『文学賞メッタ斬り! 2007年版 受賞作はありません編』特設ページ



(カバー装画:天明屋尚、カバーデザイン:鈴木成一デザイン室)

2007.5.10発売/四六判ソフトカバー304頁/PARCO出版 1,260円(税込)
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■目次

はじめに 大森望
ひと目でわかる文学賞マップ2007/文学賞カレンダー
ROUND1 [メッタ斬り!トークショー]中原昌也、大いに怒る――第135回芥川賞、事故の顛末――
ROUND2 メッタ斬り!が指南! 07年版・公募新人賞の傾向と対策
ROUND3 毎度おなじみ、選評、選考委員メッタ斬り!
ROUND4 津本先生、さようなら――直木賞と津本陽――
ROUND5 どう変わったの? 最新版文学賞事情
ROUND6 受賞作はありません――第136回芥川・直木賞考察――
ROUND7 決定! 第二回「文学賞メッタ斬り!」大賞
おわりに 豊崎由美
作品名索引
巻末特別付録 '06〜'07年版・文学賞の値うち 文学賞受賞作品を、点数で斬る!(全50賞対象)


■著者プロフィール

大森望(おおもり・のぞみ)
1961年、高知生まれ。翻訳家、書評家。週刊新潮、本の雑誌など各紙誌に連載。主な著書に『現代SF1500冊 乱闘編』『同・回天編』(太田出版)、『特盛! SF翻訳講座』(研究社)、『読むのが怖い!』(北上次郎と共著/ロッキング・オン)など。訳書にコニー・ウィリス『航路』(ヴィレッジ・ブックス)、『犬は勘定に入れません』(早川書房)、『最後のウィネベーゴ』、シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』『輝く断片』(以上3冊、河出書房新社)ほか多数。個人サイト http://www.ltokyo.com/ohmori/

豊崎由美(とよざき・ゆみ)
1961年、愛知県生まれ。ライター。新刊書評を中心に、GINZA、婦人公論、本の雑誌、TV Bros.、文藝など各誌に連載。主な著書に、書評集『そんなに読んで、どうするの?』『どれだけ読めば、気がすむの?』(アスペクト)、『百年の誤読』(岡野宏文と共著/ぴあ)のほか、B級スポーツ観戦記『それ行けトヨザキ!!』(文藝春秋)など。池袋コミュニティ・カレッジにて書評講座「書評の愉悦 ブックレビュー読み書き講座」を開講中。


■はじめに/大森望(単行本より転載)


 過日、《群像》をぱらぱら読んでいたら、名物コラム「侃々諤々」に「文壇いろはかるた」なるものが載っていた。その第一番がこれ、“犬も歩けば文学賞”。

 匿名コラム子は解説で「文学賞栄えて文学なし」と慨嘆してますが、浜の真砂はつきるとも世にメッタ斬り!のタネはつきまじ。

 というわけで、三冊目の『文学賞メッタ斬り!』です。二度あることは三度あるというか、仏の顔も三度までというか、軽い気持ちで初めてパチスロやってみたらたまたま大当たりしてすっかりパチスロ中毒に――みたいな。まあ、世間によくある話ですが、それにしても、年に二回の芥川賞・直木賞の候補作全作と、新たに発表される主要文学賞受賞作のほぼすべて(ただし、書店で買える小説のみ)を読みつづける日々がこんなに長く続くとは……。

 今回のコンセプトははっきりしてて、“たくさん溜まると大変だから一年分をまとめる”。要は、『このミステリーがすごい!』の文学賞バージョン。これ一冊読めば、この一年の文学賞受賞作と周辺事情がわかりますよ、と。十二月にムック形式で出せば、「2007年版この文学賞がすごい!」とか「受賞作が読みたい!2007」とか「2007文学賞受賞作ベスト10」とか、そんなタイトルがついても不思議はないぐらいで、あわよくば毎年出そうという野望さえあるらしい。

 前巻『リターンズ』が芥川賞・直木賞特集に近い内容だったので、今回は、公募新人賞とそれ以外の文学賞とに分け、主要各賞について最新受賞作と最近の傾向を分析しました。本書単独で読んでもだいたいのことはわかるはずですが、基本的にはこの三年間の変化を追った差分ファイル的な性格なので、各賞の成立事情や歴史については、一冊目の『文学賞メッタ斬り!』をご参照ください。

 巻頭トークショーのゲストは、芥川賞落選直後(当時)の中原昌也氏。例によって、中原は最初から最後までクライマックスです。また今回は、毎度おなじみの「選評メッタ斬り!」に加えて、津本陽氏の直木賞選考委員退任を見送る特別惜別企画「津本先生、さようなら」で、過去の津本選評すべてを鑑賞。巻末には、一年間の文学賞受賞作からベスト十作を選びチャンピオンを決める、「文学賞メッタ斬り!」大賞の第二回もあります。
 というわけで、スリムかつハンディかつ(多少は)お求めやすい値段になって新登場の年度版『文学賞メッタ斬り!』、今後ともひとつご贔屓に。って、来年度版のことを言うと鬼が笑いますよ!


■内容見本
「ROUND3 毎度おなじみ、選評、選考委員メッタ斬り!」(109〜110ページ)より抜粋


大森 さて、第一三五回芥川賞。伊藤たかみ「八月の路上に捨てる」がとった回ですね。石原慎太郎「またしても不毛」。タイトルを見るだけでだれの選評だかわかります。

豊崎 宮城谷先生が“ピーカブー”なら、この回のシンちゃんは“本髄”。“文学の本髄”“現代の本髄”。これも意味がよくわかりません。そして、例によってこんな文章を書いておられます。

 離婚という別離についての、自動販売機の商品補填係という現代的な仕事の上でのパートナー同士の離婚の感慨の対比が主題となっている。
 わかりません。どれが主語? 述語はどこ(笑)? 何でこんなにめちゃくちゃな文章が書けちゃうの?

大森 僕がいちばん笑ったのは東京都知事のこの一節。

 総じていえば、私は兼ねている仕事柄雑務が多いので読み過ごしては申し訳ないと思い、候補作が届けられると出来るだけ早く目を通すことにしているが、選考の場に来て論じる際に鮮明に思い出すことの出来る作品がいかにも少ない。
豊崎 なら、選考委員やめろと。おまえのかわりはいくらでもいるんだよ!

大森 意味わかんないよね。都知事の仕事で忙しいのでちゃんと読む時間がなかなかとれない。だから候補作が届いたらすぐ読むことにしていると。つまり、すぐ読む時間はつくれるわけですよ。で、読むんだけど、選考会までに二週間も三週間もあるんで、当日になるとどれがどれだかよく覚えてない(笑)。

豊崎 前の日に読めばいいんじゃないでしょうか、閣下。(*この続きは単行本でお楽しみ下さい)





(カバー装画:天明屋尚、カバーデザイン:鈴木成一デザイン室)


■文学賞メッタ斬り!リンク
『文学賞メッタ斬り!』公式サイト | 『文学賞メッタ斬り!リターンズ』

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■ネット上で読める文学賞メッタ斬り!+α

エキサイト・ブックス版文学賞メッタ斬り!目次
文学賞メッタ斬り!(2003.06.12)
文学賞メッタ斬り!フォーラム(2004.03.20)
大森望・豊崎由美スペシャルインタビュー「芥川賞、直木賞メッタ斬り!」(2004.04.01)
メッタ斬り!版 第131回 芥川賞、直木賞選考会(2004.07.15)
メッタ斬り!版 第132回 芥川賞、直木賞選考会(2005.01.13)
メッタ斬り!版 第133回 芥川賞、直木賞選考会
第2回本屋大賞メッタ斬り!(2005.04.07)
第134回芥川賞・直木賞の受賞作を「メッタ斬り!コンビ」が予想 (nikkei BPnet, 2006/01/06)
第135回 芥川賞・直木賞はだれの手に? (nikkei BPnet, 2006/07/03)
誰が取る? 第136回芥川賞・直木賞(nikkei BPnet, 2007/01/09)
第3回本屋大賞を「メッタ斬り!コンビ」が予想 (nikkei BPnet, 2006/03/03)


■関連リンク
大森望×豊崎由美 2人あわせて、約2,000冊!『そんなに読んで、どうするの?』2006/01/12
翻訳家には快感のツボがある ― 翻訳家のおわらない物語あるいはオレがオレが翻訳の謎大森望×岸本佐知子×豊崎由美
直木賞のすべて(参考サイト)




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