーは、本人もインターゾーンのインタビューで語るとおり、SF作家としては過去の人であり、じっさい彼の作品をじっさいに読んだことがある読者がどれだけいるだろうか」
とか冷静なコメントを書いて、なんかいちゃもんつけられて釈明したりしているのであった。発言を遡ってみたけど、くわしい死亡時の状況についての報告は発見できず。ううむ。まああちこちに書いておいたからいまごろはだれかが発掘してくれているだろう。
それで思い出したけど、NIFTY-Serveのほうにチャールズ・プラットからメール。なんか日本人の彼女のホームタウン(思いきり北のほうらしい)に年末年始にかけて遊びにいくとかで、日本に3週間ばかり滞在するから東京で会えないかメール。迎撃宴会やるですよ返事を書いておく。あ、早川書房にもたぶん連れていくのでよろしくね>阿部さん。
Gamewalkerの原稿はやっぱりVBだけじゃ一般性からいってちょっと……(笑)ってことなので、PS「フィロソマ」のつづき。PHASE2を抜けてからはさくさくで、コンティニューしまくり爆弾使いまくりながら二時間でエンディングに到達。ああしかしこのシナリオはすげー。びっくりー。SF者はやるしかないでしょ。シド・ミードぱくりまくりのグラフィックがヌルいシューティングにみごとにマッチ、これはもう史上最強のSFゲーかも。「デイドラス」なんかあっち行けって感じのゲームだな。シューティングだと思うと腹は立つが、わたしはもう34歳なのでいくらヌルくても腹は立たないのである。シューティングのシナリオなんてとバカにしてたけど、これはじつは30分のムービーの合間にちょこちょこシューティングがあるというソフトなんですね。あーなんかとっても好きな気がどんどんしてきたのでこの日記をputしたらもう一回やろうっと。
というわけで、http://www.st.rim.or.jp/~ohmori/で更新する日記はこれが最後。このページをリムで読んでる人は、次回からはhttp://www.sdw.com/m/ltokyo/ohmori/でお楽しみください。
【9月4日(月)】
6時、表参道のポプリ屋さん(かどうかよく知らない)で久美沙織さん、桜井京子さん@新潮文庫編集部と待ち合わせて、西麻布のタイ料理屋Rice Terrace。新潮文庫ソーントーンサイクルの完結編『青狼王のくちづけ』の打ち上げ。これは日本の異世界ファンタシー史に残る傑作なのでぜひ買うように。という話は前に書いたか。加藤・後藤両氏のカバーも美しいっす。
なんか痩せてるくせに久美さんも桜井も食う食う飲む。ひさしぶりに本気で苦しくなるくらい食べてから三人で飯田橋のカーニバル2に移動、X2000と第一興商のLDで4時間。久美さんはレコード出したこともあるくらいの人なので超うまいっす。レベッカなんか歌わせると絶品。しかしピンクレディのフリはぜんぶおぼえてたり。あとやっぱり山本リンダメドレーかな。大森は郷ひろみ近藤雅彦SMAP田原俊彦その他。桜井京子はスピッツ、My Little Lovers、広瀬香美……とふつうのOLのような選曲(笑) しかしさすがに三人だと曲のまわりが超はやいので声ががらがらだぜ。
【9月5日(火)】
月曜日の日記はモロトミ氏にさんざん催促されて書きかけのままFTPしてしまったのでいろいろと書き忘れていたのである。
いちばんびっくりしたのは久美さんがコロンビアのアニメ主題歌メモリアル通販のみCD10枚セットをすでに購入していたという話で、ぢつはこのCDセットはうちにもあるんですね。「キックのあけぼの」とか聞きながら仕事してるとなかなか(笑) しかし久美さんはアニソンおたくだから買ったというより通販おたくだから買ったという気配。とうとう藤臣柊子さんといっしょに徳間から通販本出すそうで――ってうちにもその原稿を書けという依頼が来ていたような。それでとっくに締切過ぎてるような。まあ必要だったら連絡があるだろう、うん(笑)
【9月6日(水)】
5時ミストラル、早川書房編集二課の嘉藤景子嬢が『ドゥームズデイ・ブック』のゲラを持ってきてくれる。B4で600ページの見るだけで死にそうなゲラ。そんでもって嘉藤さんは、山田順子さん若竹七海さんと15日からイギリス旅行なんだってさ。でもオックスフォードを取材してきてくれるというから許す。しかし若竹さんはそんなに女三人旅が好きなのかっ。新婚の旦那はどうするんだっ。リーディング探偵が出てくる若竹さんの新刊『製造迷夢』はけっこう面白いっす、そういえば。
【9月8日(金)】
朝9時に本の雑誌の原稿を送る。ここは活版なので(笑)ORGAIで15字3段組みにしたやつをファックスモデム送稿なんですね。ORGAIはルビもつけられるのでけっこういいけどなぜ傍点がない。SFマガジンの原稿は途中で挫折。なんかあと2回終わるからぼちぼちまとめ〜とか思うと筆が止まる。
のであきらめて寝る。と思ったらがんがん電話がかかってくる。さいとうは従姉妹の結婚式で出かけてしまったので、電話線をひっこぬく。午後8時ごろ起きたけど、折原一をぱらぱら読みながらまた寝てしまう。起きたら夜中の12時半だぜフフ。
SFマガジンの原稿用のネタに、最近5年間(90年〜94年)の早川/創元のSF文庫翻訳状況を調査することにする。91年からはSFMの3月号に年間回顧がついてるんで、5年分の3月号を持ってファミレスにこもり、手作業で翻訳者別集計。途中まではデータがハードディスクにあるような気もするが、どうせ年間30点分くらいをチェックするだけなので、雑誌と鉛筆のほうがはやい。
5年間合計でSF文庫における大森望の翻訳は10点(森のぞみ、亀井甲介名義含む)。けっこうやってるじゃんと思ったら一年分まるまる落としていることがあとで判明、けっきょく14冊もやっているのだった。二番めに多いのが古沢嘉通と内田昌之で各7点。分母は、(短篇集と再刊のぞいて)135冊なので、おれひとりで1割なのかー。とちょっと自分で感心する。最近5年間の文庫SF市場では日本一のSF翻訳者である(いばりっ)。まあミステリもホラーもやってないからなあ。あと薄い本ばかりやっているので点数で計算すると有利かも。ページ数合計だと古沢さんとあんまりかわらなかったりして(笑)
だいいちおれはいまだに上下巻の訳書がない。Worthing Sagaは2冊本だけどべつべつの本になっちゃったし、Doomsday Bookは1700枚超なのに1冊本(;_;) いまどき20何冊……あ、ちょっと数えてみよう……と思ったがすぐにはわからない(笑) 29冊かな。とにかくそのくらい訳書があって上下巻ゼロという人は珍しいと思う。
と思ったけど黒丸さんも上下巻がなかったんじゃないかな。黒丸さんもぶあつい本が嫌いな人ではあった。
【9月13日(水)】
ドゥームズデイ・ブック初校もどし――のはずだが残った調べものの解決が江東区南砂図書館では間に合わず、急遽、広尾・有栖川公園の都立中央図書館へ。さすがにひととおりの資料は開架でそろっていて便利。シャドーは近所だし広尾はいいよなあ。ラテン語関係の引用句辞典と羅和辞典をひっくりかえし、チョーサーの引用句辞典を引き、聖書関連書籍の山を積み上げて調査5時間。
午後7時、タクシーで表参道に出て銀座線で神田多町の早川書房。校閲の疑問を解決しつつ、阿部編集長とインターネットな雑談。ちょっとだけよと水玉画伯の超クリソツな爆笑似顔絵を見せたらそのまま拉致されてスキャンされてしまったのでいまごろはもう貼りつけられているかもしれない。鼻の穴がポイントです(笑)
家に帰ると我孫子さんからヘルプコール。我孫子さんもリトル東京に参加してsdw.comのひとになったんだけどftp先のディレクトリがよくわからないーとかそーゆー話。WWW上の見かけのディレクトリとじっさいのディレクトリはちがってたりして非unix者にはけっこう謎なのである。
【9月14日(木)】
午前2時に寝たのになぜか午前6時に目が覚めてしまう。しょうがないのでビルディでMACLIFEのゲームレビュー原稿と、きのう積み残したドゥームズデイ・ブックのゲラの残り50ページ。家に帰ってゲーム画面キャプチャのために「オラクルの宝石」を立ち上げたらメニュー未定義とかなんとかゆわれてパズルがeasy modeになってしまうのはなぜ。
4時、早川書房編集部によってゲラの残りをわたし、それから中央線で新宿へ一本――と思ったら人身事故で不通。秋葉に出て総武線に乗り換える。10分遅れで新宿ルミネはABC前の喫茶店で中村宏美氏@アスキーと怪しい企画その2の打ち合わせ。
【11月2日(木)】
午前10時に起きてNetWorks「今月のHot List」の原稿。今回は家庭用通信カラオケシステムの話なので楽勝。X-55は関連資料があるし、マスターネットとローランド・ネットワークサービスと日テレパソカラ(情報提供:日経流通新聞(笑))の文字資料はゆうべ編集部の佐々木くんからfaxされてきたので、それもってミストラル行って一時間で書いてNIFTY-Serveで送ってからあわてて京都行きの荷造り。
新幹線の中では藤田雅矢の今年度日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作『糞袋』のいゲラを読む。ディテールは面白いんだけど長編としては構成的にやや弱いっすね。優秀賞は妥当なところかも。
なんでこんなものを車中で読んでるかというと、明日の京都SFフェスティバル朝イチの企画が京大SF研初の作家・藤田雅矢と、ファンタジーノベル大賞の先輩・北野勇作の対談で、その司会をすることになってるわけですね。京都SFフェスティバル、略称京フェスはおれが大学四年のときに突発的にはじめたイベントなんだけど、なぜかいまだにつづいていて、えーと今年でもう14回めですか。今回はNIFTY-Serve推理小説フォーラムの統一オフ(名古屋で開催)とぶつかっちゃったもんで(ガタコンともぶつかってる)、綾辻氏とはすれちがい。今夜は河原町で三村美衣と落ち合ってから一乗寺の我孫子武丸邸に行って、それから御蔭通りの和食屋・山里で夕食って段取りで、そのあとはたぶんカラオケ。法月さんも合流する予定だけど小説トリッパーの原稿はまだ5枚らしい(笑)という話は内緒かも。
というわけで、夜に備えて、昨日まとめてどさっと借りてダビングしたシングルCDのテープを車中で聴く。TOKIOの「Ticket to Love」が笑えるです。イエローモンキーの「太陽が燃えている」もそうだけど、最近この手のGSっぽいのがはやりなんだろうか。コーネリアス待望のニューアルバムも持ってきたけどどうせこんなのいま聞いても無駄だ(笑) しかしもろコンセプトアルバムになっててカラオケには入りにくいような気がする。
京都着は午後5時30分。先乗りして烏丸京都ホテルにチェックインしている三村美衣と四条河原町阪急前で落ち合って、一乗寺の我孫子邸。大学時代にしょっちゅうマンガを買いにきていた中規模書店の恵文社が大改装していて仰天。小説トリッパーに載ってた写真見てなんか感じが違うとは思ってたけどなあ。
我孫子さんちで一服してから、奥さんの千織さんも含めて五人で山里。仕事中&風邪中の法月さんと仕事帰りの小浜徹也が合流して、総勢7人で懐石。といっても安い。学生のときはこの店のすぐ先に下宿してたんだけど、中で食べるというような発想はまったくなかったのだ。小浜徹也は「いつか金持ちになったらここで食ってやる」と心に誓ってたんだそうで、見かけによらず向上心のある男である。我孫子さんの話では下鴨茶寮のカジュアル版系列店なんだそうで、いざ入ってみるとまあお値段並みの和食屋。までも懐石自体はけっこうお値打ちかな。
仕事中の法月さんは、食事のあと真面目に帰宅、残る六人はかつて京大SF研の例会場だった喫茶店らんぶるがあった場所にできたカラオケボックスビルJでX2000&Prologue4時間。千織さんがめずらしく全開。我孫子さんは数カ月来探し求めてきたウルフルズとついに遭遇、スットバスともう一曲を熱唱――って話は我孫子日記に発表されていることであろう。わたしは念願の「白雪姫の毒リンゴ」がやっと歌えたので満足。
2時半くらいに切り上げて我孫子さんちにもどり、4時過ぎに寝る。
【11月3日(金)】
9時半に起きて、10時過ぎ、京都教育文化センター着。北野勇作氏がいちはやく来ている。菅浩江嬢もおはやいお着き。あと合宿で朝イチ企画なんてほとんど人がいないんじゃないかと思ったけど、意外に客の出足がはやく、11時には7割がた席が埋まり、無事開会。
藤田雅也+北野勇作対談はなぜか「ファンタジーノベル大賞受賞の秘密」というお得なタイトル(笑)がついている。肝心の受賞作「糞袋」が出てない状況ではどうかなあという心配は杞憂に終わり、持ち時間の一時間弱はまずまずの盛り上がりで終了。
ロビーでうだうだしてるうちにみんないなくなってしまったので、北野勇作、小野不由美、小浜徹也と四人で昼食@教育文化センター一階のレストラン。
午後イチの企画は橋本淳一郎氏の「人工意識は可能か」とかそういうタイトルの講演。ベイリーのロボット二部作のからみで、個人的守備範囲のはしっこのほうにあるテーマなので、めずらしく真面目に聞く。『皇帝の新しい心』を30ページくらい読んだだけで投げ出してある人間にとってはなかなか有意義。しかし話が佳境に入る前に終わってしまった観もあり、やや物足りない。司会でついた森太郎は芸風に磨きがかかっている(笑)
「復刊フェアを考える」とかなんとかっていう(プログラムブックが手もとにないのですみません)小浜徹也@東京創元社vs河野佐知@早川書房編集二課の対談(渡辺英樹司会)は話題が近すぎるので面白いかどうかはよくわからない。しかし出版事情に全然くわしくない人には復刻と復刊のちがいを最初に説明しておかないとぴんと来ないんじゃないですかね。解説目録とか注文書に入れて通常管理にまわる復刊と、増刷分売り切り限定管理復刊の違いとか。このへんはけっこうケースバイケースなのでおれもよくわかんない。合宿企画にまわしてがんがん質問受け付けたほうがよかった気もする。
ラストは水玉螢之丞vs小野不由美対談……のはずだったんだけど開始時刻になっても水玉さんが来ない。司会を押しつけられた堺三保の危機管理能力が問われる(笑)企画になってしまったわけですが、健闘はしたものの修行不足を露呈。もっともわが身を犠牲にして自虐ネタでウケをとりにゆく姿勢には見習うべきものがあろう。小野さんはおたくいじりに燃えるタイプではないのでがんがんつっこむしかないんだけどつっこみかたがむずかしい司会者泣かせキャラかも。水玉さんは40分押しで登場、「さすが星雲賞二回受賞のひとは重役出勤ですね」とかそういうツッコミは堺の場合にはないのだった。しかしただのSFおたく系の人には難解度の高いパネルだったかも(笑)
てなところでめずらしくずっと会場で企画を見た京フェス昼間企画はおしまい。とりあえず合宿所のさわや本店に荷物を置いて、近くの怪しいレストランで夕食。小野、菅、水玉その他とからふね屋でお茶して7時から合宿企画。
我孫子日記既報の通り、現役学生仕切りのクイズ大会は、北野氏の活躍で異様な盛り上がり。ジェスチャークイズはすごかったす。大広間の一時間企画としてはなかなかの充実ぶりで、京大SF研もやるじゃんって感じ。しかし小浜徹也に優勝させてはいかんよ(笑)
WORKBOOKが低迷している分、イベントはノウハウが蓄積されて、安心して参加できる京フェスになりつつあるような。あとは分科会企画にもうちょいテコ入れすれば万全かな。
クイズ終了後、水玉、我孫子、北野、さいとう、水鏡子、菊池夫妻など総勢13名が百万遍のボックスに流れる。合宿所に残った大森は若者主催のファンタジー部屋と志村部屋を覗き、疲れたから寝ようかと思ったけどさすがにまだ早すぎるよねってことでタクシーで百万遍行ってカラオケに合流。13人収容の大ボックスはアニカラ部屋と化している(笑) 水玉女王のご尊歌をはじめて拝聴した人々は喜んでいたらしい。よく考えれば水玉螢之丞初の京都公演か(笑) 菊池妻もけっこう飛ばしてましたね。
大森はひと足はやく出て、となりの中華料理屋の百万石で飯を食ってた寺さん、米村秀雄、宮前義彦、三村美衣と合流。我孫子さんと違って学生時代はそこそこ百万石を利用していたおれだが、しかしラーメンの味は昔とは一変しているような気がする。こんな天下一品系のラーメンじゃなかったぞ、たしか。もっとも昔はここでは定食ばっかり食べていたような気もする。
宿にもどって大広間でうだうだしてからさあ寝ようと思ったら確保していたはずの部屋の、よそから持ってきて敷いておいた布団の上に見知らぬやつが寝ているではないか。怒。しょうがないから京フェス確保部分以外の部屋を探索し、アコーディオンカーテンで仕切られた向こうのエリアから鍵のかかっていない部屋を見つけ出し、勝手に布団しいて寝る。
【11月4日(土)】
8時起床。大広間にもどると徹夜組の人々がどろどろしている。我孫子武丸は最強のどろどろぶりでウイスキーをがんがん飲んだあげくばったり倒れて大広間の真ん中で死んでいる。その上をがんがんまたいでゆく学生の人々。かまいたち長者の末路である。
そろそろ動くという段になっても起きる気配がなく、足をくすぐって起こすと寝ぼけた顔で起き上がりしばらくにこにこしているがまた寝てしまう(笑) 日記によるとこのあと家に帰って奥さんに怒られたそうですがそれも無理はない。しかし日記はちゃんと更新しているからえらいのである。
例によって十数人でぞろぞろからふね屋にはいり関西の人々とうだうだ。そのあとなぜか突発的に鍵善で葛切りを食うという話が盛り上がり、タクシー3台で祇園。さすがに午前中ってことで空いていて、十人で入ったら奥の座敷にそっくり案内されてラッキー。睡眠不足の体に黒蜜がしみわたりしみじみとうまい。
11時半ぐらいに集団から分かれてタクシーで京都駅。小浜夫婦が乗ってるはずのひかりの指定券をとったけど発見できず、どろどろ状態で帰る。
【11月5日(日)】
明け方目が覚めたら喘息でぜーぜー。薬を飲んでジョナサンに避難したけどやっぱり眠いので家に帰って寝る。夕方目が覚めてミストラルでホラー大賞二次の原稿を読む。がやっぱり眠いので家に帰って寝る。京都から帰って寝っぱなしである。年はとりたくないものだねえ。
【11月21日(火)】
ビルディでモーニング食べてから、我孫子武丸『腐蝕の街』とヴァーナー・ヴィンジ『遠き神々の炎』を持ってエグザス。プール→サウナ→デッキチェアを4セットこなすあいだに『腐蝕の街』を読了。小説推理版で一回通して読んでるんだけど、近未来SFとしてのディテールに関する違和感はほぼ払拭されている。歴史的背景についての地の文での説明は一切とっぱらっちゃうのが当世風(というかポストサイバーパンク風)近未来小説だと思うんだけど、我孫子さんはどうもオーソドックスな近未来ものがやりたかったみたい。
しかし著者の「浅見光彦のように清潔」な日常生活を反映してか(笑)猥雑な舞台がいまいち板につかない気がする。プロット的には速水三兄妹シリーズもかくやって感じのドタバタで、ほとんどギャグ(やたらドンパチに巻き込まれる主人公とか、爆笑のベッドシーンとか)なんだけど、「私」の一人称ハードボイルドっぽい語りといまいちそぐわないっていうか。
うーん、某登場人物の絵に描いたようなマッドサイエンティストぶりとかを考えると、これはそのへんのミスマッチを楽しむべき小説かも。リアルな警察ハードボイルドとして読むには主人公が暴走しすぎな感じだし、いっそ警察民営化とかそういう設定をつくっておいたほうがよかったのでは。
ヴィンジのほうは史上初のインターネット型スペオペ(笑) まだ上巻の半分だけど、なんかデイヴィッド・ブリンみたいで、あのヴィンジがこんなSF書くかねえって感じ。山岸真が解説で書いてるとおり、背景設定はベイリーばりのバカSFノリで笑える。インターネットのアナロジーでここまで押し通す蛮勇は買いたいけど、しかし汎銀河のニューズグループまであるってのはなあ。イヌ型群体知性のエイリアンが最高。
家に帰って、一日遅れでSFマガジンの95年SFマイベスト5を送る。
●海外作品
1 ハイペリオンの没落(ダン・シモンズ)
2 ラッカー奇想博覧会(ルーディ・ラッカー)
3 ドラキュラ紀元(キム・ニューマン)
4 黎明の王 白昼の女王(イアン・マクドナルド)
5 ヴァーチャル・ライト(ウィリアム・ギブスン)
●国内作品
1 ソリトンの悪魔(梅原克文)
2 ムジカ・マキーナ(高野史緒)
3 青狼王のくちづけ(久美沙織)
4 鉄塔 武蔵野線(銀林みのる)
5 戦場の女神たち(高瀬彼方)
【コメント】
一説によれば、『未踏の時代』復刊にSFM1〜3号の復刻、小松左京選集や『「科學小説」神髄』刊行の相次いだ95年は、「日本SFパノラマ視現象」((C)新保博久)の年だそうだが(「午後の恐竜」ね、つまり)、個人的には「新本格SF」の年だったと思っている。その代表が御{ルビ:オン}の字3連発のソリトン、ハイペリオン、エヴァンゲリオンで、これに新「ガメラ」を加えれば、新本格SFの共通項は一目瞭然。古典的エンターテインメントSFの意匠+ジャンルに対する強烈な自意識がポイント。小説的には小松左京的なものの復活が鍵を握る。SFモドキが跳梁跋扈するいまこそ、新本格SFの爆発に強く期待したい。
以下蛇足。国内では乱歩復活型の京極夏彦『魍魎の匣』が本来ダントツ一位なんだけど(リストに入ってないのはあんまりだと思う)、それだと「このミス」のベスト6と一緒になっちゃうので思い切ってミステリ系(『らせん』『七回死んだ男』)をはずしました。海外で『時間的無限大』『赤い惑星への航海』が落ちちゃったのはハイペリオン効果かも。
中間集計ではやはりハイペリオン組がダントツで、『時間的無限大』が健闘している模様。出たばかりの『ドゥームズデイ・ブック』を入れてくださってる方もけっこういるそうで、ありがたいことである。国内は『魂の駆動体』『「科學小説」神髄』『ソリトンの悪魔』が三つどもえとか。まあ順当なとこでしょうね。わたしはSF大賞組は意識的にはずしました(神林長平の受賞作は『言壺』のほうだけど)。『駆動体』は嫌いじゃないけど、思考実験がナマで出てて、小説としての肉付けに乏しいのが難。二、三年前ならこの方向を押してたかもしれないけど、やっぱりこっち方向で突っ走ると日本SFは滅びるという気が最近してるので、新本格SF主義者(笑)としては、ここしばらく、小松左京レベルへの戦略的撤退に賭けてみようかと。「深化と矮小化」に向かってきた日本SFの進化の方向性をいったん否定して、北上次郎にもわかるSF(笑)から再出発すべきではないか。……なんて書いてるとまるで二十年前の水鏡子みたいでとってもいやかも。
でも現実に、モダンホラーとして売れている『パラサイト・イヴ』が70万部突破の事態はきちんと受けとめたほうがいいし、逆にあれを喜んで読んでる人にプロモートすべき本格SFをきちんと用意すれば、日本SFの夏が来ると思うんだけどな。……なんて書いてるとすっかり北上おやじ的思想に洗脳されてしまったみたいだが、最近ミステリ畑の人から同情されるのにはうんざりなので(笑)一点突破全面展開をめざしたい。
以上、わたしが『ソリトン』を絶賛する理由、でした。
「藤丸」はどんどんキャラが死んでいくのでもう最初からやり直すしかない気がしている。FCGAMEMのPS会議室のログをライブラリからまとめて落として読んでると、どうも途中ハングはソフト側の問題らしい。操作性の悪さもがんがん指摘されているのだが、まあそれなりの評価みたい。しかし「ビヨビヨ」を誉めてる人がけっこういるのは納得できん。みんなファミコンのRPGやってないのかっ。
【11月22日(水)】
きのうは久しぶりに泳いで疲れたのか7時ぐらいに寝てしまい、夜中にちょっと起きてヴィンジを読んでまた寝て、7時ぐらいに起きる怠惰な生活。
起き出してビルディに行って日経を開くと、なんと40面のうち13面までがパソコン関係の全面広告(笑) 窓95祭りは全国的に盛り上がっている模様で、これはもう夜中に秋葉原に行くしか(笑) ゆうべの高橋誠@BNNからの電話によると、店によってはカウントダウンもやるらしい。んでもって1時2時には閉店してしまう模様。11時45分くらいに秋葉原集合かな。午前1時にはTゾーンミナミ前にいるはずなので、物好きで秋葉にいるヒマな人は集合だっ(笑) 各店閉店後、神田に流れて朝までカラオケの予定。と思ったら三村美衣は夫の人が誕生日なので行けないそうである(笑)
と書いた日記をftpしようとしたらなんか犬が走りつづけててsdw.comに入れない。のでとりあえずリムのほうだけ更新してから、悪役座談会用に『宇宙のスカイラーク』と『闇に待つ顔』を読みはじめる。いやあスカイラーク面白いっす。とくにスカイラークできるまでの展開がグーな感じ。
のんびりした話を読んでるうちに眠くなってきたので2時間ほどうたた寝して、11時過ぎ、ピックアップにやってきた白石パパ朗のクルマで秋葉原。ものすげーひとである。こんなにたくさん物好きな人間がいるのかって感じで、ザ・コン館横の道にまちがってつっこんでしまった添野・小江ペアの乗るクルマなんか20メートル進むのに30分くらいかかってたぞ。白石クルマは奇跡的にすんなりザ・コンの駐車場に入れて、店の前の黒山の人だかりを茫然と見ていると、をを、そこにいるのは小林そーみん氏では。と思ったらその向こうにはいしかわじゅん・藤臣柊子夫妻。あらあらどうも、Macintosh9500買いに来たんですか?とか話してると、京大SF研OBで日経新聞記者の小玉くんとも遭遇。さらに佐々木千之@NetWorksもいる。ADDNETのコウタン氏を横目に見つつ、BNNのカメラマンの人としゃべってるとやがて高橋誠氏が現われ、をを、木村和久がいるじゃんと思っているとチバレイ&加藤賢宗が前を通ってゆくというたいへんな騒ぎ。
携帯のおかげで、ツアー参加を表明していた遅塚久美子@小説すばるとも無事合流、ゲームライターの平野裕子女史も加わり、ぞろぞろと秋葉を放浪。んでもって石丸本店の3階では青木光恵嬢&オガタ氏にもばったり会ってすかさず光恵ちゃん写真をゲット。これは西原写真と並べるしか(笑)
てな状況で予定通り二時まで秋葉で遊んで神田のカリブで2時間半歌っていま帰ってきてこれから寝るのであとはよろしく。ってなにが。(この話は明日につづく)
【11月23日(木)】
今朝は白石パパのクルマで5時半に帰ってきて、それからsdwのほうにftpのついでに日記を追加更新して、ircに行ったら大森英司がいたのでしばらくうだうだして、『宇宙のスカイラーク』を読んで寝て、起きたら夜中の11時だったのにはさすがにびっくりしたかもしれない。怠惰な暮らしにも磨きがかかっているぞ>おれ。
ところで窓95祭りは、数こそ少なかったもののヤキソバ屋とか95円おしるこ屋とか、Win95対応コロッケ3個で100円とか出てて、あれで雨さえ降らなければねえって感じだったんですが、肝心のお店のほうが全フロア開放してるとこがすくなくて残念。95冷やかしついでにGMの冷蔵庫買って帰るという野望はあえなくついえたわけですが、ヤマギワのパソコン館が24時間営業に踏み切ったりしてて、まあそこそこ遊べる。いしかわさんはザ・コンに並んで入場したみたいだけど、さすがに石丸電気の新本店とかは1時半ごろ行くとがらがらで、これが夜中の二時の石丸なのか〜とか思うとそれなりに感慨深い。
ソフマップシカゴ館前のカウントダウンでは花火が派手だったそうですが、ザ・コンの前は人出のわりにけっこう地味で残念でした。
昼間の秋葉原もほとんど知らないオアシスユーザーの遅塚さん@小説すばるはすっかり目が点になってましたが、とりあえず一年はパフォーマでつなぐ方向に決めた模様。パフォーマ630を10万で買って本体は一年で捨てるってのは正解かも(笑) PCは選択肢が多すぎてたいへんだなしかし。シャープのメビウスはけっこうきれい。640*480のノートで95使う気はしないな。1024*768で2キロを切る95ノートの登場を待ちたいおれ。
しかしADDNETの人はけっこうたくさん見かけたけどtokoyaさんはいなかったような。あ、来てたかどうかは日記で確認すればいいんだな(^_^;) そういえばEYE-COM軍団も見なかった気がする。駅前広場関係はノーチェックだったせいだろうか。
そのあとのカラオケは、秋葉帰りにいつも寄るカリブに行ってBeMAXだったんですが(BeMAXなら日光堂系に限ると同居人の通信カラオケ評論家のひとは主張している)、阿部毅SFマガジン編集長の歌うガンズの「You Could Be Mine」が絶品で、平野裕子嬢など涙を流して感動していた。しばらく聴かないうちに歌唱力に磨きがかかっているようである。とはいえウェイターがウーロン茶とか運んできても平然と「ピンクのフリルのついたやつ〜」とか「おそうじおばちゃん」を絶唱するところはやはり阿部さんである。
ところで高橋誠氏持参のSFマガジン最新号では水玉さんの「SFまで10000光年」が注目の的。京フェスのジェスチャークイズでサナギを演じる山岸真の姿はあまりにもラブリーといえよう。我孫子武丸、古沢嘉通、菊池誠、堺三保などの似顔絵も総登場なので関係者は要チェックでしょ。
それにしても16時間も寝てしまうと起きてもなにもする気がしない(笑) いっそまた寝てしまおうかと思ったがそれではけだものなのでぼんやりニュース23を見てからロイヤルホストで朝ごはん。日経流通新聞と、なんかEYE-COMそっくりになってしまったCAPE-Xをぺらぺらしているうちに時間が過ぎてゆく。あーしかもこのCAPE-Xって合併号だったの(笑)
しかしさすがに長い休暇にも飽きてきたので、ラッカーの最新長編、10ページくらいやったところで放り出していたHacker and the Antsを再開する。年内に終わったら上等だな――って無理か。一応、1月5日目標ってことにしておこう、うん。
さいとうがカラオケショウでもらってきた葉月里緒奈のスタンドPOPがモニタの横に立ってるんだけど(それもふたりだ)なんかとっても不気味でよい。
【11月24日(土)】
また12時間寝てしまった(-_-;) パキっと起きたら幕張にウルトラ64見にいくという選択肢もあったんだけどなあ。
本の雑誌の悪役座談会用悪役エントリが締切なので、あわててY田N子にファックス。諸星友郎さま、平野まどかさま、斎門雷人さま、柳下毅一郎さまほか多数の方々にご協力いただきましたが、結果は以下のとおり。
【SF関係】
●神林長平〈敵は海賊〉シリーズのヨウメイ(ハヤカワ文庫JA)
●E・E・スミス〈スカイラーク〉シリーズのマーク・デュケーヌ(創元SF文庫)
●ジャック・ヴァンス〈魔王子〉シリーズのレンズ・ラルク(ハヤカワ文庫SF『闇に待つ顔』)
【ノンジャンル】
●荒俣宏『帝都物語』の加藤保憲(角川文庫)
●ロバート・マキャモン『殺戮のチェスゲーム』の大佐(ハヤカワ文庫NV)
●逢坂剛『百舌が叫ぶ夜』の百舌
●ディーン・R・クーンツ『ウォッチャーズ』の〈アウトサイダー〉(文春文庫)
(ノンジャンルはこのうちから2人を選択)
つーことで、おれはキャプテン・フューチャーほとんど読んでないので許せよ>モロトミ。
飯を食ってから、大阪に帰っている堺三保のアパート……というかうちの書庫に寄る。すでに魔窟度120パーセント。汚い。ゴミぐらい捨てろよ。と怒り心頭に発して大掃除をはじめたのはさいとうよしこで、ゴミを袋につめるだけでこんなにスペースができたと自慢しているがまあ大差ないね。それにしても靴下の足で踏んでもじっとりしているあの布団だけは捨てたほうがよいと思う。トイレの床も掃除すれ! 好き勝手に汚すのは家賃を払ってからにしろっ。と大阪にいる人間に怒ってもむなしいので(怒っているのはさいとうよしこだが)そのへんに落ちていた小説イマージュクラブを読む。といっても当然コラム欄だけだが、これは小浜徹也先生のエッセイ原稿が読める日本でも珍しい雑誌なので貴重。白石朗とか三村美衣とか堺三保とか山岸真とかも書いててほんとに謎だ。
そうだ、新本格と海外SFの書評はこの雑誌に持ち込みしようかな。本の雑誌がなくなるととたんに関連書を読む速度が落ちているので対策を考えなければならないのだが、SF書評の需要は低迷しているのだった(笑)
イマージュといえば、今日届いた「VisualTAMBI JUNE」にも仰天。大JUNEがコミックJUNEになって、こぼれたコラムとカラーページ関係がこれに分裂したらしい。英保という人がひとりで編集後記を書いているが、副編かなんかに出世したんだろうか。まだ入社したばっかのくせに>弟。なお一部で大森英司が弟だという誤解がありますが、血のつながった弟はこっちです。大森が本名でJUNE雑誌をつくってると誤解する人はたぶんいないだろうが、こっちの英保は英保未紀なのでよろしく。しかしもし副編だったら、イマージュの副編の人と組んで副編ブラザーズ結成して「耽美雑誌の編集は三日やったらやめられない」を歌うしかないでしょ。
書庫から帰宅すると、Gamewalkerから「サイバーコップ」が届いている。わーいと箱を開けて撃ちまくり。これでやっと藤丸から脱出できる(笑) 我孫子日記でもすでに絶賛されているのが悔しいところだが(最近どうもネタがダブりがちな気がする)こりゃハマりますぜ。しかし当たり判定が細かい。おれはどっちかというとダックハントのほうが得意かも(笑)
目がぐるぐるしてきたところでIP接続して、IRCしながら新着写真整理のつづき。とりあえずPICTに落としてあった40枚超をGraphic Converter/PhotoshopでGIF化。プログレッシブJPEGが一般化したらそっちに切り替えようと誓いつつまだGIFのまま。なんかインタレースが好きなのよ(笑)
えんえん5時間くらいかけてファイルを整理してhttp://www.sdw.com/m/ltokyo/ohmori/photo/にftp。とりあえず新着写真のみの表示用に新着写真館をつくる。今回はとりあえず大槻ケンヂと青木光恵とWin95対応コロッケが目玉か(笑) からふね屋で寝ている人の証拠写真もあります。
なお、これだけのファイルはもうとうていリムのディスクスペースにはおさまり切らないので、新着写真はすべてhttp://www.st.rim.or.jp/~ohmori/photo/の下だけに置きました。http://www.st.rim.or.jp/~ohmori/を読んでいる人は、ぼちぼちhttp://www.sdw.com/m/ltokyo/ohmori/へのurl変更をおすすめします。たぶんリムのほうは年内閉鎖かな。ということで我孫子さんは、大森ページ写真のリンク先をhttp://www.sdw.com/m/ltokyo/ohmori/photo/*.GIFに変更してね。相対パスで表記するとどうなるかという問題は、いま「楽しいUNIX」が手もとにないのでよくわからない。../ohmori/photo/かな。なんか違うような気がする。
あっ、西原理恵子の写真を新着写真館に入れるのを忘れていることにいま気がついた。あとで追加しておこう_(..)φ メモメモ
あーなんかこれから幕張まで任天堂の初心会(またはそれに相当するもの)に行くらしいのでここからあとは日曜日の日記にまわすものとする。
【11月27日(月)】
なんか24時間起きてて12時間寝るサイクルに突入した模様で、夕方寝たのに起きたら朝だった(笑) ビルディでモーニング食べてリットーミュージック「Sift」のコミックレビュー。というか今回は無理やり『新世紀エヴァンゲリオン』なのでほとんどアニメの話である(笑) 貞本版のコミックは話がわかりやすくてよいかも。参考にFGAINAXのエヴァ会議室を落とすかと思ったらすでに4メガくらいある(爆笑) ROAD5で入って圧縮ログを1メガ分くらい見つくろってダウンロード。ぱらぱら読んでますが爆発してますねえ。あーでもときメモ特設会議室よりはましか。
家に帰って、昨日メディアフロントから届いたマルチメディアSFエンサイクロペディアをブラウズ。若干重いけどまあよくできてますね。ビデオに登場する作家名が再生しないとわかんないのはちょっと。MOVIEファイルのうち一個は再生しようとするとなぜか必ずFPUエラーが出てしまう。謎。そんなにおれに7500を買わせたいか。まあでも内緒の仕事であぶく銭が入る予定だから買ってもいいかも。nbkz氏が8100買ってるんだもんなあ。岡林課長などWin95をCD-ROM版とFD版と両方買うくらいお金が余っているのだ。よし、とりあえず12月になったら7500ね。と心に決める。
届いた郵便物を持ってミストラル。リテレール別冊の『単行本・文庫本ベスト3』をぱらぱら見てたら、天沢退二郎のところで仰天。文庫本ベスト3が、1位『魍魎の匣』、2位がなしで3位が小野不由美『過ぎる十七の春』だって(笑)
コメントがまたすばらしく、
「3も、これを入れるのはなかなか不本意で空欄にすべきところかもしれない――何しろ一九九四年に『東亰異聞』で私たちを瞠目させ、講談社X文庫で二系列の連作長編の、矢づきばやの連打で圧倒した小野不由美が、今年この旧作焼き直し一篇しか出さなかったというのは、去年書き過ぎて「手が壊れてしまった」ためということで無理もないとして、近々の再登場を切望しつつ、ここにこの一篇を挙げておくのである。とはいえ、この作品もとくに駄作というのではなく、舞台の鮮明な感触も、怨霊出現のこわさもリアリティもさすがこの作者のものであって、好もしいリヴァイヴァルではあるが、全体に甘さが残り文章ひとつとっても多義性の濃密さが足りない気がする。(後略)」
だってよ、おい。『東亰異聞』の解説は天沢退二郎で決まりかな。しかしこう書いてるってことは〈悪霊〉シリーズも読んでるんだろうか。ううむ。
「小野不由美の新作の読めない代用として(?)読んでみた他作家の同類ジャンルものに比べると、やはりこの人の文章の新鮮さは際立っているとみた」ということなので、ひょっとしてスレイヤーズとか読んでるのかしら。立派な人である。
しかし『過ぎる十七の春』は、『呪われた一七歳』にくらべると格段によくなっているとはいえ、わたしはあんまり買えません。『過ぎる十七の春』だったら、氷室冴子の銀金に軍配を挙げるな。『海がきこえる2』のほうが好きだけど(笑)
単行本ベスト全体では、『恋愛太平記』『エッフェル塔試論』『ねじまき鳥』なんてところが人気。まあ順当でしょう。ってエッフェル塔は読んでないや。松浦寿輝ってサンリオSF文庫で解説書いてた人でしょ――とか思うSF者ももはや少ないだろうな(笑)
さて、ぼちぼち原稿を書くので今日はこれまで。
【11月28日(月)】
Siftのコミック評を無理やり角川版の「新世紀エヴァンゲリオン」ででっちあげ(ほとんどアニメの話しか書いてない(笑))、小説すばるの書評を『魂の駆動体』で書く。たぶん史上初のURL入り文芸書(笑)『オタクと三人の魔女』にしようかとも思ったけど、やっぱりわたしはリーベント下高井戸のほうが好きだな。『駆動体』が好きかというとこれも疑問だけど。
【11月29日(水)】
8時に起きて、9時に新葛西病院。抗生物質の点滴を受け、薬を出してもらう。血液検査によれば白血球は12000とかなので前回よりは全然すくない。一応、水も飲めるし、固形物も無理すれば食えないことはない。
まあなんとかなるでしょってことで、笹塚の本の雑誌編集部。駅から歩くとけっこう遠いんだよな、これが。と思いながら歩いていると、前方に文庫本を読みながら歩く中年男。ヴァクスの『ハード・キャンディ』を座談会に備えて読み直す茶木さんだった。熱心なことである。
問題の悪役座談会は、まあそのうち本の雑誌に載るでしょう。わたしはノドがノドなので根気がなく、SF系の悪役たちは惨敗。四人中三人が初戦敗退だもんなあ。まったく申し訳ない。だいたいマーク・デュケーヌがドクター・ノオに負けるなんてのはぜったいまちがっている!
と怒る気力もあんまりなく、はいはいわかりましたー的敗北主義の1時間半を経て、ふたたび東京を横断、日本SF大賞@東京會舘。
会う人会う人に「体だいじょうぶ?」と聞かれるんだけど、たまたま今日だけはだいじょぶじゃないので、
「いやー、パーティに出るために点滴してきましたからだいじょぶですよ、ははは」
とか答えてすっかり病弱な人だと思われているかもしれない。なんか最近そのほうが得なような気もちょっとするけど(笑) ご心配いただいてる皆様にはたいへん申し訳のないことです。
申し訳ないといえば、悪役エントリーではダン・シモンズ『殺戮のチェスゲーム』の著者をロバート・マキャモン(笑)と誤記(白石朗氏よりメールで指摘)、さらにゲームの話では「バーチャコップ」を「サイバーコップ」と誤記(我孫子武丸氏より日記で嘲笑)しておりました。えーとそれからQV-10の画像一括処理についてはすでにツールが存在します。「QV10 FAQをメールしたのに読んでないんすか、とほほ」的メールを下さったきむらかずしさま、たいへん失礼いたしました。その手前のところまでは読んでたんですが(笑)
というわけでQV-10のGIF化に悩んでいる人は、QV-10 FAQ を見にいこう!(あーしかしなんでこのページを見てないのかというと、bnn-internet経由だとリムの個人ページ表示が最強に遅まるからなんですね。リムからはいったときに見ればいいんだけどつい忘れてしまうという(^_^;))
なお、高橋誠@メディアフロント様、柳下毅一郎@特殊翻訳家さまからも同様の指摘をいただきましたm(..)m
しかしSF大賞のパーティではQV-10を持っていくのを忘れたので、当分このべんりなツールを試すチャンスはないかも。山田正紀、横田順彌、鈴木光司あたりの写真をgetし損ねたのは痛いかも。ってなにが。
今年のSF大賞はSF界生え抜き(笑)の野田・神林ダブル受賞のおかげか、SF人の比率が高く、古いSFの人にたくさん会う。が、まともに話ができないのでジェスチャーゲーム状態でたいへん。柴野さんの奥さんには真剣に心配されてしまう。
あ、そうだ、SF大賞のパーティとしてはひょっとすると十年ぶりくらいに安田均氏が来ていたのだった。古沢さんは「安田氏としゃべったんは十年ぶりとちゃうか」とゆっていたが、伊藤典夫・安田均の会話は交わされたのだろうか。ううむ。
パーティ後は一階のティールームで小説トリッパーの人と新人賞下読みの打ち合わせ。一本4000円ってのは安いねしかし。ファンタジーノベル大賞の半分(笑) だいたい小説誌の新人賞ってのは当落基準があいまいなので一次選考側の負担が大きい。ヤングアダルト系の賞とちがって、内容的にも辛気くさい話が多くなるし。までも年末年始はヒマだからいいや。この調子でどんどん受注していると賞の下読みだけで生活できるようになるかも(笑)
しかしこれだけ大量の新人賞があるのにSF関連の賞が一個もないってのはなあ。SF大賞受賞記念に、東京創元社でSFの長篇賞立ち上げるってのはどうですかね。400枚以上とかにすれば応募はせいぜい100本くらいだし、創元でSFの賞なら一本千円くらいで下読みするやつはいっぱいいるでしょ。鮎川賞方式なら間接経費はほとんどかかんないし。日本SFは小松左京に回帰するって大森理論からいえば、「小松左京賞」だな。アスキーもしくはジャストシステム主催も可。選考委員は伊藤典夫、笠井潔、森下一仁とか。総予算は五十万くらい(笑) パライヴ、ソリトン効果が期待できるいまがちゃーんす。ほんとは早川がやるのスジだけどさ。
トリッパーの打ち合わせ後、伊藤典夫・森下一仁・山田正紀・高橋良平各氏のテーブルに移り、SF翻訳の話。伊藤さんは着々と「アインシュタイン交点」の翻訳を進めている模様。いろいろと恐ろしい話を聞いた気もするが熱のせいかよく覚えていない。
9時をまわったところで、三村美衣、さいとうよしこと3人でタクシーに乗り銀座四丁目の二次会場。神林同盟と宇宙軍の古手ファンたちが大挙集合している。なんかSF大会のパーティみたいだと思いました。司会は元ガイナックス・現オニロの井上さん。特別賞の『「科學小説」神髄』は高橋良平編集・野田昌宏著ってこともあって、スピーチ関係はわりとこっちに偏ってた気がする。スーツの高橋さんが否応なくどんどん壇上でしゃべらされてたのはけっこう見物だったかも。
しかしSF大賞初受賞で大興奮の小浜徹也@東京創元社ははしゃぎすぎ。うーんでも鮎川賞の司会よりSF大賞の司会がやりたいとずっと思ってたんだろうか(笑) いやそれも創元でSFの新人賞をはじめれば解消できるぞ(笑)
3次会はおなじビルの8Fのティーラウンジ。出版芸術社の溝畑アニソンのえらいひと康史が徳間の中小路くんの携帯でいきなり大森英司を呼び出す。
「いまSF大賞のパーティのあとなんだけどさ、これからカラオケだから。えっ、なに、来るの、ほんとかよ」
っておまえが呼んだんだろ、溝畑。といっても夜中の一時半に銀座までアニカラ歌いにくる大森英司も大森英司である。
三次会場ではスパゲッティ・ミートソース大皿事件とかいろいろあったけど、わたしは頭がずっとぼんやりしていたのでなにも知りません。ひとつだけいえることは、溝畑は悪人ということだな。
午前一時からおなじビルの6階に12人が流れて大カラオケ大会。JOYとDAMと集中管理の第一興商LDに総合歌本一冊っていうアレサの変型システムなんだけど、巨大パーティルームで午前1時から8時まで歌って1万円ぽっきりってのは爆発的に安い。場所も銀座の真ん中だし、ここは押さえておくべきかも。電話番号とくわしいシステムについてはいずれさいとうよしこのカラオケページに発表されるでしょう。
大森はとりあえず「さよならなんて云えないよ」を入れて様子を見たがやはり末期的に声が出ない。それにくらべて溝畑の声はすでに人間ではない。マイクなしで部屋のいちばん奥で歌ってもマイク持ってるやつより声がでかいんだもんなあ。やはりアニカラの人々とは一線を画したいと強く思うおれ。しかし大森英司はあんまり声がでかくなかったな。あとから合流した阿部毅は「ラブ・ファントム」で攻める。LD版があると自動的にそっちが優先されるシステムなので、珍しい絵が見られてよかった。安室の本人出演版とか考えてみるとはじめて見たもんな。
歌えないのにいてもしょうがないので(笑)午前3時ごろタクシーで帰宅。
【12月1日(金)】
午前7時起床。メトロセンターのロッテリアでモーニング食べて浦安。タクシー代1210円使って(医療費控除の対象になるな――と思ったが領収書もらい忘れた)順天堂浦安病院。順天堂大の付属病院がなぜ新浦安にあるのかよく知らないが巨大。コンピュータ管理されてて、再診の受付は診療カードを機械に食わせるだけとか。あとはインターネット経由で初診の受付をしてくれれば完璧だな。
というようなことが書かれている『ビル・ゲイツ、未来を語る』という本がアスキーからもうすぐ出るんだけど、そのUncorrected Proof(ゲラのコピーを簡易製本したやつ)がすでに各社に送られてて、同梱されている西和彦の訳者あとがきを呼んだ谷口さん@日刊工業新聞から、
「内緒の仕事ってもしやこれでは」の指摘あり。ばれたか(笑) まあバラしたのは社長のひとなのではおれのせいじゃないもんね。
というわけでわたしがビル・ゲイツに魂を売った大森です。そしてそのカネでPowerMAC7500買うぞ、みたいな。でも契約書交わしてるから詳細はひみつ。まあしょせん大森の魂なのでそんなに高くないのである。
コンピュータライズドされてるおかげなのか順天堂病院の待ち時間は規模の割に短くて、一時間強で処理が完了。しかし耳鼻科の専門医が診てもたちどころに診断が下されるわけではなく、けっきょく来週CTスキャンと超音波検査を受けることになる。新葛西病院でもCTスキャン受けたんだけどなあ。CTスキャンといえば、なんかレコード会社のほうのアップルと関係あるんだっけか。「ヒポクラテスたち」の中に、ビートルズの印税のおかげで開発された技術なんだよとかいうセリフが出てきたことをふと思い出したが記憶が定かでない。
それにしても順天堂病院の専門医の人はけっこう豪快。主治医がノドの腫れを触診しながら首をひねり、同僚を呼んで、「これこれこうだっていうんですがねえ」と病状を説明。なんだか専門的な会話(テックトークつうやつですね)を交わしながら、同僚の人が大森の口の中にぐぐぐぐっと指をつっこみ、
「どう、痛くない?」
「いや、あんまり」
「ふうん。ここはどう?」
「(そりゃ口の中に無理やり指つっこんでぐいぐい押してるんだから痛いに決まってるだろ)それほどでもないです」
しばらくオレのノドの腫れた部分をじっと見てから、くだんの医者がひとこと。
「急に太ったってことはないよね」
「…………」
「ノドだけ太るわけないか。わはは」
だってさ。しかし出してもらったクスリはけっこう効いたような気がするので許してやろう。
浦安のファーストキッチンでスープパン(フランスパンをくりぬいた穴にクリームスープがはいってるやつ)を食べて帰宅。昼寝しようと思ったけど眠けが去ったので、「バーチャコップ」に挑戦。我孫子さんにならってライフとクレジットをそれぞれ9に増やして挑戦するが、やはり3面のボスに勝てない。ヘリコプターにやられてしまう。くそ。向いてないかも。はやくどらくえがしたいです。
SFマガジンでファンタジー時評を担当している中野善夫からメール。研究室のMacにこっそりホームページを開設したらしい。平日の朝6時から9時まで(要するに中野が出勤してから、ほかの人たちが出勤してくるまで)しかアクセスできないし、すぐにやめちゃうかもとか書いてあるけど、見に行ったらちゃんと表示されたのでさっそくリンクに追加する。中野くんは本フェチの人なので、インターネットは主に本を注文するための道具だと思っている。したがって主にそういう人のためのページになっているわけだが、それだけじゃなくて読書日記まであるのでお得かも。
……と日記に書いておかないと、SFマガジンの阿部さんみたいに西葛西日記しか見ない人は永遠に気がつかないので注意が必要(笑) リンクページは日記ページに注ぐ頻度で新ページが追加されているのでチェックしてね。
5時になったので家を出て早川書房。塩澤くんの横にすわってSFマガジンベストの結果を見せてもらう。ベスト10中、3つがハイペリオン関係(笑) 1位がハイペリオン二部作、3位がハイペリオン、6位か7位に「没落」だったと思った。ハイペリオン外のトップは『赤い惑星への航海』で、つづいて『時間的無限大』。『ドゥームズデイ・ブック』は10月末の刊行にもかかわらず大健闘の5位。みんなよくあんなぶあつい本読むよなあ。まあ最後まで読まずにいれた水鏡子師匠のような人もいるが。
国内では『ソリトン』が僅差で『駆動体』をかわし首位。よしよし。あとは『トンデモ本』が5位かなんかにランクされているという惨状である。『魍魎の匣』は、膨大な量の候補作リストにはいってなかったにもかかわらずベストテン入りしている。考えてみるとこのミスのベストテンとけっこうだぶってるかもだな>国内ベスト。
あんまり書くと怒られるかもしれないので(もう遅いかも)あとはSFマガジン1月号を待っていただくとして、今日はなんで早川にいるかというと『ドゥームズデイ・ブック』と『SF翻訳講座』とワーシング二部作の合同打ち上げなんですね。
FT担当K藤K子嬢と校閲担当のお局さまこと竹内みと嬢、SF文庫担当・河野佐知嬢に、マガジン編集部の阿部、塩澤、清水の野郎三人組を加えた早川勢6人とともに近所の台湾料理屋・海老寿に移動し食いまくり。早川のひとはよく食うねしかし。
「だから菅野さんは○○なんですよー」的な発言や、愛のメール発覚事件、編集長自爆事件がつぎつぎに勃発、メートルは上がるばかりである(笑) しかし阿部さんはエロサイトにはやけにくわしかったな(笑)
カラオケゴーゴー団の団長が合流したところでジョッコに流れてJOYSOUND4時間半。みと嬢のフラメンコを見損ねたのは残念だが、一昨日のうらみは半分くらいはらしたからだいじょうぶさ(ふたんよりキーは2音下でした)。しかしこの一週間は阿部さんの歌をやたらに聞いたような気がする。
【12月2日(土)】
こんこんと眠りつづけて昼ごろ起きると、ノドの痛みはほとんど消えている。さすが順天堂病院。ってほっといても治ってた気もするけど。
すでに締切を過ぎてしまった『殺人鬼』の解説に着手。綾辻作品再読プロジェクトは7冊読んだところで止まっているのだが、よく考えるとあんまり関係ない(笑) んーでも『人形館』は『殺人鬼』の姉妹篇といえなくもないかもしれない。暴露系の原稿にしようかと思ったが綾辻さんが嫌がりそうなので正攻法。
しかししばらくだらだらな日々をつづけているうちにすっかり筆が遅くなっている。ワンシッティングではとても書き上がらないのであきらめて家に帰り、心を入れ替えて「バーチャコップ」に再挑戦。2度め(通算7度めくらいか)のトライでようやくエンディングを見る。9ライフ×9クレジット使いきり、みたいな(^_^;) しかし精進すればワンコインクリアできるようになるんだろうか。ううむ。練習モードでは最初の面が全然クリアできないしなあ(笑)
【12月13日(水)】
6時、天王州アイルのラ・カーザなんとかってお店で恒例のミステリー忘年会。まあ正確にいうと海外ミステリ翻訳関係者忘年会ですね。翻訳者が半分くらいで、残りが編集者と書評家。名前だけは知っている人が大量に歩いているが、あたしゃ翻訳ミステリはほとんど読んでないので知らない人とは話ができないのだった。
木村二郎(仁良)氏とはWWWページの話で妙に盛り上がる。どうでもいいけど、木村さんはしゃべり方とか表情がたこいきよしに異常に似ていると思う。って両方知ってる人はほとんどいないか(^_^;) 夏来健次○○○○事件とか、関口×三橋○○○○事件とかいろいろあったみたいだけど詳細はひみつ。あ、そういえばWIREDの人も来てましたね。
おなじ会場の二次会につきあってから、11時ごろ、鎌田三平・白石朗・古沢嘉通・堺三保と5人でタクシー二台に分乗し、早稲田奉仕園セミナーハウスで開催中の翻訳勉強会忘年会に流れる。
途中、遅塚さん@小説すばるからは、長谷川@新潮文庫&恩田陸嬢とカラオケ中なのですぐ来たまい、タクシー代出すからさ的お誘いがかかるが、合宿忘年会を脱け出すわけにもいかず涙をのんでパス。そういえば恩田さんにはずいぶん会ってないのだった。
勉強会は伊藤(典夫)さんがマガジンの締切にひっかかって来られず、さらにわたしが細美透湖を寝かしつけているあいだに(笑)約半数が飯を食いに消えてしまったので、話題はもっぱら内田昌之(『無限アセンブラ』重版決定!)の女性関係に集中。なんだかデパガ専門らしい(笑)
【12月14日(木)】
大部屋でいびきがうるさい人が約一名いたため寝るのをあきらめて始発の東西線で帰宅。夕方起きると、水鏡子師匠が居間でふんぞりかえって自分の家から持ってきたドラクエをやっている。しょうがないので外で仕事。
【12月15日(金)】
【12月16日(土)】
昨日着いたばかりのチャールズ・プラット(およびそのガールフレンドでニューヨーク在住の日本人エディトリアルデザイナーのえりこさん)と新宿駅南口で10時45分に合流して、山岡謙氏の弟さんがやってるというフレンチレストランでRAY会忘年会。RAY会ってのは柴野拓美(小隅黎)氏を囲む翻訳者の月例会で、ふだんはめったに出ないんだけど、忘年会だけはマメに出ているわたし。
そういう人はほかにも多いらしくて、20人を越える大盛況。柴野拓美、高林慧子、小木曽絢子、小野田和子、梶元靖子、坂井星之、赤尾秀子、嶋田洋一、内田昌之、山岸真、金子真、酒井昭伸、白石朗、牧眞司、伊藤典夫……とか。プラットは伊藤さんと昔話に興じたりしてけっこう楽しそうにしていてよかったよかった。まあほとんどの人が英語しゃべれるしプラットのことを知ってるしな。しかし、「ここにいる人はみんな英語オッケーだから話しかけてだいじょうぶだよ」と教えてあげたら、いきなり水鏡子に話しかけてしまったのには爆笑。その場で凍りつく水鏡子。
それを見ながら伊藤さんいわく、「あー、やっぱりプラットはつくづく運が悪いんだよ」
しかしその後プラットのとなりにすわるハメになってしまった水鏡子師匠は、5分間の沈黙のあと、ついに意を決して一言。
「にゅーわーるず、あしすたんと、えでぃたー」
つまりその当時からあんたのことは知っとるよといいたいらしくて、その意味内容はきちんと伝わり、「この人はちゃんと英語がしゃべれるじゃないか」とプラットはゆっていました。
しかし会場に到着するなり、プラットが、
「それでこの集まりはどういう系統の派閥だ?」とたずねてきたのには大笑い。アメリカとちがってそんなに派閥はないんです。
「小川隆は来てないのか? べつの派閥なのか?」とか(笑) プラットが冷たくされている日本人のひとの話とかも聞いたけどここには書けません。
2時で一次会はお開きになり、十数人が新宿三丁目近くまで流れて喫茶店に入る。プラットが帰ったあとの今日のスターは小木曽さんのお嬢さんのゆきさん。銀座某所に勤務する24歳の美女。写真はこれです――といいたいところだが、なぜか内田昌之が強硬に反対するので、とりあえずこの問題に決着がつくまで保留ね。
その後さらに十人ばかりでゼニス……と思ったら7時まで満室という事態。けっきょく15分待ちのベルボアに入ったときには4時半。くっそー、おれは5時からペントハウスでWin/Mac対決座談会なのに〜。
まあしかしどうせ鹿野司かだれかが遅れてくるに違いない(笑)と踏んで5時まで歌い、20分押しでぶんか社着。予想通り鹿野司はまだ来ていなかった。あーそれならもう一曲歌えたのになあ。(なお、水鏡子の報告によると、カラオケ組はその後一時間延長し、食事のできる店を求めて30分さまよい、11時近くまでうろうろしていたらしい。中には手をつないで帰った若人たちもいたそうだが、そのうちのひとりが俺と同い年だと思うとちょっと悔しいかも(笑))
対決座談会の決着は……まあ客観的に見れば圧倒的にMac派が不利なんだけど、なにしろWindows派の人々はWindowsを愛してないので差が出るってゆうか。わたしはビル・ゲイツに魂を売った人間なので、ちゃんと95を誉めましたけどね、ファイル管理システム以外は。その顛末についてはペントハウス2月号だか3月号だかのパソコン特集に載ることでしょう。
座談会終了後、ダイヤモンドホテルでタダ飯。10時半に解散になったところで、創元ミステリ系忘年会流れ組と合流した遅塚嬢@小説すばるから携帯にtel。いま飯田橋でこれからビッグ1だよんというタイムリーな情報にしたがってタクシーで飯田橋。カラオケに残ってたメンバーは綾辻行人、法月綸太郎、貫井徳郎……という顔ぶれであとから香港帰りの桐野夏生さんが合流。午前2時まで歌って帰ると、白石朗が水鏡子と遊んでいたので、X−55でもう2時間ばかりちいさい声で歌う(笑)
【12月17日(日)】
我孫子武丸氏から夜中に電話。何事かと思ったら、パソコンがぶっこわれてIP接続できなくなってしまったという話。時期が時期なので年内は日記更新が不可能、京都インターネット宛のメールも読めないとのこと。このさいもう一台のプレサリオにWin95をインストールするしか、とゆってるんだけど。
水鏡子師匠はわたしが寝てる隙に競馬に負けてすごすごと加古川に帰っていきました。
ちなみにこの日はぱらんてぃあ忘年会。なにが行なわれていたかについては、某所に発表された山岸真氏のレポートを無断引用する。
翻訳学校で宮脇さんに教わっている、黒田さんという三十歳くらいの女性のかたがきていた。京都生まれの立命館卒。綜合社でリーディングやっていて、きょうは別の仕事であっていた小林さんにさそわれた由。SFはやりたいがファンというほどででなく、スリップストリーム(ということばは知らないみたい)がほんとは好きとか。ほか参加者は、尾之上、中原(夫のみ)、山田(パソコン買って通信はじめた)、川口(朝ドラを録画するほどの管野美穂フリークと判明。わからんやつ)。
(ところで、自由国民社SF総解説のむかしの欄外で、「熱烈なSFファンがミステリの翻訳家になった、なぜSFをやらないかときかれて『だって初恋のひととは結婚しないものでしょう』」というのがあって、これは宮脇さんのことだとどこかできいた気がするのですが、ちがったでしょうか?)
例会の話題:ぶいぶい表紙は『神の目』に似てる(上が青で下が緑、タイトルに神とつく)ほかぶいぶいのこと。起動すると本になるナノマシンができれば保存スペースがすくなくていいのに(自己増殖して本のかたちになって、ページごとにプログラムどおりに活字をならべていくという……それって「ウェブスター」か)。今年の米英の新作は新人は多くてにぎやかだけど、質的にいまひとつ。マガジンベスト、マクドナルドを尾之上がシモンズ二部作のつぎに、おれが三位に推す。神保町のバーゲンで千円だったので、ベアのLEGACYを買ってしまった小林さん。クルートSF:ILLUSTRATED ENCYCLOPEDIA見せびらかし(先週につづいてあきないおれ)。SFMのヒューゴー/ネビュラ特集の解説者と訳者ふたりで、まあまあまあまあまあ。太陽系SFうちあわせ、月SFってなにがあったっけ(はい、『無限アセ』チェック済みです)。パソコン話。
大森のほうは久々の休養日でキネ旬用映画消化のつづき。「バットマン・フォーエバー」はバツ。「SFW」はまあまあ。あと一本はなんだっけ、忘れちゃった。どのみちたいした映画ではないでしょう。ドラクエは中断中。
【12月18日(月)】
4時・秋葉原駅でチャールズ・プラット&えりこさんと合流、コミック虎の穴に連れていく。日本製アダルトコミックをぜひ買いたいってことだったのでそれなりにリサーチしてるのかと思ったら、固有名詞をひとつも知らない(笑) 虎の穴まで奮発(?)する必要は全然なかったって感じ。ついでに買おうと思ったコミケカタログはまだ入荷してないし。
朝から歩き回って疲れたというふたりをザ・コンの地下のWOODに落とし、ちょっくらTゾーンミナミまで行ってダイナブックSS450用のメモリ8メガとバッテリー購入。合わせて6万近い出費(;_;) なんか泥棒に追い銭という気がしないでもない。
6時早川書房。編集部の人々&高橋良平氏と合流してから会場の〈東園〉に向かう。阿部、塩澤、嘉藤、河野、上池の早川勢と、山岸真、白石朗、高橋、大森が迎撃メンバー。レイチェル・ポラックは性転換で男になってしまったとか、ラングドン・ジョーンズは作家を廃業して時計職人になったとか、バリントン・ベイリーは食えなくて炭坑で働いていたことがある(笑)とか、貴重な話をたくさん聞いた気がする。まあプラットも、いまじゃアメリカではだれも覚えてないような昔のSF友だちの名前をことごとく知っている日本人たちと話ができてうれしかったにちがいない(笑)
10時半くらいで解散になり、そのあとコミックビームの忘年会の二次会に合流しようという予定だったのに、先に行ってるはずのさいとうよしこがはるばる一次会場のセンチュリーハイアットまでたどりついたときにはすでに移動のあとで、どこでやってるんだか場所がわからない。水玉さんの携帯も通じないってことなので、とっとと帰ってビデオを見る。
【12月21日(木)】
うっかり寝過ごし30分押しで午後二時WOWOW着。映画情報ネットワーク委員会(だっけ?)の総会。「宇宙貨物船レムナント号スタッフ」(SFマガジン二月号より)の添野知生はついに来年二月で退職を決めたそうで、すっかり晴れ晴れしている。しかし会社辞めたあとでなにするんだろう。謎だ。
今日の議題の中心は来年公開予定の新作情報で、めっきり映画情報に疎くなっているわたしにはほとんど出る幕がない。が、そこは洋画生き字引の稲田隆紀氏と邦画生き字引の野村正昭氏がいるのでノープロブレム。会議終了後、Mac購入計画中の稲田さんとお茶飲んで帰宅。
「VF2」「RRR」をさらっと流してから、3DOの「未来少年コナン」データベースをじっくり見て、制作者のモンスリーおたくぶりに感心してからゲームウォーカーの原稿を書く。マクラでドラクエVIを思いきり罵倒(笑) しかし後日SFマガジン2月号を見ると水玉さんは絶賛している。ううむ。ところで水玉さんといえば、高円寺商店街の福引きでタマネギ10kgをみごと当てたそうでおめでとうございます。
原稿をメールしてから、終電まぎわの東西線に乗り、馬場で西武新宿線に乗り換えて沼袋。藤原カムイさんとこのスタジオ2Bの毎月恒例の打ち上げ宴会に乗り込み、カラオケスナックで4時近くまで歌う。「ノゾミ・カナエ・タマエ」がようやくちゃんと歌えるようになったので満足(笑) カムイさんはほとんど寝ている。アシスタントの遠山さんはグイン・サーガとリフト・ウォー・サーガを欠かさず読んでいることが判明(笑) 主にわたしの読んでないSF/FTを読んでいるらしい。
沼袋からタクシーで馬場に出てジョナサン。飯食って始発で帰ろうと思ってたんだけど、とつぜんデジタルボーイの締切が今日だったことと催促電話が来ていたことを思い出し、X-55宣伝原稿(笑)を30分ででっちあげてから電車で帰宅する。(その後、ダイムかなんか見てたら本物の(笑)記事広告が出てて、しかも全然つまんない内容なのでむっとする。どうせ書くなら記事広告のほうが原稿料いいのになあ(笑))
【12月22日(金)】
昼過ぎに起き出して郵便をとりにいくと、寺島令子さまから直々に新刊二冊が届いている。まったくありがたいことである。それにしても寺島さんの実家のネコは躾がいきとどいているらしく、うちの三バカ駄ネコとは大ちがいである。母ネコのコハマ(推定年齢10歳)だけは野良猫暮らしの長い苦労猫なのでネコができていたが、最近は寄る年波に勝てず実の息子との死闘で連戦連敗、失意の日々を送っているせいか、ボケ老猫のきざしがちらほら。内弁慶のドラ息子ばかりか、弱虫のバカ娘までカサにかかっていぢめるもんだからメンタルケアがたいへんなのである。
しかし、さいとうよしこの「アスキー・コミックビーム忘年会合流失敗深夜の放浪事件」はしっかり寺島さんにも伝わっていたらしい(笑) ということでここで御礼をいっておけばきっと某ルートから伝わるにちがいないと不精な考えで(なにしろここ数年、かたつむりメールは年賀状以外出したことがない)どうもありがとうございましたと書いておくのだった。えーごぶさたしておりますが、またそのうち歌いにいきましょうね。(と伝えて下さい>宮地様もしくは光山ビルのだれか様)
菊池鈴々様が編集する関西系内輪SF誌THATTA最新号も届く。酒井昭伸様のロストワールド翻訳手記がいきなり載っていて仰天。なんとハードカバー上下二巻のあの大作を酒井様に置かれましては40日で訳了されたとか。某翻訳入門書の筆者は某翻訳者を「一ヶ月に八百枚訳す男」と書いたばかりにおそるべき筆禍に喘いでいるんだけど、おなじ葛西近辺在住者でも白石朗(って変換するだけで指が震えたり(笑))のかわりに酒井昭伸にしておけば無事だったかもしれない(笑) しかし酒井様は一ヶ月ちょいで訳した原稿をさらに一ヶ月以上かけて磨き込んでいくんだそうで、右から左にメールしてしまう大森とはえらいちがいである。
ところでそのTHATTAでこの日記にやたらめったら言及して下さって恐悦至極であるところのSF評論家・岡本俊弥様に置かれましては、WWW上でオンラインレビュー誌を発刊する準備を整えているらしく、これまた恐ろしいことである。
渡辺麻紀絶賛・柳下毅一郎罵倒の「セブン」を見ようと銀座に出るが電車に乗り遅れて遅刻。しょうがないのでイエナ・近藤・山野楽器をのぞき、ケンタで軽く仕事してからアルカディア市ヶ谷の角川書店富士見事業部忘年会。
大森は非招待者なのでビンゴにも参加せずおとなしくうろうろしていたのだが、ガイナックスのてんちょさんはめでたくビデオデッキを引き当てる。考えてみると俺は数年前のガイナ忘年会でボトムズのLDボックスセットを当てて以来、まったくクジに恵まれてないな。
【12月23日(土)】
よそさまの忘年会も昨日で一段落したことだし、クリスマスだしねってことで、突発的にうちでX-55宴会をやることに決定。ついでに例のモンド・コンピュータの座談会もいっしょにすましちゃえってことで、柳下毅一郎&添野知生をゲストに呼び、ミストラルで5時〜7時までバカ話。やっぱり「マニトウ」と「デモン・シード」がいちばんえらいというのが結論(笑)
そのうちメンバーもそろってきたので、食糧を買い込んでわが家にもどり、X-55とバーチャコップとVF2とRRRで遊ぶ。バーチャコップの画面の上に歌詞出してるとめちゃくちゃやりづらいことがよくわかった(笑) しかしそれにもかまわず黙々と悪漢を射殺しつづける柳下毅一郎。三村美衣はやたら民間人を殺しまくるし、添野は狙いをつけるのが慎重すぎていつも先に打たれちゃうし、つくづく性格が出るゲームではある。
小江さんはさいとうのMacに向かってPhotoshopでえんえんまきがめのコマデータを作成。そのコマはこれなのでテキトーに使って下さい。Winな環境でも使えるんだろうか。たぶんだいじょぶだよね。
堺三保と小浜徹也はなんかえんえん軍隊の階級の話をしている。謎だ。途中から高橋誠@メディアフロントまで参加してはてしなくわけがわからなくなってゆくのだった。
高橋誠はさいとうよしこの原稿執筆状況を監督にきたらしいのだが、わたしがうっかりIRCに入ると、「いまから原稿書きますから」とタカハシ氏に言質を与えたはずの金子誠が事務所からIRC中(笑) しかも某編集部の人と遊んでいる事実まで判明、思わず画面の前でむっとする編集者(笑) まあそういうものである。
午前3時、ぞろぞろ家を出てカラオケボックスを求めてさまよう。そのうち約一名は安室の等身大立て看板をかついでいたりする(笑) 小浜徹也はこの安室を連れ帰るためだけに西葛西までやってきたらしい。しかしこれを川越まで電車で運ぶってんだから、愛の力は偉大だよね。安室も本望にちがいない(笑)
ところでこれは明日の話なんだけど、水鏡子師匠が持ってきたFDの中の800Kくらいある巨大ファイルを分割して水鏡子書評エッセイアーカイブをつくったので、水鏡子の高名をご存じの人は読んでやってください。全部読むと疲れるけどぱらぱら読むと面白いっす。でもこんなの喜ぶのはよっぽど年寄りのSFおたくだけかもなあ。
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【12月24日(日)】
駅前のカラオケボックスを午前5時に出てお開き。添野夫妻あんど柳下が電車で帰ったあと、腹が減ったという小浜夫妻となか卯で朝飯。小浜徹也はてんぷらうどんを食ったあと肉うどんをおかわりする。見習いたい食欲である。一時間ばかり昔話をしたあと解散、うちに帰って爆睡する。
夕方一回起きたけど、ケーキの残りとフライドチキンの残りを食べてまた寝て、ちゃんと起きたのは夜中。起き出してレンタルCD屋に行くとなんでも一泊100円サービス日だったので、MDに落とすためにピチカート・ファイヴのベストとか松任谷由実の新譜とかどさどさ借りてロイヤルホスト。ステーキ食って日記書いて水鏡子の原稿ファイルをいいかげんに整理して帰宅。モロトミじゃなかったトモロウの人とircしながら大量の水鏡子ファイルをftpして日記更新。しかし十年近くにわたって書きつがれてきた総計千枚ちかい書評的エッセイの原稿ってのはWWW上では画期的かも。
水鏡子のプロフィールを書くのを忘れていたので、思い出したついでにいま書いておこう。
水鏡子の読み方は「すいきょうし」。どこまでが姓なのかは不明(笑) えーと、たしか1953年ごろに西のほうで生まれてどこかの高校を卒業して神戸大に進み、SF研究会に所属。在学中からSF評論を手がけ、独特の文体で注目を集める(ほんとか>おれ)。異様なペンネームはウォルター・ミラー・ジュニアをなまって発音したものに無理やり漢字を当てたもの。ティプトリーに漢字を当てた鳥居定夫(テイプ・トリイ)名義で旧(第二期)奇想天外誌の短篇SF書評欄を担当。80年代には、SFマガジンのSFレビュー、週刊読書人のSF時評なども手がけた。ほかに、創元推理文庫巻末の文庫データボックスに連載された「50年代SFノート」など。著書に『水鏡子乱れ殺法SF控』(青心社文庫)がある。「鬼面人を驚かす」論法を得意とし、「面前罵倒人間」とも呼ばれ、若かりし日々には数々の筆禍・舌禍事件を起こしたが、ゲームと競馬にハマった80年代半ば以降はすっかりまるくなっている。三味線のバチにパーマ頭をのせると水鏡子の出来上がりと似顔絵まで披露したのは堀晃だが(『マッドサイエンス入門』新潮文庫参照)、着実な体重増加にともない、いまでは顔もかなりまるくなってしまった。SF界ではもっとも「キャラが立っている」評論家のひとりなので、水玉さんははやく水鏡子似顔絵をつくってください(笑)
【12月25日(月)】
アンダースン&ビースン『無限アセンブラ』★★★(ハヤカワ文庫SF)、J・P・ホーガン『時間泥棒』★(創元SF文庫)読了。『無限』は前半けっこう面白かったんだけどなあ、結末がこれではあんまり評価できない。もう少し盛り上げようがあったのでは。ナノマシン関連の描写はなかなか。まあ中の上ってとこでしょうか。
一方、ホーガンのほうは、こんなもん一冊にして出すなよって感じ。なんか半世紀前のSF読んでるようなテイストで、おなじ時間泥棒の話なら『モモ』のほうがまだましか。いや、『モモ』も説教くさくて嫌いなんですけど。
【12月26日(火)】
中野善夫からメールが来て、中野ページは年末で一時閉鎖になるという。あーNetWorksで紹介しちゃったのに〜ってことで、その場で中野ページのファイルをget、http://www.sdw.com/m/ltokyo/ohmoriの下に/nakanoをつくってputする。というわけで、中野ページ暫定ミラーサイトはここにあります。SF者にはこのほうが便利かも(笑)
クライトン『ロスト・ワールド』★☆を読む。後半はほとんど小説じゃないな。ま、ノベライズだと思えばこんなもんか。無理やり作品に美点を見つけ出して救っている訳者あとがきは、訳者あとがきのカガミ。もっともあっという間に読めるのでそう腹は立たないのだった。
【12月27日(水)】
なぜか午前6時起床。昼間はなんかうだうだしてたような気がする。tokoyaさんの日記まとめ読みしたりとか。しかしそうですか、飯山の21インチモニタは問題ありですか。ううむ。やっぱり17インチモニタセットのデスクパワーHとか買って、そっちのモニタを630につなぐかなあ。オールインワンのデスクトップ機の同梱モニタ比較とかどっかでやってないんだろうか。ま、どっちみち入力2系統持ってるディスプレイはセット物だとほとんど存在しないにちがいない。あの手のモニタは実売6、7万クラスのやつなんでしょうか。
それにしても高円寺猫日記の爆走ぶりはすごいっす。とても勤め人の書く日記じゃないね(笑)
それに刺激されて――というわけでもないが、3時に秋葉原。DOS/V機をざっと見てまわったけどなんだかなあ。必要性に乏しい買い物なのでどうも決断力がない。まあ今年は一台買ってるから、来年まわしだな。
4時にラオックスMac館で三村美衣と待ち合わせ。ダイナフォントパック(年賀状用)とか買ってソフトをぶらぶら見てるところに遅塚久美子@小説すばるが到着。遅塚さんはついにMac者になる決意を(いまどき)したってことで、Macハードを見てまわり、けっきょくPerforma6210スペシャルセット208000円に落ちつく。キャッシュバックが2万あるから188000円で、800メガHDに16メガRAMのパワーMacが手に入り、スタイルライター2200までついてくるんだからまあ安いでしょ。パフォーマ630が10万切ってるってのもお得だけど、メモリとプリンタを買い足したら、実質的な差額は2、3万だもんな。
三村美衣はMacwayのキーボード、遅塚さんは親指シフト対応のRボードをTゾーンミナミ/ソフマップでget。大森は途中でタイムアウトになり、ひと足先に神田へ行って、北口でチャールズ・プラットをpick up、いっしょに早川書房へ。『挑発!』(富士見ロマン文庫)の現物を見せたら、印税は一銭も入ってないという。無版権本かと思ったらちゃんとユニを通じて版権とってるんだよね。契約先の版元はすでにつぶれてしまっているそうなので、いったい著者印税の支払いはどうなってるんだろう? 印税とりもどしてくれたら半額きみにやろう(笑)といわれたが、ううむ、ユニに電話してみる手だろうか。
プラットは早川で上池さんと河野さんにニューヨーク土産をプレゼントし、喜ばれる。食事の約束があるとかでプラットが帰ったあと、星雲賞候補エディトリアルデザイナー、吉永和哉系の忘年会@三州屋。参加者は、阿部、塩澤、河野、嘉藤、高山、星野、竹内(以上早川書房)、三村美衣、小浜徹也、山岸真、添野知生、さいとうよしこ、富川泰次、小牧和巳(光栄メディア事業部出版部)、柳下毅一郎……など総勢20人。
3時間くらい飯食ったあと、残った10人で11/22の95な夜に行ったカラオケボックス、カリブに流れる。前半戦は、小山田派の高山祥子とパーフリ対決。しかし「Slide」で逃げられてしまったし、しょせんDAMの部屋だったので歌い倒すところまではいかなかったのだった。まあかわりに高山と星野がはてしなく踊りつづけていたのでよしとしよう(笑) 阿部編集長と「ノゾミ・カナエ・タマエ」を絶叫しているところへ水玉夫妻も合流、いきなりディープな世界に誘われる。後半2時間は鉄道縛り。「裏切りの街角」とか「檸檬」とか「名残り雪」とか「東京」とか。画面に電車が出るとポイントが高い(笑)
というような馬鹿なことをやっているうちに夜が明けて、神田の吉野屋で牛丼食って午前6時帰宅。なんか十二月はこんなことばっかりしてるような(笑)